MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ラスト・ナイツ』

2015-11-21 00:45:19 | goo映画レビュー

原題:『Last Knights』
監督:紀里谷和明
脚本:マイケル・コニーベス/ドブ・サスマン
撮影:アントニオ・リエストラ
出演:モーガン・フリーマン/クライヴ・オーウェン/アクセル・ヘニー/伊原剛志
2015年/アメリカ

内容が無いストーリーの利点について

 前作『GOEMON』(2009年)から6年の間に紀里谷監督が学んで良かったことの一つに、脚本は他人に任せるということがあるだろうが、忠臣蔵をベースにしたその脚本は設定が緩すぎて、物語はあって無きがごとく、結局『CASSHERN』(2004年)、『GOEMON』と同様にただの「戦隊もの」となっている。しかし皮肉なことにストーリーに内容がないために今までのような物語の破たんはなく、そういう意味では安心して観ていられると思っていたのであるが、さすが紀里谷監督、ラストシーンはとんでもない結末が用意されていた。
 宿敵のギザ・モットを討った後に、主人公のライデンが妻のナオミに会うために家に帰る。ナオミはライデンに対して、敵を欺くための芝居は辛くはなかったが、ずっとライデンの身を案じていることが辛かったと告白する。当然ナオミはライデンが無事でいられると思って安心していたはずなのであるが、その次のシーンはライデンが処刑されるシーンで、ナオミの想いを処理しないままのシーンのつなぎ方は唐突すぎると思う。戦闘シーンには力を入れるのに、それ以外のシーンは本気になれない監督のいつもの癖が出てしまっている。本国アメリカでヴィデオスル―になった理由が分かる。


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