山奥で一人ポツンと農作業を生きてきたセニョールさんからいただいた苗が「ヤマウド」だった。というのも、以前、キノコの師匠に連れてもらった山菜採りで一番うまかったのがヤマウドだったので、是非にといただいてきた苗だった。また、地元でイベントを一緒にやっていた尾上さんからも苗をいただいていた。
二人とも真摯に生きている先輩でもあり目標だった。その苗を畑で植えたら元気に育ち近隣にもお裾分けもできるくらいになった。もっと増やそうとそれを畑から本来の山側に移植してみたのだった。
昨年は豊作だったが今年は採りすぎのせいか、わずかしか移植できなかった。移植したのは今年の5月連休明けだった。そして現在なんとか期待に応えてくれたようで花を開花してくれた。まもなく黒い実ができそうだ。うまくいけば、来年の春には新鮮なヤマウドが食べられるはずだ。
山菜取りを研修していた頃は、急峻な崖をよじ登ったり命がけでもあったが、それを自分の山で栽培できるとはなんとも幸せなことだ。土中の穴倉で栽培する「軟白の東京独活」よりは、自然環境で育った「ヤマウド」の匂いといい強烈な風味といい、その野性味を味わえるのがヤマウドだ。春が来るのを今から待っている。