携帯電話を機種変更する為に、やわらか銀行(ソフトバンク)ショップに行った。
既に2年半使用しており、バッテリーが死に掛けていたのと、仕事柄日常生活防水のモデルに替えたかった事、そして現在使用する第二世代携帯のサービスが終了するから「早く替えろ」といった主旨のDMが立て続けに送られてきたためである。2年半前の機種変更時、俺は最初に3Gのモデルをチョイス。「エリアチェック端末」なる物で確かめた所、俺の生息域での3Gモデルの使用は問題なしという判定が下されたのだが、3G機種購入後になんと実際には会社では全く使えない事態が発生した。結局その後第二世代携帯に戻してもらったのだ。
店のカウンター席に座る。あまり美しくないオネエチャン(失礼)が、あまり美しくないオネエチャンが目の前にいることによって不機嫌になった俺に説明する。何でも「料金プランがかなり以前のものなので、現行の物に切り替えて下さい」との事。
料金プランの選択肢、オプションの選択肢が多いのには閉口した。
俺はとりあえず本体を交換したいだけで、月々たかだか数百円、数千円の違いなんぞはどうでもいい。
斜め前方には可愛いオネエチャンがいるのに、何故に俺の前にはこのオネエチャンがいるのだ。目の前で長い説明を続けるオネエチャンの話は、全て右から左へ通り抜けていった。
「機種はお決まりですか?」って云われても、俺は知らんぞ。知ってるのはiPHONEくらいか? もちろん俺はiPHONEはイランぜよ、ベーロイ。
あまりに質問事項が多いのでフラストレーションが溜まってきて、オネエチャンの質問に対して「どーでもいい」を連発。
話が長い。早く俺を解放しろ。そろそろ顔に堪えられん。
「3Gは電波の方式が異なるので、うまく通じない場合がありますのでご了承下さい」
ここでブチッ。俺のコメカミは音をたてた。
俺の聞き違いや勘違いもあったかもしれないが、俺にとっては「3Gに替えろというハガキが来たから交換しに行って、3Gは使えない場合がある」と言われたのと同じワケだ。
へそ曲がりで、(あまり美しくない)女と子供にゃ滅法強い俺は、かなり文句をつけてしまった。
そしてこのオネエチャン、俺があまりに「どーでもいい」を連発したせいか、どうも俺が機械オンチであると思ったようだ。充電コードの使い方まで説明してくださった。まあ今回は上戸彩に免じて赦してやるか。
結局は以前と同じように「エリアチェック端末」でテストする事になり、結果オーライだったのだが・・・。
ここの電話会社、とにかくブランド名や会社形態の変化が激しい。
俺は仕事の関係で平均よりは携帯電話を持ったのが早い方だったと認識しているが、東海デジタルホンから全国統合のJ-PHONEに変わった時は「何じゃい」と思いつつも鈴木杏樹に免じて赦してやった。一応この変更は、進化だったと思ったからな。
J-PHONEからVodafoneに変わった時は、優香と加藤ローサ、伊東美咲に免じて我慢してやった。しかもこの時は俺自身が仕事上で名称変更騒動に巻き込まれたwので、まあヨシとしよう。
現ソフトバンクへの移行が、俺には最も無意味で忌まわしかったのだが、しばらくして上戸彩がイメージキャラクターに起用されたので我慢する事にした。
一体どうなってんのサ、この会社。正に俺に対して「イメージキャラクターの過剰サービス」が行われている。次のブランド変更時は、イメージキャラクターには山本梓を起用されたし。そうすりゃとりあえず俺は文句言わない事にしようかな。
そもそも俺が大学出て暫くまでは、電話といえば固定電話の事だった。中学や高校の頃、好きな女の子に電話をするには、お父さんとお母さんという、高い高いハードルが待ち構えていた訳だ。
マナーに喧しかったオフクロには、「電話は掛ける側の都合で掛けるもの。相手の事情を良く考えてから掛けなさい」と言われて育ってきた俺。
俺は基本的に電話がキライなのに加えて、掛かってきた電話に出る事によって仕事が止まるので、逆に自分が電話を掛ける立場の時は気を遣う。そして極力メールやファックスで済ませるように心がけている。
仕事で電話を掛ける時、お客さんには気を遣って電話を掛ける人が、どうして? どうして業者に電話を掛ける時は気を遣わないのか。
携帯電話の便利さは世の中や、仕事のやり方を変えた。
だが、相手に対する気遣いをも消し去ってしまっている。正に携帯電話の存在そのものが「過剰サービスの片鱗である」と表現できなくもない。
さて・・・。
エリアチェックを済ませた俺は、本日再び「やわらか銀行」ショップへと赴いた。
オオオッ!! 今回俺の目の前に座る事になったのは、昨日は斜め前にいた可愛いオネエチャンだ!! ウヒヒ。
おかげで昨日よりは清々しい気持ちで長ったらしい話に聞き入る事が出来た。だが、黙って座っても自動的に最も得な料金プランに設定されるようにはできないものなのか? たかだか機種変更で30分以上*2回は長すぎるぞ。
若しくは全ての選択肢の一番最初に「①こだわる人」「②どうでもいい人」という選択肢がほしい。どうでもいいっつーか、要するに「良きに計らえ」というヤツだ。
クールな視線で目の前のオネエチャンを、髪、肌、爪先・・・と隈なくチェックしている間に、データの移し変えなどが長い時間を掛けて完了。
会社名義で契約している俺の携帯だが、隣の席に座る「あまり美しくないオネエチャン」が「会社の実印が必要です」と言い出した。コノォ、個人では実印どころか認め印もイランのに、何故に会社の実印が必要なのか? 妄想から現実に引き戻された代償は高いぜ。
可愛いオネエチャンに「近日中に捺印してお持ち下さい」と書類を渡された。
「ありがとね」とクールな顔つきで言うと、可愛いオネチャンはあからさまに照れてやがる。フフッ、俺に惚れたな。
コレはサービスじゃなくて本気だろ、グフフ。
代金を支払ったはずの充電器(別売)が、葬式の香典返しのような紙袋に入れられていなかったのは、彼女が俺に会うための口実を作った物だと思う事にしよう。
ちなみに、今の時代においては紙袋も過剰サービスだ。