
冬季に入る前に上の池から流下した魚を戻すために落込み部2カ所に仕掛けを投じた。引き上げるまでの時間は二つ池の補修作業だ。
仕掛けを投じて2時間余り、帰宅前に仕掛けを回収し、アブラハヤ3、クチボソ3の合計6匹を得る。アブラハヤは一昨年以前に放流した個体だと思われるが放流以降、確認の仕掛けには入っておらず、絶滅したとばかり思っていたのだ。この水域は母川のY川とは涸沢で繋がっているだけで、途中は何カ所も落差がある構造だから魚類の行き来は不可能な環境だ。故に放流魚だけだと判断して差し支えない。
その上、泥土の底ばかりで水流も無い水域だからアブラハヤが生息し易い環境ではないのは確かなのだ。それが数年目に魚体を見たという事は小生的には晴天の霹靂に近い。
クチボソは体長60mm前後の立派な成体だ。これをこのまま落込み部のツボで生息させていても繁殖には寄与させ難い。集団を好む魚種でもあるから、ここは上の池の群れに帰すべきなのだった。過日、上の池で生息確認した折、47匹を数えたが、それにこの2匹を加えれば49匹となる。仕掛けに入らなかった個体も考えれば50匹の生息は想定可能だろう。今夏の繁殖で恐らく「個体数倍増」といっても良いかもしれない。
上の池に6匹を戻してから「しまった!」と思ったのは「アブラハヤを戻すべきではなかったか⁉」という事だ。クチボソが生息していなかった以前ならともかく。クチボソが入った現在では卵を食べられる可能性があるからだ。迂闊だった。こんな手太楽だから結局はうだつの上がらない人生だったのである。それを今更戻そうと思っても無駄で、故郷で言う「結局は丹兵衛どん!」なのである。故事来歴は知らない。