クチナシが色付いたので会友が収穫した。植栽したのではなく自生の株だ。例年、初夏の頃には葉が食害されて無残な姿になっていたのを、今年は一回だけ殺虫剤を噴霧した。その後も食害はあったが、丸坊主にはならなく良い実が結実した。
何に使うのかというと、正月の栗きんとんの着色に使うのだそうだ。小生は栗きんとんなど作らないから不用だけれど、生け花やリースには色合いが華やかだろう。会友はご飯もクチナシで着色したものを炊くとのことだったが、西洋料理にサフランを入れて着色する料理があったような…、クチナシで代用できるのだろうか。もっとも色は似せても薬効は無理である。
クチナシはひっそりと森の中にあるから採集する人は会友くらいだが、千両の赤い実が着いた枝は、12月になるとことごとく切り取られて消えていく。どうも正月飾りをつくるために集めとって行くみたいなのだ。どっちも冬の楽しみが減じてしまうことには変わりが無いし、鮮やかな色の消えた裸木の目立つ林内は寂しいものだ。