普通種といってもとても変異があるものですから何が普通なのか定まりませんが、薄く赤紫色をした個体をいうことにしておきます。もちろん園内にはショウジョウバカマはところどころに自生していますから、まとめられたエリアだけでなく各所で見られました。そもそも、ショウジョウバカマは垂直分布がとても大きく2500mを超す高山帯から里山まで見られます。また色彩や大きさなども自生する地方地方で異なるようなので変異を調べたら面白いのだろうと考えています。それに、花茎の性質が面白く、伸び始めから伸びが止まるまでの間、花が咲き結実し種子を散布するという一連の反応を行うとされます。伸び切って花を咲かせるというのではなく、ゆっくりと伸長している間に次々とステージが進むという具合になっているのです。なかなか面白いですね。伸長が終わった段階ですべてが終了していることになります。
越後丘陵公園の里山フィールドミュージアムより一足先に開園する雪国植物園に開園早々出向きました。お隣どうしでお互い似たような環境ではあるのですが、園長の決断とボランティアの動きがいいせいで手入れの良さは格段に違います。当初の考え方が幾分色あせて方向感がやや不明になっているのが気にかかりますが、あの動きの良さがとても羨ましい。「里山」といいながら放置され手つかずの荒れたエリアを抱えるものにとってはいら立ちを隠せません。
それはそうと、園内には残雪も見られますが雪割草の季節ということもあり訪れた日は晴天の休日ですから駐車場がいっぱい。車が道路に溢れ警察の指導が入るほどの人気でした。
それはそうと、園内には残雪も見られますが雪割草の季節ということもあり訪れた日は晴天の休日ですから駐車場がいっぱい。車が道路に溢れ警察の指導が入るほどの人気でした。
種名はオオミスミソウ。漢字を当て「雪割草」と表現しサクラソウ科のユキワリソウと区別しているとか。園内の至る所に植栽されているのですがゲートから10分~15分くらい歩いた斜面に大量に植え込まれていてまずまずの景観ができていました。自生種というよりかなり人手のくわえられた栽培種もあるようです。
かつては日本海に沿った低山丘陵地帯はオオミスミソウで埋め尽くされていました。どこに行っても色とりどりの花が当たり前に合ったものですが、今では話にならないほどの無残な状態です。趣味人が盗掘したという話はしばしば聞きましたが、都会の業者が地元のおばさんに一芽○○で買うからと根こそぎ持って行ったというような話も聞いたことがあります。今では野生のものはごく限られた場所にしか見られません。
逆に栽培増殖した株を本来生育していなかった山々の登山道沿いにせっせと植えているという人もいて顰蹙を買っています。本人は良いことをしていると思ってのことなのでしょうが・・・どう対応したらよいものか悩みますね。
逆に栽培増殖した株を本来生育していなかった山々の登山道沿いにせっせと植えているという人もいて顰蹙を買っています。本人は良いことをしていると思ってのことなのでしょうが・・・どう対応したらよいものか悩みますね。
早春、高速道路を走ると法面にオオバヤシャブシが目に留まります。木々には葉がなく草本類もまだ芽が出ない、春とは名ばかりの冬枯れの季節。しかし、目立たないながらハンノキの仲間はすでに花が咲きだしています。その中でオオバヤシャブシは比較的大柄の花で色も黄緑色をしてますから気付きやすいのです。在来種のようですが、越後の里山にはもともと見られなかったのですが、道路工事などにより造成地や荒地にいつしか目に付くようになっています。
3月中旬、残雪のある里山フィールドミュージアム内をスノーシューを履いて歩きました。その時に出会った樹です。樹肌で大体は見当がつくのですが、この時は全く別のものを連想していたのですが、どこか変。よくよく観察してみると驚きました。周囲に沢山あるのですが、これほどの巨木を今まで見たことがなかったので唖然としました。何だと思います?
太い茎ではあってもよく見ると棘がところどころに残っています。実はタラノキです。茎が10cm程度のものはしばしばみていますが約30cmものタラノキに出会ったのは初めてです。この種にとってはすごい巨木です。これは丘陵公園の宝になるかもしれませんね。うっかり切られないようにしなくてはいけません。
平均的ですがやや大きめのタラノキです。先の大木のある場所から少し離れたところにある個体です。公園という環境ですからここまで成長できたのかもしれません。そもそもタラノキは人里近い森の周辺部に見られる種で、日当たりのよい草原などでは若い芽生えが沢山あって山菜取りの対象になっています。タラノキの生育する範囲に野ウサギが生活するともいわれていて、雪解け後に見るとタラノキのウサギによる食害跡がたくさん見られます。重要な食糧なのですね。タラノキの芽を山菜として血眼になって探して食べるというのは日本人くらいなのだそうです。最近では枝ごと刈り取っていくとか。いくら旺盛な繁殖力でもかなりのダメージがあるのではないでしょうか。野ウサギにとってもかなり迷惑なことでしょう。
雑木林を構成する高木の一つがモミでした。径が50cmくらいですから数十年は経ている個体だと思われます。民有地でよく見られる境木として植栽された可能性もありますが、幼木も所々にありましたからおそらく自生のものではないでしょうか。