トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

形から入る…

2022-12-27 | 何よりの楽しみ
 昔より憧れていた帽子が利休帽と言うのか茶匠帽が正しいのかの判断も出来ないけれど見た目での違いも小生には不明で、どちらにせよどちらを被っても変わらない装いに見える。和帽子と言えるものの範疇だろうから板前が被る帽子も同じだろうと想像はしていても白色の帽子は「いくら何でも・・・」そう、イクラなんでも高い。

 利休帽とか茶匠帽の市販品は高価で年金生活の身分では銭こを出せない。欲を言えば亀田縞の生地で作った帽子が望ましいのだが当然市販には無し。生地を購入して作ろうにも結構高額になる。そこで似た感じの郷里の農作業衣「さんぱく」に使われる生地の残りを出してみたけれど寸法不足で断念した。これは「ドジョウ掬い」の衣装だったのだが既に踊る事も使う事も無い生地になっているのだった。

 亀田縞風の生地を街の生地屋で購入し作務衣を作った残りがあるから広げてみたけれど生地が厚すぎる。折り返す側面の厚みは冬ならともかく春夏秋のシーズンには被りたくもない暑さになってしまうので断念した。結局、手元にあった端切れの中から寸法が間に合う青色の生地で作る事にした。
 頭囲は58cmだったから60cmと仮定して横幅と前後幅を計測し発砲スチロールの薄板で型どりをした。切り取った空間に頭部を嵌め込めば丁度良い。外した楕円形を型紙として使う自分で行うオーダーメードだ。こうすれば「Oh、駄目だ!」には決してならないであろう。

 後は断ち目かがりとアイロンを滑らせて縫うだけになる。とは言え筒状の端を塞ぐように縫い付けるには手数を要した。そうだけれど晴れの日でも季節風が強くて気温も低い日ではフイールド作業も喜び勇んでいく陽気でも無し。埋め立て作業で腰に負担をかけた結果、階段を降りる時にストレスを憶えるようになった腰の状態では休腰日は必須であろうと、てなもんや三度笠でソーイング爺と相成ったのであった。

 やはり円周を縫い付けるのが面倒くさく、待ち針を多用し寄り皺を均しつつ縫いあげて一件落着したのだ。被ってみればなかなかよろしい。色合いが興ざめではあるものの、これで一句吟じたり一歌詠じたりすれば自己満足の極致である。年金生活者の懐は周年極地ではあるもののしばし一茶に成ったり山部赤人に成ったりするのも一興ではある。
 茶道や華道は全く知らないけれど稽古事は「形から入る」程度の記憶はあるのでこの帽子と作務衣で気分だけは迷人に成れる・・・。
 しかし、しかしである。どう贔屓目に見ても鏡では「キョンシー」にしか見えないが「絶対キョンシーではない!」と断言できる事は腰に響くからぴょんぴょん不可能なのであって、やはり生まれも育ちも雅な百姓である小生であったピョンピョン。