越後では見かけないカエデです。これも裏磐梯で見たものです。似た名前にウリハダカエデというのがありますが、全くの別種。葉が小さくあまり分裂しなくて浅く3裂しているのが特徴です。幹はウリハダに似ていなくもありませんが、黒ずんでいる感じでした。文献には実は赤く熟し紅葉は黄色から赤色に染まるとされています。このあたりもウリハダに似ていますね。県内には両種が混在していないと思いますが、両種の分布を調べると興味深いことが分かるかもしれません。
越後でもよく見かけるはなですね。ヤブデマリです。これは福島の裏磐梯で咲いている花。良く見ると越後の種とは違います。花や葉が小振りで、もっとも印象的なのが葉に毛が沢山あることです。越後の種にはありませんから、このザラザラ感が大きく違うところ。従って、越後にある種はケナシヤブデマリということになるのです。他の地方に出かけて植物を観察することも大切なことなのだなぁとつくづく思い知らされますね。追究すればするほど奥の深さに驚かされます。
越後ではササバギンランをよく見かけますがギンランは見かけません。ここは裏磐梯の桧原湖の遊歩道で、ギンランが多く花を見せていました。ササバギンランとの違いは葉の長さによります。最上位の葉が花穂より長く延びているかどうかで区別します。短いのがギンラン、長いのがササバギンランです。ここの個体はどれも短いものばかりで、ギンランということになりますね。福島の内陸部は、一見新潟の植生に似てはいるものの、しっかり観察していくとそれなりの違いが見えてきます。
庭木や公園樹としてありふれている種ですが野生にぽつんと生えている株を見るととても感激します。昔、山梨の清里高原で沢山見た記憶がありこのときも感激したものですが、今回はたった一つの個体に感激です。場所は裏磐梯の雑木林の中。
実は全国どこにでもあるとはいうものの、簡単には見られなくなりました。おそらく里山としての利用が減って、樹木の伐採が行われなくなっているからではないでしょうか。レンゲツツジは伐採地の明るくなった環境に出現し繁茂するようで、木々の成長と共に姿を消していくのだと考えています。
実は全国どこにでもあるとはいうものの、簡単には見られなくなりました。おそらく里山としての利用が減って、樹木の伐採が行われなくなっているからではないでしょうか。レンゲツツジは伐採地の明るくなった環境に出現し繁茂するようで、木々の成長と共に姿を消していくのだと考えています。
この花を取り上げるには少しタイミングが遅れているかもしれませんが、先月の中ごろの話で、ちょうど前後してフデリンドウを観察したことがありますから、ここで登場してもらいます。春の花という感じですからこの花が咲いている場所は雪解けが送れようやく春が来たという場所と考えられます。他の植物も育っていないせいで枯れ葉が積もる林床に独り花をつけているという風情です。リンドウの中では最も小さい種で気をつけていないと見過ごしてしまいます。
そういえばリンドウは秋の花というイメージが強いのですが、春に適応した種がいくつかあります。すべて小型種ですね。
そういえばリンドウは秋の花というイメージが強いのですが、春に適応した種がいくつかあります。すべて小型種ですね。
ややピークが過ぎたカキツバタ、青い花の中心に白く細い斑紋があって種を特徴付けています。湿地性の初夏を代表する花です。しかし、野生の状態で見ることが非常に少なくなってきました。これはたきがしら湿原にあったものですが、ここも人工的に作られた場所で真に野生のものとはいえません。しかし、花弁の状態などから原種に近いものと思います。
赤花とまではいえないかもしれませんが、普通種に比べ著しく異なった花の色をしています。いろいろな問題はあるようですが、花の色を除けばカキツバタの性質を持っていますから、カキツバタの赤花種としておきましょう。しっかりとした文献を持っていないので、不確かなところがあるのですが、日本に自生していたものでかなり古くから栽培されていたようです。これは、丘陵公園の山の水辺区に植栽された個体で明治神宮のショウブの愛好家によって引き継がれてきた種とされています。
「いちろべえごろし」といわれる物騒な種でかなりの毒性があるようです。そういえば以前はよく見かけたような気がしますが久しぶりに出合った気分です。ましてや花がある個体はかなりご無沙汰でした。減ってきたような話もあるようですが、果たしてどうでしょうか。赤道に沿って分布しているという話もあり、世界的に見られる種です。猛毒で恐竜を滅ぼした植物ではないかと推測する向きもあるようです。どういうつながりがあるのか疑問をもたれることでしょうが、恐竜が絶滅した頃にはまだこの種は出現していないのではないかというのでこの考えはいまのところ没ですね。
花弁は退化していてありません。これは雌花で赤く見えるのはめしべの色です。受粉後このままの形で熟して緑色がやがて赤くなり最後には黒くなっていきます。果実は噛むと甘いのだそうですが、猛毒ですから試すことは止めましょう。私はいろいろなものを口にして味を確かめる癖がありますが、このドクウツギはパスします。