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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『プール』

2015-11-22 00:05:50 | goo映画レビュー

原題:『プール』
監督:大森美香
脚本:大森美香
撮影:谷峰登
出演:小林聡美/伽奈/加瀬亮/シッティチャイ・コンピラ/もたいまさこ
2009年/日本

すれ違う「気持ち」と「編集」について

 母親の京子が祖母と娘のさよを置き去りにしてタイのチェンマイで暮らすことにした理由を「そうしたいからそうする」と説明する。もちろん、夫との関係などここでは語れなかった理由もあるのだろうが、母親と一緒に暮らしたかったという娘の告白にけっこう驚いていた京子が娘の気持ちを察した上で、それでも敢えて自身の自由の方を選んだだけの覚悟が本当にあったのかどうかは疑問である。
 演出にも疑問が残る。京子、さよ、ビーと一緒に食事をしようとした時に、市尾がビーの母親が見つかったという連絡を受けて、ビーを連れていくのであるが、市尾とビーがワーンと名乗る母親という女性と面会するシーンの間に、翌日の、ドラム式洗濯機と市尾が一人で庭に水を撒くシーンが挿入されているのである。『ラスト・ナイツ』(紀里谷和明監督 2015年)で指摘したようなショットの「つなぎ間違い」というよりも、何か意図したものではあるのだろうが、どのような効果を期待しての編集なのかはよくわからない。


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