久しぶりに家族で夕飯を食べに出かける。娘が紹介してくれた国道沿いの「初代(ショダイ)」という和カフェ&蕎麦屋だった。有名なのは、「白いカレーうどん」ということらしいので、さっそく注文する。表面は確かに白い。それは、蒸かしたジャガイモを粉状に濾してから生クリームと蕎麦の二番だしを混ぜたものだという。中身のうどんを掘り出してみると、まさにカレー色の、味もカレーうどんだった。このコラボレーションが和洋折衷のシンフォニーとなっている。
ざるではないが、暖かい汁に鴨肉やネギが入っていた「鴨そば切り」も食べてみる。手打ちそばの触感と濃い汁との相性がいい。寒い時期には暖かい汁がいい。
次に、オーソドックスな「九条ねぎきざみきつね」もつまみ食いする。そこには、柚子・ネギ・油揚げのミックスジャパンがあった。また、器が斬新な模様と手触りの良さがあり、器に並々ならぬ感性を込めている。彩色の緑は古田織部の「織部焼」を想起させる。
しめは、最中のふた・揚げたそばの松葉を従えた「白玉抹茶ぜんざい」と抹茶の渋みが生きている「宇治抹茶ババロア」となる。ふだんは赤貧の生活にあくせくしている中で、たまにはこんな控えめな味道楽もいい。
しかも、木製にこだわった机椅子が目立つ。店内はまるで欧州のカフェにいるような感覚だ。味もさることながらシンプルな壁・床・椅子は「洋」を、テーブルやお盆は「和」を醸しださせ、その和洋の空間が心を満腹にする。