瑞雲院にあった「宝篋(ホウキョウ)印塔」はいつ頃のものかはわからなかったが、「基礎」にお経の趣旨を印刻している。
この石塔は、おおまかに「相輪・笠・塔身・基礎」から構成されているが、相輪は金属製。この部分はあとで作られたものかもしれない。「塔身」にお経が入っている「篋(ハコ)」があるのが特徴だが、時代と共にその多くは簡素・省略があったり多様のようだ。
「基礎」に刻印されている文字を判読できる範囲で読んでみる。「円成宝塔/八萬由旬/仏〇高輝/威光維新」かな。「由旬(ユジュン)」とは、古代インドの「長さ」の単位。
仏陀の威光がこれでもかと輻射してくる文章だ。要するに趣旨は五輪塔と変わらない気がするが、背の高い立派な宝篋印塔であることは間違いない。合掌。