トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

河床の整地

2010-12-16 | 水辺環境の保全

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 トンボ池の水源は「絞り水」に近いのだが、降雨時には急な出水と水量がある。そのため流路はV字形に浸食されている。水源としてなら手を加える必要もないが、水生生物、特にイトトンボやカワトンボの幼虫が生息するには厳しい水辺だ。

 陽当りが悪いからカワニナの繁殖は難しく蛍の生息には不向きだけれど、水勢を穏やかにして浸食を緩和させるために河床を平に広げた。水路の幅は50cmほど、河床は幅30cm程度を平らにしてせせらぎを復活させた。

 地盤は砂岩・頁岩状だがスコップは歯が立たなくて、ツルハシで打ち砕きながら平らにする。まだ右の前腕が痛いから左手使いの作業となった。今日は陽射しが弱く風も強くて寒かった。昼食を済ませて午後も活動する気にはならず退散したが、幼児のグループは元気だ。今日も10人ほどが森に入ってフユイチゴを摘んでいた。

 そういえば昨日、朝は前夜からの名残の降雨があって10時頃には曇りとなったが、午後にフキの苗を移植しようとフイールドに入ったら、2組5人の母子が入っていた。「こんな日に」と思ったのだが、寄って来てトンボ池の橋や跳び木で遊んで面白かった事を伝えてくれた。まだろくにおしゃべりも出来ない幼児が、顔を見上げてモゴモゴしてくれるのは何とも可愛いくて元気がでる。


*初冬

2010-12-16 | 感じるままの回り道

 通り過ぐ列車のごとく木枯らしは窓を揺すりて庭蹴散らして

 世の闇に唸りを聞かせ木枯らしは遠く近くと暴れ過ぎたり

 嵐去り小春の道は敷きもみじ濡れ落葉踏む濡れ落葉かな

 稲原とまた見えたりし穭田は霜を被りて黄金白金


*秋の山峡

2010-12-15 | 旅行記

 錦秋と言えどこの森黒き森かすり模様の山は厚雲

 セキレイもカワセミも来て留めたりあの岩の色もみじに勝る

 雨足が見えて霞むや谷向こう雨滴作りし点描と見ゆ

 蒼き葉を押しのけ出でし黄葉紅葉全山ひとつ押し絵のごとく


ツルグミ

2010-12-15 | 小父のお隣さん

Photo_2  孟宗竹を除伐して日当たりが良くなった斜面には、常緑のツルグミが自生していたのだが、その樹に実が着いている。樹は大小あわせると8本ほど、大きいもので4尺程度だ。

 10月に近くの遊歩道を整備した際、3mを越えるツルグミの樹があった。竹やヒサカキの間で枝を伸ばしていたが、おおかた、これが母樹になったのだろう。刈り出したから次のシーズンには採集できるかもしれない。 

 一方、この樹は今年10個程度しか着果しなかったのだけど、今度はもう少し堪能できそうだ。しかし、ヒヨドリに発見されてしまえば万事窮すとなってしまう、危うい期待でもある。

 赤く大きめの実は、渋さが少なく美味しいのだが、ナワシログミやビックリグミほど着果が見られない。種も大きいからジャムやゼリーを作るにも難儀しそうだが、楽しみには違いない。


*と金

2010-12-14 | 温故痴新

 立田山梢まばらになるままに深くも鹿のそよぐなるかな     俊恵

      成田山記憶おぼろになるままに深くも酒に泳ぐ夜かな

 大江山かたぶく月の影さえて鳥羽田の面に落ちるかりがね   慈円

      西麻布かぶくに月の影さえて曹司の面の落ちる頬骨

 駒とめて袖うちはらう陰もなし佐野のわたりの雪の夕暮れ    藤原定家

      脚とめて血を拭き流す酒もなし痣は渉りの冬の朝焼け


道普請

2010-12-14 | 今日は真面目に

Photo  猪に掘り返され溝の様になって歩きにくくなった歩道を慣らした。谷側に集積してあった竹と相まって、水はけも悪くグチャグチャの通路になっていたのを平にしたのだ。

 これですっきりと広くなって、山側に新たに植樹出来るスペースも生まれた。年明けにはエノキ、ムクノキ、シナノキなどが給付される見込みだから、半分は地拵えみたいなものだ。

 鍬で高い部分を打ち削って判ったことだが、竹の根が十分に腐食していた。猪が掘り返すはずである。以前は竹の根が緻密に走っていて、鍬もツルハシも入らないほどの表土だったのだ。今日は気持ちが良いほど掘り起こすことが出来たから、その分平坦な歩道を50mほど完成できた。

 作業中、幼子を連れた3家族が上って来た。「何だろう」と思い声をかけたらフユイチゴの採集だった。拠点を下がった台地にはフユイチゴの広場が広がっている。夏草を刈る時も刈り高20cmで刈り払って、フユイチゴを痛めない様にしてきた結果なのだが、「秘密の花園」とはいえなくなってきた。

 それはともかく、姿は見えなくても子どもの声が聞こえるフイールドは、会友曰く「汗を流してきた甲斐があった」とのたもうたが、けだしその通りであるなあ。


もうボロボロ

2010-12-13 | 感じるままの回り道

Photo  原っぱの枯葉の上にヒョウモンチョウが身体を温めていた。先日は初氷が張ったし、今日もそれほど気温が上がらない予報だ。

 既に羽はボロボロで、色彩も色あせてしまって生きることの厳しさと逞しさを感じ取ることが出来た。時折、羽を閉じたり開いたりするから生きていると判るし、蝶そのものの優雅さはボロボロであっても健在である。

