(2020年5月23日付毎日新聞朝刊)
内田樹の発言は皮肉ではないと思う。森雅子法相は2020年2月3日の衆議院予算委員会において渡辺周議員の、3月6日の参議院予算委員会において福島瑞穂議員の、黒川弘務東京高検検事長の定年延長に関する質問に対して「検察庁の業務遂行上の必要性について法務省内で検討し、具体的には、東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するためには、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であるという結論に至り、当分の間、引き続き東京高検、検察庁検事長の職務を遂行させることとしたものでございます。」と答えている。逆に言うならば、黒川検事長がいなければ、現在「東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応」できる人材は存在しないということになる。これは深刻な問題で、当分の間「東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件」が野放しにされることになるのである。
せめてそれがどのような「重大かつ複雑困難事件」なのか明らかにしてもらわなければ、ただでさえコロナ禍で疲れ切っている日本国民は安心して生きていけない。
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