トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

幾何回転体を急ぎ働き・・・

2020-10-09 | 今日は真面目に
 頼まれたと言うべきか打診されたと言うべきか、「軽トラ市」に出す玩具を揃えなければならない。小生の心づもりは年が明けて1月末開催見込みの「森の市」だったのだ。製作するのに当たり実物見本が欲しいから木の玩具を何種類か残しておいて、それを目安に「そろそろ切り出し」を始めなくてはと思っていた矢先だった。当然、手持ちは無いし日にちが無いから手の込んだ玩具は作れない。簡単そうに見える玩具でも手間暇は要するのが木製玩具なのだ。

 今回はまあ、お義理にと言う感覚で「幾何回転体」の玩具にした。円盤2枚を合わせた形でも出来上がるまでには製図・糸のこ盤・ボール盤・木工旋盤・糸のこ盤・組み立て調整・接合・塗装と段取りは多い。それでも他の立体玩具よりはシンプルなので2種類を作る事にしたのだった。
 「コロコロ」はパンケーキを90度違えて結合させた形だが、結合深さで動きが異なる。両円盤の中心距離を半径に設定すれば「不等高重心」となり揺らぎが見える。中心距離を√2rにすれば等高重心となり、転がりは安定して見える。前者は「オロイド」と呼ばれ後者は「ツーサークルローラー」と言うのだとか。反対かも知れないが小生は「コロコロ」なので支障はないし、受け手もそこの違いなど気がつかない。

 中心間距離を零にしたタイプは等高重心体で「スフェリコン」とよばれる。今回は軽くて安い杉板を使った。薄いと割れやすいけれど相互に挟み合っているから弱点はカバーし合える。この杉材にしたことで加工の手間暇が節約できたのだ。丈夫さが取り柄の材を使うと加工時間が長くなる。板厚のある二体は猫用の玩具として作ってみた。丈夫さが取り柄だ。小生的には「コロリン」と呼ぶ。
 
        

 下の四点は「ヘキサ・スフェリコン」と言うそうで、恐らく小生のオリジナルデザインだ。回転しやすく加工はシンプルに、とバリエーションを工夫してみたのだが力の掛け方や転がす角度にコツが必要で「幼児の玩具」には向いていない。どのタイプも「優しく転がす」必要があるのだが、大方は放り投げたりする場合が多くて説明するのも疲れるから展示もしなくなった。この呼称も小生的に「ゴロタン」である。どれも転がり方を評した呼称である。
        
          

 軌跡と言うか軌道は稲妻型で急角度で方向転換する。そのため慣性エネルギーの消耗が大きいしバランス調整が難しい型だ。運動エネルギーを蓄えたくて重くすれば方向転換点でスリップしエネルギーを失うし、軽くすれば曲がり切れない。転がらせる床面との摩擦係数も大きく影響する動き方なので緩傾斜面で転がすのが適当なのだろう。まあ、転がらせて「なんぼ!」の厄介かける回転体だが、お蔵入りの玩具でもある。
 本稿を作っている間にメールが来た。「降雨のため10日の稲刈りを11日に変更する」と言う内容だったが、これで11日の市への参加は流れた。作った玩具は1月開催予定の市までお蔵入り・・・。