リハビリを兼ねて毎日ウォーキングをしている和宮様が「近くでハナワラビを発見したわいな。一緒に見に行くかいな」とおっしゃるので、近くの陽当たりの悪い道路際を見に行く。魔女が呪術に用いたというハナワラビ(ハナヤスリ科)は、いわゆるワラビとは違う。
ふつうのシダ植物は、葉の裏に胞子を作る。しかし、ハナワラビは胞子を作る「胞子葉」と地際にできる「栄養葉」に分化しているのが特徴だ。両方とも、秋の山菜として食べられる。以前、尾上さんらに食べさせていただいたこともある。ワラビほどアクが強いというより他の食材を邪魔しない控えめな山菜でもある。
まだ胞子が褐色になっていない。来月ごろに褐色の胞子が数の子のようにできていく。ゆがいて芥子マヨネーズ和えが旨いそうだ。しかし、大きな群落を作らないので大量に確保できない。秋に芽生え春に枯れるので正式には「フユノハナワラビ」という。そう言えば、この場所で以前ハナワラビを見た記憶があるのを思い出した。きょうは5本確認したが、以前は数本だったように思う。それほどに緩慢な生き方をしている。