森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオバスノキの花

2015年07月19日 | 自然観察日記
新潟にいるとオオバスノキは普通に出会える低木ですから、取り立てて注目もしないことが多いのですが、他県で見ると果たして同じものだろうかという意識で観てしまいます。県内の種はここがどうだったとか、あそこはこうだったったとか・・・。ともかく、案外頭にないことが多く普段の観察の甘さを自覚してしまいます。
オオバスノキの花も花の色は幅があってほとんど緑色のものから赤味を帯びるものもあります。こういうところをあまり厳密に考えてしまうと混乱のもとと捕え個体変異の範囲とザックリと考えることにしています。

ハクサンシャクナゲ

2015年07月18日 | 自然観察日記
シャクナゲがありました。ハクサンシャクナゲです。新潟ではまずアズマシャクナゲが出現し、さらに高所にハクサンシャクナゲというおおまかな垂直分布状の住み分けみたいなものを感ずるのですが、ここはハクサンシャクナゲしか見当たりません。海抜2000mの高地ですからハクサンシャクナゲだけでも違和感はありません。まだ、6月下旬ですから花があってもよさそうなのにまだつぼみの状態でした。

ハクサンシャクナゲの病葉

2015年07月18日 | 自然観察日記
白い塊がありましたから、ハクサンシャクナゲの花かと思いきや葉が白くなってまるで花のように見えるのです。結構きれいな色彩をしていて目立ちます。これが、一株だけでなく実に多くのハクサンシャクナゲの個体に見られるのです。近寄ってみれば、正体は葉が水ぶくれのように膨らんで白化しているのです。明らかに病気になっている状態です。

ハクサンシャクナゲの粉もち病

2015年07月18日 | 自然観察日記
ツツジ科の植物には葉が火ぶくれ状になるもち病が多く発生します。これもその一種で粉もち病というのだそうです。罹患した初期は綺麗な色をしていますが、やがて黒変してくるそうです。いろいろなしゃまに登ってきましたが、これほど多くの個体がこのもち病に罹患しているのを見たことがありません。この山域には菌体が居座っていてシャクナゲを食い物にしているというところでしょうか。自然の摂理とはいえ、この状態ではシャクナゲの花は期待できない場所ということになります。

ミヤマニガイチゴ

2015年07月17日 | 自然観察日記
尾根の散策路や湿原の縁などに一貫してでてくるキイチゴでここではごく普通種です。花がそれなりに咲いてはいるもののどことなくしわくちゃの花でみすぼらしさもあるのでしょうか、ほとんど注目もされないかわいそうな花ですね。おまけに棘もあって他の花を撮影しようと屈んだ姿勢になるとひっかっかってしまういささか厄介な存在でもあるのです。この実がおいしいという人もいるのですが、どういうわけか熟した実の季節にタイミングが合わないのでしっかりと味わったことがないのが残念です。美味しいと実感できればこの種の印象も違ってくると思います。

ミヤマニガイチゴのつぼみ

2015年07月17日 | 自然観察日記
ミヤマニガイチゴの花は白色ですが、つぼみの色は赤味を帯びている個体がありました。すべての個体が赤いつぼみというわけではなかったのですが、多くの個体の茎も赤味を帯びるものがありかなりました。白い花の前にこういう色彩を持つ時期があることを知ると少々違った印象を受けます。

コマクサ

2015年07月16日 | 自然観察日記
池の平湿原は少々期待外れとしてもその湿原を取り巻く尾根にはコマクサの中規模な群落が二か所あって、これがここの最大の売りなのかもしれません。まさに花の季節で見ごろ。あいにくのお天気で人影がないのですが、この場所を訪れたときはまずまずの天候でたっぷりと堪能させていただきました。ただ、ロープ柵が張ってあっていささか興ざめなところがあるのですが、こうでもしないと踏み荒らしたり盗掘したりであっという間に消失してしまうのでしょう。近年の山に来る人のマナーの悪さが気になります。

コマクサが生育する荒原

2015年07月16日 | 風景
ここは浅間山につながる火山地帯の一角と考えればこのようなガレ場が点在していても不思議ではありません。ほぼコマクサ以外には生育している種が見当たらないほどの格好の生育環境です。ちょうど晴れ間が出てきた時で遠景には千曲川沿いに広がる街並みも見えます。池の平湿原までは車で来れるわけですから、コマクサを見るのにほとんど苦労する必要がない場所といえます。かつて、この花を求めて30kg位のザックを背負って燕岳を目指したことが忘れられません。コマクサは私にとっては高嶺の花。こうも簡単に出会えるとは...。

コマクサの花

2015年07月16日 | 自然観察日記
今まで何度となく花の写真を見ていますから一見すればすぐそれとは分かるものの、花を分解観察したことがないのでその作りが全く分かりません。ものの本によると花弁は4枚で外側の2枚が背で膨れ先端が外側に湾曲していて独特な形状していて、内側の2枚は細長くしべを包むように伸びているという説明です。この花を見て馬を連想できない私がいます。
コマクサは有毒植物で、かつては薬草として大量に採集された時代があったと聞いています。

ゴヨウマツ(ヒメコマツ)

2015年07月15日 | 自然観察日記
針葉樹の多くはカラマツですがゴヨウマツ(ヒメコマツ)も点在しています。ゴヨウマツとキタゴヨウの区別がうまくできませんが、ここでは5~6mほどの立木になっていました。さらに、ハイマツとの区別も地を這うかどうかの違いくらいの認識で明確な区別ができるほどの眼力がないのが実情です。ハイマツも低地で成長すると立木になって大きく成長するという話を聞いたことがありますから、かなり混同してみていたかもしれませんね。葉はいずれも五枚あってゴヨウなのです。

ゴヨウマツの古い球果と葉

2015年07月15日 | 自然観察日記
根元に落ちていた球果と葉を確認のため記録しました。球果の特徴からハイマツでなくゴヨウマツにしました。ハイマツの葉はもう少し長めのようです。生態的にはハイマツよりも低山で尾根筋など他の種が生育できないような場所にも生育しています。

マルバダケブキの葉鞘

2015年07月14日 | 自然観察日記
花は真夏に見られます。この季節は葉鞘に大切に包まれて熟成している期間とでもいえるのでしょうか。丸々と太って出番を待っているようです。鞘の色が赤紫になることが特徴のようです。この時期の様子を知るのも意味のあること。花はオレンジに近い黄色で数センチもありキク科の花としては幾分大きい花です。

グンナイフウロ

2015年07月13日 | 自然観察日記
少し早い気がしますが、フウロウソウの花が咲き始めていました。今年はどの花も花の時期が早いようですね。青い花はグンナイフウロウ。もう一種の桃色の花のハクサンフウロウはさすがにまだ咲いていませんでした。

グンナイフウロウの花

2015年07月13日 | 自然観察日記
県内の山地には見られない種で太平洋側の山地に生育する種のようです。さらに高山帯にはタカネグンナイフウロウがあることになりますが、わざわざ区別しなくてもいい種で色彩の違いくらいの差のようです。池の平周辺には青みがかった個体が多いようですが、赤味を帯びた花もあるようです。花の中央に雄しべと雌しべがまとまった突起状の構造が印象的です。