恐らく殆どの人が期待をしていないであろう、マシンザボーガーでのレース参戦。
前日土曜日にどうにか全ての作業を済ませ、家族揃ってハイエースで坂内へと向かう。大人2人、子供3人と、フルサイズバイク、一晩過ごせるだけの装備を積み込むとサスガのハイエースでもギューギュー詰め。ワイドボディが欲しいが、アレは今度はデカ過ぎて普段の仕事では困ってしまう。このレースの常連で家族4人とフルサイズ2台、ミニ1台積んできてる人がいるのだが、一体どうやっているんだろう?
俺のハイエースは自作の設備によりフルフラットになるが、5人寝るのもチョイとキビシイ。フルフラットと書いたが、センターコンソールの後部には落とし穴がある。落っこちて半ベソの正吉君。
夜が明けて辺りが明るくなると、目立つ所に置いたマシン・ザボーガーに冷ややかな視線が集中(笑)。
気にせず車検に向かう。車検のスタッフには概ね好評。車検はザボーガーのチェックが行われたのみで、本来のチェックは一切行われなかった気が・・・(爆)。
エントリーリストにバイクの正式名称が書かれているか確認・・・アレレッ、何故に平仮名・・・?
まあいいけど。
今回はツワモノのエントリーが多く、良く顔を会わせるA氏とその仲間のM氏。そしてエントリーリストに目を疑う名前を発見。関西のレースで知る人ぞ知る、K氏の名前が。
そして勿論、気合充分なME06さんもいる。まあこの辺りの人にトラブルでもない限りは、俺の入賞は難しいであろう。
ME06さん登場。で、出たな、Σ団の悪之宮博士!!(スミマセン)
T田さんはマーシャルとして参加。
ピットをΣ団の悪・・・イヤ、ME06さんやJAYBIRDさんたちに混ぜてもらう。ピットエリアでも異彩を放つマシンザボーガー。
ザボーガーに不似合いなクイックチャージャーが怪しい雰囲気に拍車を掛ける。隣の#160はME06さんのマシン。
まずはスヌーピーの耳を付けてテンションを上げているJAYBIRDさんが走る、1時間EDからスタート。
1時間EDは一応エントリーレースという名目なので、ゼッケン順に5台ずつ時間を開けてスタートとなる。ゼッケン25のJAYBIRDさんは不利だ。
が、なんとオープニングラップをイキナリ3位で帰ってきた!! 実はJAYBIRDさんは輝かしい戦歴をお持ちで、謙遜して語られるのとは裏腹にかなりの実力。マシンはサイレンサーを替えただけのXR250(MD30)。
2周目、1台パスして2位に浮上!!
1位との差はまだかなり開いている・・・が、確実に詰まっているぞ。集計チェックポイントのシケインでJAYBIRDさんが、「サイレンサーが・・・」と言って通り過ぎた。見るとサイレンサーが無い!! 途中から折れたアルミのスーパートラップから爆音を出しながら走り去る。
そして遂にトップに!! 「1位」とピットボードを出したその直後、スタッフから黒旗!! サイレンサーを復旧するようにとの指示。あれまあ・・・。
坂内バイクランドは相当な山奥なので、誤解を恐れずに言えば『騒音問題とは無縁のコース』である。が、やはりモラルは守らなければならない。折れてしまったサイレンサーの復旧は事実上この場では困難なので、懇願したところ「賞典外」という名目でそのまま走らせてもらえることに。
山にこだまして、モノスゲエ音でありました。
今度は俺が走る番である。電人ザボーガー、GO!!
