トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の都々逸

2021-08-30 | 性向有毒の翁なれば
            周年流行 常在無辺
            変異時無し 要接種 ハアコリャコリャ

寄るな大樹の下・寄れよ生物多様性暴露

2021-08-30 | 感じるままの回り道
 作業を行うのに道具は必須だが私物の携行品もある。たいていの場合は飲料水やタオル、時期的には塩飴など量的には少なくても手提げ籠だったりバックだったりで持ち歩く。移動的作業でも無い限り作業に携行する必要もないから置いてあるのだが、これは活動範囲の「どこでもDo」という訳では無く、好む場所や選択した場所などと特定される場合が多いのだ。小生の場合は概ね立ち木の根元に置いて、夏場だと日陰になる場所を選ぶ。途中で水分補給や一服する場所に好都合なのだ。諺にもある「寄らば大樹の陰」であろう。

 ところが今回、何気なく手提げを置き、ひとしきり作業を行って汗みどろで木陰に入り麦茶を飲み顔を拭いたりして休憩していたのだが、どうも足元が煩いし周りに時折はスズメバチの羽音がするのだった。そろそろ攻撃的になる季節に入る程度の承知はしているし羽音も偵察に来ている羽音でも無いので静かに過ぎるのを待っていたのだが間欠的に続くのだった。「どうもおかしい」と背後のコナラをみながら視線を木元に落としたら、それが見えたのだ。つい先日「それが見えたら終わり」とか言うのだったか怖い映画を放映していた。この手の内容は笑いも情緒もペーソスも無い無機質なのがほとんどなので見たことが無い。

 ところがである、現実世界で自分に起こってしまった、と言うには大げさすぎるがオオスズメバチ五匹が足元に居たのだ。概ね食事中は攻撃性が無いので恐れる事も無いものの「万が一」もありうるので休息場所には不適だった。と言うより他者の恋路や食事は邪魔をしてはいけないのである。礼を失するから「俺にも権利が…」なんて意固地はいけない。
 冬眠から目覚めた女王バチが巣材を取りに樹皮に来るのはよく見かけるし樹液に昆虫が群がるのも普通の事なものの、ここまで地表に近い低い位置だと発見し難い。働きバチはさすがに女王様とは異なり小型だ。巣材を運ぶ女王様には敬礼、脱毛、いいえ、脱帽したくなる。小生の場合はほっかむりを禿から外すだけだが…。

 さて、たまたま読書中の=ロブ・ダン著「家は生態系」白揚社=を読んでいて、その中の下りに「蜂は酵母の香りを頼りに蜜源を見つける」云々とあった。樹液にも酵母は存在しているはずで「そうなのかぁ」と思ってみた次第。
 ところでこの書籍、日夜「殺菌・消毒・無菌」と恐怖をまき散らされオタオタふためいている諸氏に読んでもらいたい本でもあるのだが、ほとんど信仰に近い潔癖・無菌と恐怖を煽るだけのガッチリ側には理解・関心の片鱗さえ無いでしょうね。常在微生物を失うのがどれほど身を危うくするのかが分かり易い。

 「へぇー!」と思ったのはチョウ類が減少している地域では「免疫暴走系」の疾患が増していたという記述。類似の点では「寄生虫を駆逐したからアレルギーが増した」とか「東南アジア川沿いの人たちにはアレルギー疾患が少ない」とか「ヨーロッパで家畜と生活している子どもたちにはアレルギーが少ない」とか、かなり以前から複数の書籍で読んだ記憶がある。まあ、ある意味、多様な動的平衡を破壊してはいけない、と言っているのだろう。てなもんや三度笠。