 周辺の地表は猪にボロボロにされているが、どちらも生きるための証であることに相違は無い。でも一方は驚嘆するし、一方は驚愕・憤慨のたねである事を思うと「ボロボロ」から受ける心象も大きく異なる。

 ところで「思い出ボロボロ」はどんな印象だったのか歌詞が出てこないのだが、「たまごボーロ」のボーロは「ボロボロこぼれる」からか、そんなことはないか…。


16馬力

2010-12-13 | 小父のお隣さん

 日が改まるたびに耕作面積が拡大していく。食料自給率が低下する一方のわが国において喜びたいところではあるが、生産や国家の自立には全く寄与しない、いわば議員様に取られる歳費みたいなものだろう。この頃はアドレナリンも出てこない。

 しかし、耕作するエネルギーたるや大きなものに違いない。鋤や鍬などで人力による耕起とは比べ物にならない位にしっかりと掘り返している。ここは粘土質で苗床を作ろうと唐鍬で耕起しようとした時の難儀を思い出した。ほとんど小型重機による掘削に近いのだ。

 馬力に換算したら間違いなく16馬力である。最近ブームとかやらの家庭菜園や休日百姓で使用する豆トラクターでもこれまでは出来ない。ほとんどプロ使用のトラクターの耕起レベルである。

 考えてみれば相手はその道のプロだった。忘れていた。

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鬼熊手

2010-12-12 | 今日は真面目に

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 市販の熊手は使い勝手が悪く作業にならないから鬼熊手を作ってみた。モデルは昭和30年代の山の落葉掻きの写真である。トーチを忘れコンロの火で曲げたから、曲がりが気に食わないが使い勝手は上々だった。

 一本目は真竹製であるが、二本目は孟宗竹で作成した。孟宗竹製は肉厚で耐久性はあると思えるし、何より自重で漏らさず掻き集める性能が好感度である。購入すれば300円前後であるのだが、これがなんとも頼りなく、ほとんど「使い捨て」に近い品質だ。住宅の周辺では利用できても山野の作業には役にたたなかった。

 前腕の痛みがあるから除竹作業は中止したのだが、鋸を使い鉈を使っての工作は、結果的に安静にしているとは程遠い一日となった。二日後には雨の日が来るので、休養日は実質お預けで、もう一日軽作業だ。


*季節は巡る

2010-12-12 | 温故痴新

 鉦たたき来ぬ夜となれば朧なり     去来

      カネタタキ来ぬ夜となりぬ神無月

 雨の日や門提げて行かきつばた    信徳

      雨の日や禿見せてゆく垣根端

 牛が大きくよこたはり師走風吹く     山頭火

      牛の多くが息絶えて初夏の風吹く


*幸せな井戸端会議

2010-12-11 | 小人閑居して憮然

Photo_3        あららまあ情報航海三度笠

       どこみても守秘する絵など無き秘密

       国事犯立小便と仕分けされ

       海防も国境も棄つ内輪もめ


初氷

2010-12-11 | 感じるままの回り道

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 風が冷たいと思いつつフィールドに降り立ったら、バケツに氷が張っていた。寒いはずだ。今日は風もあって温度も上がらなかったが、トンボ池の周囲にはまだアキアカネが飛翔している。さすがに個体数は減って数匹というところだ。

 トンボ池は先日の取水堰の変更で満水位を保っている。満々と水を湛えた池を見下ろしていると、腕の痛みも納得してしまう。満水位になって水面積が広がったから「よくぞ手掘りで!」と自画自賛の気分になる。はっきり言えば、そんなことを言ってくれる輩は一人もいないのだ。世間的には酔狂な部類に仕分けされる事は、まだ認識できる状態にある。

 さて、陽だまりにはツチイナゴの姿も見えるが、動きは鈍い。日陰のクローバーは霜を受けてというか凍結して真っ白であるが、日光があたってくると霜は溶けて、閉じていた葉も展開してくる。陽を受けて濡れている葉は瑞々しい限りだが、でも小さいけれどロゼット状のタンポポの葉の方が「心躍る」。


*いのち逞し 2

2010-12-10 | 感じるままの回り道

 大雪の弱陽に憩うあきあかね霜降る幾度いかに過ごさん

 イノコロは薄茶に枯れて霜を受く沢の朝日に子羊に見ゆ

 タデの実はまだ落ちぬれど霜被り白く染まりて草紅葉伏す

 餌も無き思えど冬のあきあかね水面の蚋を食みて師走よ


*いのち逞し

2010-12-10 | 小父のお隣さん

        草紅葉隠れ泊まるやツチイナゴ

        小春なりあかね卵打つ棚田かな

        ここかしこ止るタテハに縛られる

        木の上の蛙まだ鳴く小雪なり


里地里山

2010-12-09 | 小父のお隣さん

      ひとそよぎ万葉の落つ小雪かな

       千秋に葉を落としけり大銀杏

        山もみじ鎮守の森は黒きまま

         ごつごつと花梨実を着け空の中