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何年前の強風だったか、二本並んで傾斜してしまったヒノキの大木、伐採するにしてもさしあたり用材としての使い道も無かったし倒れたところで崖に掛かって人身事故につながるような環境でも無いので放置していた。今回、水桶と半割にして橋の用材にしたいから覚悟を決めて準備した。
立っている場所は斜面の角で足場が悪いし二本並んで傾いているから間での作業は狭い。空間のある側で作業位置をとると枝の張り出しが多い方向なので作業位置に回転しながら倒れる可能性も否定できない上に、既に傾斜している大木だから伐倒寸前で跳ねたり爆ぜたりするような思わぬリスクも存在する。いきおい慎重にならざるを得ない作業なのだった。
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胸高直径40cmほどで、伐採後に年輪を数えたら55年生だった。年輪を詳しく見ていると太りが1年で1mm程度の年もあれば6mm程度も太った年もあった。バウムクーヘンのように等間隔の年輪が出ないのはやはり自然環境からの影響なのだろう。受け口が小さすぎて上端が崖に届かないところで止まってしまった。何のことは無い、傾斜を更にきつくして危なくしたのだった。仕方が無いからこの状態のまま水桶を作るブロックを切りだした。こういう行為は「掛かり木の玉伐り」と言い厳禁作業なのだが他に取るべき方策も浮かばない。危険を避けるために様子を観つつ少しづつ切り離し地上に落としたが、半割丸太にする2mを採りたい。これも上部が崖に掛かった状態で切り離す、やはりやってはいけない「掛かり木を玉伐る」になった。
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本来ならば木元方向に曳いて崖から落とすか上部を曳いて崖から落として作業をすべきなのだが崖の上になった太い枝払いをしないと動かないし、届きもしない太い枝を払うなど出来もしないのだった。今回の危ない玉伐りは立ち木に掛かってしまったのではなく崖に掛かって「落ちようもない」状況だったから「思いもかけない動き」に留意しながら望めば良かっただけ楽だったかもしれない。ただ樹木が大きいだけに伐採する前は光明真言を唱え安全作業を肝に命じたのだった。
半割丸太に使うため玉伐りした丸太に楔を打ち込んで割った。2mを越える丸太を楔で割るのは厄介だったがチェーンソーで切り割りするより「作業している」格闘感がある。まあ、さすがに疲れた。