イワウチワの花の跡には実が多くついています。なかなか大きな実に感じますから、種子は小さいため果実の中には非常に多くの種子があるはずです。イワウチワは普通大きな群落になっていますが、おそらく栄養繁殖で増えた株が大きな群落をつくっていると考えていますが、それを考えると、この果実が生産する種子の量はかなりアンバランスな感じがします。それも、花をつけたところの多くに果実がある訳ですから・・・。
とある湿原を訪れました。カキツバタが名残の花をつけている中で、ひときわ目立っていたのがミズチドリです。こんなに立派なミズチドリに出会ったことはなく一瞬目を疑ってしまいました。この系統のランはみんな小さな個体ですが、1mには及ばないまでも草丈はおよそ80㎝はあろうかという大きなものです。
花をあげている個体が4株。探せばまだ小さな株がいくつかあるようなところでした。湿地としてはそれほど大きなところではありませんが一見して良好な状態にあるように見えます。
花をあげている個体が4株。探せばまだ小さな株がいくつかあるようなところでした。湿地としてはそれほど大きなところではありませんが一見して良好な状態にあるように見えます。
花の大きさは1㎝ほどの小さいといえば小さいのですが、その花がびっしりと50以上は並んでいます。花穂の大きさは40㎝はありました。栄養がいい湿地に生育するミズチドリは大きくなるそうですが、この湿地はそれに当てはまるのでしょうね。花の色がまさに純白で引き込まれてしまいそうです。キソチドリやトンボソウに近い種と考えていますが全体に地味なランなのにミズチドリの存在感には圧倒されます。素敵な時間を独り占めしました。
県北に分布するオヤリハグマです。胎内市以北にはごく普通にある種ですが、これがそれ以南だとパタリと見られなくなるという面白い分布をしています。
かなり以前(30年以上前)尊敬する故池上先生と観察会にご一緒した際に広神の山間で見つけ、いささか興奮気味に話をされたことがありました。その当時は先生のご指摘は理解できなかったのですが、今はなんとなくその意味が分かるようになっています。穏やかな池上先生のしかしかなり高揚した雰囲気が強い印象になっています。つい先日重要な仲間を失って、次々に他界される優秀な人材をとても惜しむ気持ちがいまさらながら強くなってきました。
かなり以前(30年以上前)尊敬する故池上先生と観察会にご一緒した際に広神の山間で見つけ、いささか興奮気味に話をされたことがありました。その当時は先生のご指摘は理解できなかったのですが、今はなんとなくその意味が分かるようになっています。穏やかな池上先生のしかしかなり高揚した雰囲気が強い印象になっています。つい先日重要な仲間を失って、次々に他界される優秀な人材をとても惜しむ気持ちがいまさらながら強くなってきました。
クルマユリの分布はなかなかユニークです。普通のイメージは高山植物で、各地の山岳行楽地などで販売されている植物図鑑類には必ずといっていいほどクルマユリがのっています。私も若い頃は2500m以上の高山で見る花という思い込みで観察をしていましたが、なんと地元の里山でこの花を見たときの驚きはかなりのものがありましたね。
県内の分布は米山以北の西山丘陵・佐渡・粟島・弥彦山塊・村上の海岸沿いなどの低地に幅広く自生が確認されています。もちろん飯豊や朝日連邦などの高所にも見られます。つまり、県境の山岳地帯からそれらが取り巻く低山帯に降りて分布域を広げたようにも取れるのです。仮説は外れているかもしれませんが県内では決して高山植物ではないことは確かです。高坪山にも自生が見られました。
県内の分布は米山以北の西山丘陵・佐渡・粟島・弥彦山塊・村上の海岸沿いなどの低地に幅広く自生が確認されています。もちろん飯豊や朝日連邦などの高所にも見られます。つまり、県境の山岳地帯からそれらが取り巻く低山帯に降りて分布域を広げたようにも取れるのです。仮説は外れているかもしれませんが県内では決して高山植物ではないことは確かです。高坪山にも自生が見られました。
ブナの林床には可愛い小さな花が沢山咲いていました。ツルアリドウシです。西日本にあるアリドウシとは全く類縁がないのに赤い実がアリドウシに似ていると思われたのでしょうか、同じ仲間にされてしまいました。この赤い実は対になった花の跡が残る合着したもので、見るものをして可愛い妖精の顔に見ます。2つの花が仲良く咲いて一つの実を結ぶ・・・。なかなか味わいのある習性をした種ですから私の好きなものです。妖精のような赤い実を「ブタ鼻」と表現した人がいてきつく抗議したことがあります。感性の欠落した人とは付き合いたくないものです。
ここにはツクバネも見らえました。丘陵公園の里山と同じものがいくつも出てきましたが、そのうちの一つです。それほど個体数が多いというようには見えませんでしたから「ここにも分布している」という程度です。もう少し低地がお好みのような気がしますね。半寄生植物ということになっていますが、何に寄生しているのかははっきりとはしません。
アカマツの枯れ木がいくつかって、登山道に近い枯れ木は切り倒されているのですがそんな切株に大きなキノコ。マツオウジです。大きさを比較するのに持ち合わせのアイホンを添えてみました。近くにこれほどでないにしろいくつかの菌がありました。発生の時期になったのでしょう。ヤニ臭い香りといえばそうかもしれませんがそんなに不快な香りではなくしっかりとしたキノコで食べておいしいという話もあり、系統によっては中毒するという話もありで、あえて口にしないことにしています。
沢に近いやや湿った場所にミヤマカラマツがありました。この花も群生しているところには出会ったことがないのですが、夏場深山に来るとだいたい出迎えてくれる花でお気に入りの一種です。清楚な美しさを感じますね。水と関わりのある花の印象を強く持っています。それは、かつて渓流釣りに夢中になっていたころに、沢の中を歩きながら崖などに生育し咲いている花を見てきたせいでしょうか。
「クモキリソウ」の由来はわかりません。「クモ」は「雲」でなく「蜘蛛」のようですから花が蜘蛛に似ているか何かの関係かなと思ってみていてもピンときません。蜘蛛を連想できないわけではないのですが・・・。それはそうとランの花はどれも個性的で面白いものばかりです。