昨日からの大雨は近くの国道や県道が午前中通行止めとなった。その影響で学校も休校となった。この雨がもう一日激しく続いたら土砂崩れが起き、わが地域は陸の孤島になったかもしれない。
ところが、お昼前には小降りとなり、午後には蒸し暑い陽射しが射すほどの天候となった。川の濁流は激しいエネルギーを抑えきれずに下流に・岸壁に向かっていた。この天候のあまりにも違う現象に、つい紀元前中国の春秋時代に生まれた「陰陽説」を思う。
国家や戦争が発生する紀元前、世界の現象を「陰と陽と」で説明する学説がすでに存在していたのだ。一日のうちで大雨と晴とが同居する不思議さに「陰陽説」が単純に説得力を持つ。この考え方が日本の近世に至るまで多大な影響力があった。自然の持つ癒しの美しさと自然災害の恐怖との「二面性」。日本の神々も悪さをすることもあるが、西洋の一神教は神は絶対だ。
濁流の喧騒と山の静寂さ。濁流の泥色と山の緑の鮮やかさ。濁流の能動的パワーと山の受動的柔軟さ。濁流の「水」と山の「木」の構成元素。濁流の「地」と山の「天」との位置。濁流の直線的動向と山の多様なたたずまい。まさに陰陽二元論は納得させる自然現象であったことを想う。