写真はもちろん精霊トンボではない。オオシオカラトンボの雌である。精霊トンボや盆トンボと呼ばれるトンボはアカトンボ類で、主に西日本で呼ばれてきたらしい。
小生の郷里では精霊トンボや盆トンボと呼んだ記憶が無いが、トンボは背に仏像を背負っていると、少年時代には思っていた。翅の間になる背中の三つの模様が、手を合わせている仏像に見えていたのだ。
これは郷里の文化の一端であったかどうか知る良しも無いし、小生だけが思っていたことだったかもしれないけれど、物の本には「精霊トンボ」や「盆トンボ」と呼び習わした事実がある事を知ると、郷土にも、そのような思考があったのかもしれない、などと改めてトンボの背を眺めて思い返すのだった。
でも、少年時代のような仏の姿は見えてこなかった…。それはともかく、写真のトンボは生を全うし極楽浄土で極楽トンボ?になっていることを信じたい。