都会に住む娘が渋柿を送ってくれた。以前、娘の庭には富有柿が毎年甘い実をつけてくれたが、狭い庭だったので枝が道路にはみ出してしまい、近隣との関係を考慮して結局は伐採してしまった。ただし、伐採前にその富有柿の「挿し木」をした記憶がある。それが成長して実を結んだが渋柿になっている。その渋柿を送ってくれたというわけだ。
宅急便にする手間の大変さがよくわかるので、とてもありがたいことだ。また、腐ってゴミになるより、食べてしあわせになるほうがどんなに価値あることだろう。
さっそく、台風が過ぎたので急いで皮を剥いて天日干しすることにする。柿の「挿し木」での生育はタンニンのせいでかなり難しいらしい。当時は(いまも)無知だったので富有柿の旨みを増やそうと挿し木をしたが、ふつうは、「接ぎ木」で増やすのが基本だそうだ。柿は雑種性が高く、親と同じ種を撒いても挿し木をしても、同じものが出来るわけでもない。甘柿が渋柿になってしまった理由もそういうことだったようだ。
記憶が怪しいが、ひょっとすると柿の種が実生から育って大きくなったのかもしれない。現在の娘の家の庭では道路にはみでないように剪定してある低い柿にしている。甘柿は庭からなくなったが、干し柿の旨さは甘柿を凌ぐ甘さがある。道の駅では、甘柿も渋柿も価格は同じだった。ちなみに、わが裏山で発見した渋柿は昨年強剪定したので実は一つもできていない。だからいっそう、娘の収穫や発送の手間に感謝あるのみだ。