なんとスタート直前に買ったばかりのロールオフが「パキッ」と軽い音をたてて昇天。また今回も一枚ゴーグルになっちまった。
サイティングラップでも異彩を放つマシンザボーガー。オーバーハングへの架装のために走行性能が犠牲になっている事を懸念していたが、全く気にならない。ホームストレートを帰ってくると皆が指差して笑ってやがる。集計チェックのお姉さん達4人も「キャハハハ!!」と声を上げて笑っている。
スターティンググリッドはかなり後方(エントリー受付順となるゼッケン順)で、ホールショットは絶対無理。
先行のクラスがスタートして、最後発となるC-Sクラスにもフラッグが振られた。マシンザボーガーはダイモニウムを動力源とし、最高時速300kmを誇る。お陰でかなり前方に食い込む事ができた。
爆裂パワーを活かして突進。そして1周目の後半、直滑降その2を下りきった辺りで背中に「コツン」と何かが当る感触が・・・。
振り返って見てみると、アアッ、な、無い!! ザボーガーの足がぁぁぁぁ・・・・。
ホームストレートを帰ってきたとき、一部のギャラリーからは「足が無い!!」とのどよめきがあがったそうな(笑)。
2周目に入るも、既に腕アガリ。これは練習不足からくるものだと思われる。そんな時に限って後ろからME06さんが来た。軽くパスされたが、簡単に負ける訳にもいかない。すると前車が転倒! ME06さんが減速した隙に抜き返す。
意地になって走るものの、腕アガリが限界を迎える。再びME06さんが迫ってきた。走る前からME06さんの方が速い事は判っているので譲りたかったのだが、その直後にもう一台青いマシン(ゼッケンは不明)がいたので粘ってみる。が、大坂登りでエンスト。2台に抜かれてしまった。トホホ・・・。
おかげで逆に自分の走りができるようになった。力を抜いて少しゆっくりスタートし、徐々にペースを上げる。おお、だんだん乗れてきたぞ。
パワーがあるので荒れた路面でも全開にするだけで乗り切れる。登りの直線では最新250レーサーにも引けを取らない。好みの問題もあろうが、よく悪口を言われる(俺も言っていた)MD30のサスは実は坂内とは意外と相性が良く、ハイパワー化した事によって不思議なバランスを出す事が出来ていると思う。現状での欠点は重さ(レーサーに比べての話でノーマルMD30と比べればはるかに軽い)と減速区間での路面の荒れに弱い事。あと、パワーがあるといっても文字通り「絞り出した」感覚は否めず、パワーフィールは扱いづらくて疲れる。
迫り来るマシンザボーガーの異様な雰囲気に、先行するライダーも思わず振り返る(スミマセン)。
前半が終わる頃、コース途中に前出のK氏が停まっている。後で聞いたらパンクだったようだ。後方スタートだったのでポジションは不明だが、今の所ラップはされていない。1周約6分のコースで、仮に俺ともっと速い人との間に1LAP10秒の差があるとしても、単純計算では2時間で3分チョイの差にしかならない。2時間半経過時点で給油のためにピットイン。JAYBIRDさんに手伝ってもらって給油とゴーグル交換。ありがとうございます。
さて、苦手な後半に突入。極力シッティングで走っているせいか、足は攣ってない。だが腕の疲れが酷くてダレダレな走りになってしまう。自分でも遅くなっている事が判るくらいだ。そして遂にME06さんが後方から・・・。
俺は自分のミャフリャーが煩いので他のバイクの気配に気付き難く、はたまたME06さんも俺を意識しているせいか(私見です)、ちょっと有り得ないタイミングで前に出てきて、ME06さんはあわやコースアウト(笑)。
ほどなくしてA氏にもパスされる。後半に入るとピットインのタイミングも交錯してくるのでどうなっているのか良くワカラン・・・。
そして転倒。ダンロップ裏のストレートでボーッと加速していたらブレーキのタイミングが遅れてクラッシュ。イランところで消耗してしまった。
気合を入れ直して走行を続ける。4時間は長い・・・。後方からまたもジリジリと近づいてくる青いマシンが。M氏である。しばらく頑張って走るが、適当なところでラインを譲る。
A氏やM氏は、俺が箸にも棒にも引っ掛からない頃に既に激速だった上に、思うようにレース出場や練習が出来ない俺とはキャリアも年間練習量も違う。
M氏を追走。かなり速いが何とか着いて走れる。
が、ゴキッ・・・フロントから嫌な感触が・・・。ガビーン、フロントパンク!! やっちまった。時計を見ると残り10分強。今さらリタイヤするのもナンなので、リム打ちして変形してしまうのを覚悟でそのまま走ることに。登りは荷重が掛からないのであまり気にならないが、下りはスローダウン。
そしてラストラップで信じられないモノを見た。
何と後方からME06さん。転倒とスローダウンという理由があるとはいえ2ラップとは・・・。
俺のショボイ経験では、坂内の4時間レースで俺が1ラップできる相手は、抜く事はできてもボチボチ手強い。何かあったら逆転されるなというカンジ。
で、俺が2ラップ以上できる相手は、偉そうな発言で申し訳ないのだが、止まって見える。追いついたときにアッという間に近づいてくるので、最初からそこに居たような錯覚があるのだ。
ということはME06さんから見ると俺は止まって見える事になる。
優勝は前人未踏の周回数39周を記録したME06さん。2位3位は当然M氏とA氏で38周。間にもう一人俺と同一周回がいて、俺は37周で5位。ホームなのにアウェイな方々にやられてしまった。トホホ・・・。
俺は練習が足りんな。
「次回は何にするの?」と数人から聞かれたが(笑)、今年の24時間はこの280馬邪を使用する予定なので、日程の近い坂内4時間はどうするか思案中。
パンクと・・・、
顔だけ残ったザボーガー・・・。
コレで速けりゃカッコ良かったんだが、ちとショボかった。まあ達成感だけは前回よりも上。
どうやら坂内は10月頃に上流にあるダムの工事の予定があるようで、工事が始まると河原部分が水に浸かってしまい、走行不可能になるとの事。工事日程はまだ未確定らしく、6月中には見えてくるそうな。坂内バイクランドHPにて告知があるそうです。
この影響で場合によっては秋の坂内4時間と、坂内2DAYSエンデューロの日程が変わる可能性が高い。要注意です。
それとここのところ坂内常連同士の横の繋がりが広がってきた。チームとかの枠を超えて集まろうなんて話も出ているみたい。大いに歓迎です。