クマツヅラ科の花は園芸植物に多くみられます。バーベナやイワダレソウなど、あるいは香りがよいものもあるそうです。しかし、ムラサキシキブはやはり実に特徴があります。秋の庭を飾る紫色の丸い実は誰もが知るなじみの深い種ですね。その花をあまり知らない人が多いのも不思議な気がするのですが、花ももっと関心を持ってもらいたいいい花だと思います。
低山でありながらブナの大木が多いことで知られている高坪山に行ってみました。ここは胎内市に隣接していますが、村上市に属しているのでしょう荒川の南側にある海抜570mの山。2か所ほどの急登をこなせばほぼ平坦な尾根筋を楽しめるコースでした。飯豊山系の展望にもいいようなのですが、あいにく曇りで見えません。尾根筋にあるブナの林に登山道が作ってあり、いい感じで歩くことができます。見るに尾根筋のブナは樹齢は若く、傾斜の急な西側斜面に大木が残る場所もあり人手がはいっていない区域であるようでした。
高坪山のブナ林の道をもう一枚。周囲には越後ならではの植物が生育していて、長岡近辺とそれほど差はありません。しかし、よく見ると生息する植物が微妙に差があることがわかります。そんなことからでも何かしら教えられることがあるので勉強になります。
クヌギの大木を見ることはあまりまりません。多くは人里近くにあって植栽されたものとおもいます。本当に自生のクヌギは県内にあるのかないのか?尾根に取りつくと径50㎝ほどの樹がありました。周囲には他にクヌギの木があるかどうかは見通しが悪い場所で確認はしていませんが、人手によるものか自生か微妙なところ。前者の可能性が高いと思いますが、久々にやや大き目なクヌギに出会ったことが感激でした。
あまりにも一般的になってしまって普段は忘れ去られている花にエゾアジサイがあります。山にあるからヤマアジサイという人が多いのですが、「ヤマアジサイ」はまったく別種で関東の山の中で見ましたね。白い花で、青い花はなかったと思います。自生のアジサイの仲間で美しいのはエゾアジサイに勝るものはありません。地域で微妙に花の色は異なり結構変異はありますが澄んだ青色にはひきつけられます。栽培種のアジサイにはない魅力があるように思います。
周りの大きなものは装飾花、中央に配置されているのが両性花で種を作るものです。分業が進んでいて、花序全体で一つの大きな花を形造っていると考えると理解しやすいと思います。遠くから昆虫を引き寄せるには合理的な形態をしているように思います。アジサイはユキノシタ科、同じ進化の道をたどっているのがスイカズラ科のヤブデマリの仲間です。起源が全く別なのに形態など生活形が同じようになるものを相似器官と呼んでいますが、生活する場所その方法が類似している証拠です。
撮ろうと思ってもなかなか取れないのが動くものの写真です。ましてやゼフィルスの一種のミドリシジミをカメラに収められるとは幸運も幸運という感じで、一人興奮気味に被写体を追ったものです。
胎内の荒川沿いにそびえる高坪山に入った時のこと。ここは低所にもかかわらず図なの良質な林が広がっている場所で有名ですが、それを一目見ようと出向きました。のぼりからなかなかの急登で息を切らせて稜線に出て、一息入れながら緩斜面を登っている途中にオオミドリシジミの乱舞する姿に出会い見上げていると、その中の一頭が目の前のササの葉に止まりました。あわててカメラを取り出そうとすると、再び3頭で入り乱れて飛び回ります。縄張りを争っているような行動に見えました。一騒ぎあると再び同じような場所に降りて翅を休めるという風情ですから、カメラチャンスとばかり狙うこと数分、まずまずの絵が取れました。デジカメですから像は甘いですね。しかし、私としては記念すべき一枚になりました。美しい蝶です。
胎内の荒川沿いにそびえる高坪山に入った時のこと。ここは低所にもかかわらず図なの良質な林が広がっている場所で有名ですが、それを一目見ようと出向きました。のぼりからなかなかの急登で息を切らせて稜線に出て、一息入れながら緩斜面を登っている途中にオオミドリシジミの乱舞する姿に出会い見上げていると、その中の一頭が目の前のササの葉に止まりました。あわててカメラを取り出そうとすると、再び3頭で入り乱れて飛び回ります。縄張りを争っているような行動に見えました。一騒ぎあると再び同じような場所に降りて翅を休めるという風情ですから、カメラチャンスとばかり狙うこと数分、まずまずの絵が取れました。デジカメですから像は甘いですね。しかし、私としては記念すべき一枚になりました。美しい蝶です。
この時は2頭のシジミチョウの乱舞です。回転しながら次第に上空に行ったかと思うと急に方向を変えて、あるいは近くの葉に止まったり、新たな個体が出てきて3頭でくるくる回転しながら飛んだりしています。雄同士の縄張り争いとみるのが自然なんでしょうね。
ミドリシジミの仲間をゼフィルスといいます。樹上性のシジミチョウの仲間の総称で、ギリシャ神話の神の名前が与えられています。私が若い頃に夢中になった蝶で鈍行列車に乗って他県まで採集しに行った記憶があります。魅入られたんですね。今はその熱は冷めていますが、やはり目の前に現れると昔を思い出します。雄は輝く緑色をしていますがメスは概してじみです。しかし、翅の文様が4種ほどあってO型A型B型AB型と人の血液型に似た区別が出来るのが面白いところです。日本には20数種が生息しているとのことです。そういえば里山フィールドミュージアムにも生息しているはずですが、だれも確認していないのが問題ですね。標本もありません。展示標本くらいは作る必要がありそうです。
先月のことですが、菅平の峰の原に出向いた目的はこの花の群生の様子を見たかったためです。やや雨っぽかった日でしたが、まずまずの花盛りで一時至福の時を過ごしました。若い頃南アルプスの赤石岳を目指していた時の針葉樹林帯で出会ったベニバナイチヤクソウの群落、あの時の感動を再び思い出しましたね。同行された方々もみんな感動されていました。
大群生にはなっていなくてもこの花は高原などにはしばしば見られる花ですから、特段珍しいものではありません。しかし、他のイチヤクソウの仲間は群生していてもごく小規模なのに対してこの花は実に大規模な群落をつくります。その違いの理由付けはできませんが不思議な習性をもった花です。花の構造もなぜか長く飛び出た雌しべ、それも像の鼻を連想させるような形状になることがとても愉快です。
里山ではヤブデマリの花が終わって少し時間が空いたころに菅平に来ましたから、車を走らせながらこの花を見たときは「遅いヤブデマリの花だなぁ・・。高所だからこんな時期に咲くのかな?」などと考えていました。それにしても整った樹形に純白な花が気になって近くに寄ってカンボクと分かり、うかつな自分に反省です。自らの経験ではカンボクは実の季節が強い印象で、花の季節はほとんどスルーでしたね。写真で花を知っていただけで、実物をしっかり認識したのは実はこれが初めて。美しい花です。見入ってしまいました。