森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コシオガマの花

2014年11月19日 | 自然観察日記
花はかわいい花です。この種のグループにナンバンギセルもあるそうで、これも寄生植物(ナンバンギセルは残念ながらいまだ観察したことがないのですが公園内にもあることになっています)。日当たりのよい場所を好むようで雑草的な面も持ち合わせているのでしょう。人の活動にうまく適応して種子散布をしている感じがします。県内でも点々と採集されている記録があります。

タマバシロヨメナ

2014年11月18日 | 自然観察日記
ノコンギクの花の色は多くは青紫色。濃淡があってほとんど白いものもあります。ユウガギクも同じような色彩の範囲。もう一種紛らわしいものにヨメナがありこれも似たような色彩の範囲。さすがにヨメナの純白な個体を確認したことはありませんが、別種にシロヨメナという種が自生していて混乱に拍車をかけます。違うといえば違うのでそれほど大きな誤解をないかもしれませんが、シロヨメナは林地に生えていて日当たりのいい場所を好むノコンギクやヨメナの仲間とは区別しやすいものです。最も新潟に自生するシロヨメナは太平洋側に観られるシロヨメナとは幾分異なるのでタマバシロヨメナとして区別されています。

タマバシロヨメナの花の拡大

2014年11月18日 | 自然観察日記
晩秋でも花が見られるタマバシロヨメナは公園の里山エリアにとっては貴重な存在です。清楚な花は個人的には好きな花でもっと多くあるといいなぁと考えていますから、余裕ができ次第増殖に取り組む予定にしています。しかし、生育するのに合っていると思われる場所が案外少ないのが思案のしどころですね。

ノコンギク

2014年11月17日 | 自然観察日記
どこにでもあるごく普通の山野草として紹介される花の一つにノコンギクがあります。しかしそれが曲者で、意外に正確には判別できないで違う種をそう思い込んでいる場合が多い気がします。概てキク科の花は紛らわしくて難しいグループですね。例えば花だけ見ている限りユウガギクと区別できる人はいないかもしれません。日常生活では両種を区別する必要はありませんから自分の思いで花を見ていればいいと思います。少しマニアックになって物事の「違い」に興味を持たれるならその先に進めばいいのです。確かに、遺伝的にはユウガギクとノコンギクは異なる種ですからその違いが見えてくると面白さはより大きくなることは確かです。

ノコンギクの実

2014年11月17日 | 自然観察日記
ノコンギクの確実な見分け方は実の毛の状態が最も簡便でしょう。私もこの部分で最終確認をしないと葉の毛の尾さや葉の形状では心もとない状態です。結構個体差があってユウガギクでも葉の強いものもあるので手触りだけでは怪しいのです。ちなみに丘陵公園には確実にノコンギクと自信をもって説明できる個体は見当たりませんから、「どこにでもある」というのもまゆつばものになりますね。

カモシカに遭遇

2014年11月16日 | 自然観察日記
山に出かけているといろいろな動物に出会うものです。今回はカモシカ。過去に数回あるのですが、カメラに収めることができたのは今回が初めてです。今までは沢歩きなどを行っていた時に出会った経験がありますが、今回は車で移動中の時です。車の中にいたということもあってか、最初驚いて逃げ出したものの安全距離を取ったところでこちらの様子を長々とうかがっているという状態でした。カメラを取り出して撮影できたのも車に乗っていたためだったようです。その距離およそ30m。スギの林で道路際にいたときに私の車に気づき斜面を少し駆けがった場所で止まった車を観察している姿です。この姿勢がかなり長い間続きました。ガラス越しに私の姿も見えたはずですが、過去に直接対峙した時の様子ではなくかなり反応が異なる気がしました。

ニホンカモシカ

2014年11月16日 | 自然観察日記
逃げる様子もなくようやく姿勢を変えてこちらを向いた時の絵です。私の撮影した写真の一つの作品になりました。写真を撮っているときは幼獣かなと考えていましたが、写真を拡大してみると角などもしっかりあるようで成獣なのかもしれません。時間にして10分くらいも見つめあっていたでしょうか、車を降りると余計な恐怖心を与える気がしてそのまま私の方からその場を離れました。

カキノミタケ

2014年11月15日 | きのこ・菌類
このキノコもまれなキノコでです。変わったキノコで柿の実にのみ取り付くキノコだと紹介されます。公園の里山に植えられている柿の木の下に発生する特殊な存在。一般的なキノコとは形態がまるで異なりますからキノコの仲間にするには抵抗があるところ。カビなども含めて菌類というくくりで評価するとキノコに含めてもよいという程度の分類になります。ところで、菌類も特異性が見られ自分が取り付くものが1対1で決まっているという種があるのですが、私が知る範囲ではいわゆる冬虫夏草といわれるグループに際立っているように思います。相手は昆虫に取り付くのですがこの種は植物の柿の実に特化したと考えるとなんとなく納得します。ほかの木の実にも同じような特殊な菌がつくのかもしれないと想像をたくましくしています。

粘菌の一種

2014年11月15日 | きのこ・菌類
この仲間はキノコではありません。胞子を作るのですが細胞性粘菌ともいわれ、変形菌に分類されます。生活史の中に単細胞で生活しそれがまるでアメーバーのような変形する細胞の時代があり、虫生殖をおこなうときに各アメーバ状の細胞が集まって胞子を作る体に変化します。この絵はまさにこれから胞子を作り無性生殖を行おうとしている時代のものでしょう。自然界には不思議な生き物もまだまだ多いのです。奥が深いですね。

サンコタケ

2014年11月14日 | きのこ・菌類
この種は形が変わっていてもキノコと分かります。サンコタケ、サンコは「三鈷」のことで仏具の一つ。言われてみれば言い得て妙の形状をしています。内側に付着する黒いものが胞子で子実体であることが理解できます。あまり発生を見ることはありませんが極めて珍しいものでもないようです。スッポンタケの仲間になります。

サンコタケの基部

2014年11月14日 | きのこ・菌類
基部を見ればスッポンタケやキツネノエフデと同じ仲間だというのが納得できます、胞子の部分(グレバ)は悪臭があるとされますが、量が少ないせいか確認できませんでした。

ウラベニホテイシメジ

2014年11月13日 | きのこ・菌類
最近見たキノコの一つでりっぱなウラベニホテイシメジがあります。秋のキノコ狩りの一つの対象になっていて地元の人は単に「しめじ」という言葉で話される方が多いようです。私が子供のころは「しめじ」はホンシメジ(当時は大黒シメジとも呼んでいました)ことだったのですが、最近では採れたという話は皆無でマツタケ同様な感じです。しかし、このウラベニホテイシメジはまだまだ多く発生するようでうまく当たるとかなりの収量になります。個人的にはあまりこのキノコを口にしないので味のコメントはうまくできませんが、そこそこいけるようですね。幾分大型のキノコでしっかりとした茎の太さ質感があります。は今年は当たり年なのか。