トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

少しだけお菊虫豊年!

2020-10-21 | 小父のお隣さん
 勝手に繁殖しているのに豊年も万作もないのだが、今期のご訪問が初夏の頃までなく、ホントに久しぶりのウマノスズクサの開花を観た年になった。
 ウマノスズクサは種子繁殖と長らく信じていて、庭のあちこち至る所で萌芽する有様を見ては疑問がつのったのだったものの、S先生の一言「地下茎で増えるからなあ」で疑問が解消したのだが、掘り下げると直根、いわゆるゴボウ根が多かったから地下茎で繁殖とは思いもしなかったのだ。
 勝手気ままに顔を出し「邪魔だなあ!」と思う株は掘り上げてフェンス際に移植しても機嫌が悪く翌年には消える。結構、放縦な性質のようで、食草だからと生かしておけば猫の額はウマノスズクサ養生所となり邪魔なだけ、株を避けると我が広大な植栽計画に支障がある事、おびただしく、ホント万策尽きる。

 庭のウマノスズクサは食料とされなかったため蔓を伸ばし数を増やしたからジャコウアゲハの幼虫が増えても食い尽くされる事も無くシーズン終了まで至った。この間、蛹化し飛び去った個体は何頭になったのか数えはしなかったけれど二桁はいっているはずだ。
 既に10月後半に入り外壁には多くの蛹化体や蛹化を準備中の個体が見られる。食草を離れ移動中の幼虫や体を固定し動かなくなった幼虫、そのまま脱皮を行わんと奮闘中の幼虫など、各々それぞれの段階の姿が見られるのは越冬蛹が目につくようになるこの時期の短期間だけである。

 それを見たから「どうだ」という訳も内容も全くないけれど蛹化場所も庭の植木鉢の側面や土台のコンクリート面、壁面やシャッターケースなど様々な場所で蛹化する。今期、蛹化始めた頃は生姜の葉裏などの植物体で蛹化するものが多く、これは意外だった。
 家の外壁に取りついた蛹の抜け殻は面倒くさいから取らずにそのままにしているが、この外殻は蟻も喰わないし腐りもしないでくっついている。恐らく成分はたんぱく質だと思っているけれど生命維持装置でもあるから軟な性質では用をなさないのは理解できるものの、何とも耐久性があるものだ。

                   脱皮途中体