駐車場に子どもの声がしてきた。時折来ていた家族が友人家族を案内してきた様子だった。
4家族の子ども達7人が、手に手に補虫網と虫かごを持って保全区域に入ってきた。たまりかねて「ここは生物保全の場所」と伝え、理解したうえで遊んでくださいと言ったが、後味が悪い。
トンボ捕りも出来ない子供時代なんて、与えたくもないけれど、現実の生息環境は青息吐息なのだ。知られるにしたがって不快な思いを自他ともに味わうことになるのだろうと覚悟はしていたが…。
新聞に、県版絶滅危惧種「クロツバメシジミ」の生息地の詳細情報が掲載された。新聞の使命だと悪気はないのだろうけれど、小生はため息が出る。至近にあるショウジョウバカマの群落も花期の訪問者で、縦横に道が出来て衰退中だ。引率してくる「インストラクター」とやらも保全の労を取ることは無い。
折々に報道、紹介される生息地や群落地も、結果被害をこうむる事が多いのだろうと、実体験から思わざるを得ない。このフイールドも、ビジネスの集客ポイントになってきたし、どこかで歯止めをしないと、結局、結果責任を負わない人たちが保全に逆行する破壊の一翼を担っていく。意地悪爺さんやるのは、自分にとってもかなり不愉快な事態だが、それは多勢に無勢だけではないのだ。