最近、俺は自転車野郎だ。
俺の自転車はGIANT WARP DS1というヤツで、ダウンヒルの入門バイク。ダウンヒルバイクとしてはかなり安い部類の物だ。
前後サスに前後ディスクブレーキなど、見た目はすごそうに見えるのだが、実は街中を走るとかなり遅い。女の子が乗ったママチャリにブッチぎられる事もあるほどだ。
これは前後サスペンションがペダルを漕ぐ力を吸収してしまうのと、極太タイヤやチェーンガイドの抵抗が大きいため。
以前に坂内の頂上から下ってみた事があるが、これまたバイクのようにはいかなかった。フルサスのMTBを普段の足にする場合の実用上のメリットは、乗り心地を別にすれば段差や階段にそのまま突入できる事くらいだろうか。
自転車を多用するようになった理由には、まずガソリン価格の高騰が挙げられる。
俺のハイエースはディーゼルなので、一昔前であれば100円程度のレギュラーに対し70円台前半の価格は大いにメリットがあった。何せレギュラーの25%安である。
ところが最近は軽油140円台、レギュラー160円台。ヘタをすると価格差で20円を割り、レギュラーに対して1割強しか安くない。元々車両価格が高いディーゼル車だけに割高感は否めない。車両購入価格に於ける損益分岐点がどのあたりにあるのはわからないが、車だけで年間3万キロ近く走る俺の場合は、ハイブリッド車の方が間違いなく出費を抑えることができそうだ。それこそハイエースのハイブリッドがあれば即刻買い換えたいものだ。
どうしても仕事柄、車で走り回る必要があるものの、最近は掛かる時間と燃料代を思わず計算してしまう。我社が建設機械を借りているリース屋さんは燃料代込み(満タン返しではない)なので、最近は午前中で作業が終わってしまっても重機を返却せず、ソレに乗って打ち合わせに行く事もしばしば(爆)。
引っ越しした事によって自転車通勤できる距離になったのだが、それまで重役出勤(別名遅刻常習犯)であった俺は、同じ時間に家を出るだけで1時間近い時間短縮が可能となった。これは非常にありがたいのだが、通勤路には7時から8時の間、小学校の通学路となる為に車両通行禁止の区間がある。迂回する事はできるものの、実は迂回路は高校生の自転車だらけでむしろ危ない。なので近隣の人は敢えて通行禁止区間を通ったりするほどなのだが、これには背徳感が付き纏う。俺は極力数分でも禁止時間から外れるように時間調整しているが、自転車であれば問題なく通行する事が出来る。 ※厳密には自転車の絵が標識には描かれてなかった気が・・・
また、仕事帰りに飲んでしまっても大丈夫(厳密にはダメだったと思うが)。ビールを水代わりに飲んでいるとウワサされている俺にとっては、自転車は正に救世主なのである。
通勤のみならず、銀行や郵便局、地元のお客さんの所への打ち合わせや小物の納品など、天気さえ良ければ結構乗ってるなあ。代わりにガソリンスタンドに行く回数は随分減ったような気がする。実際4月は月末に1回行っただけ、今月もまだ1回も行ってない。移動の多い5月は何度か満タンにしたが、過去の俺の走行量からするとかなりの節約ができている。ただし、アルコール燃料(ビールともいう)の消費量は増えてる・・・。
昨日は生命保険加入の審査のために、20kmほどの距離の医者に自転車で行くつもりだったのだが、残念! 同じ方角に自転車では運べない量の納品の用事ができてしまった。
まあ、ガソリン代の節約というよりも、ガソリン代が高い世の中への反逆ってところだ。エコ意識が高まる中でバイクで走り回るのには若干の罪悪感を感じるが、自転車で走った分は「エコ」を貯金できたような気がして、胸張ってバイクに乗れるかなあ・・・なんてね。
とかいいつつ、自転車に乗る最大の理由はバイク(オートバイ)のトレーニングである。
個人的にはオフロードライディングの基本は自転車の立ち漕ぎだと思っており、ステップ(自転車でいえばペダル)に荷重を掛けたライディング、普段の生活や仕事ではなかなか鍛える事のできない太腿の筋肉をも鍛える事が出来るし、フロント&リヤの抜重を含めて段差越えの練習も可能。軽い分だけ腕力に頼れてしまうのが問題といえば問題だが、スロットルやパワーをアテに出来ないので「俺ってこんなにヘタクソなのか」と認識させられる。
だが。
実はそれ以上に楽しいのだ、自転車ってヤツは。
車やバイクで走っていては気付かない小さな自然、上り坂や下り坂、徒歩でバス停に向かう通勤のキレイなお姉さん、元気な女子高生、会社の外回りを掃除している近所の会社の事務員さん、愛犬と散歩中の雰囲気あるご婦人、ご家族を送り出してホッと一息の若奥様など、見るべきものも多い。自転車に乗る爽やかな青年として(自称)、爽やかに声を掛けてみたりして。そして俺は朝からニヤケながら・・・いや、笑顔で仕事ができるのであった。