トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ミネラル補給

2012-07-17 | 小父のお隣さん

Photo  暑い時期に熱中症にならないためには水分とミネラルの補給が欠かせない。泥水池の造成中にキタテハがまとわりついてくる。理由は直ぐに判った。汗を吸いたいのだ。

 タテハチョウ類は度胸があるのか無鉄砲なのか、いざとなると人を恐れず吸水、いや吸汗に来る。煩わしいので小生も吸水のため作業を止めたら、袖口に降りて吸い始めた。細い糸のような口でも皮膚感覚は覚知する。蚊が止まって動いている感覚だ。

 人も昆虫も暑い時は水分要求度が高くなるのは同じらしい。林道の絞り水で湿っている部分にはアゲハチョウやアオスジアゲハが集まり始めている。湿っていれば何処でも同じではなく、毎年、降りる場所は決まっている。これも成分の微妙な違いを認識しているのであろう。

 チョウはミネラル分を香りで覚知している事になる。小生も拡池している。


アカスジカメムシ

2012-07-16 | 小父のお隣さん

Photo_4  朝、空の様子を窓越しに見ていたら、パセリの花冠に模様が見える。シジミチョウかと思って外に出て覗いたらカメムシだった。これは初めて見るカメムシだ。

 夕刊が届いた頃も、まだ同じ花冠にいる。触覚が動くから死骸ではない。図鑑の説明によれば「ヤブジラミなどの実の汁を吸う」とあった。それで合点がいったが、バセリの花冠は既に結実して、若い種子をつけている。

 きっと美味しいのだろうが、気になるのは胴体後部の縁にある鍔だ。カメムシの仲間には普通にあるけれど、飾りでもなさそうなのだ…。夜は眠れます!。


ひこばえ刈り

2012-07-16 | 月例会

2012/07/15(日) 9:30~14:00

会員 8名

活動 午前 侵入竹全伐地のひこばえ刈り取り

    午後 拠点周囲の草刈り

*朝、雨模様で実施が危ぶまれたが次第に晴れた。結果的には最高気温32度の真夏日になった。湿度も高く、若い竹に覆われた林内は蒸し風呂のようだった。降雨直後という悪条件もあって、林内活動人数は出席の半数で、刈り取りは終了出来なかった。

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環境多様性

2012-07-15 | 遊び子は

Photo_3  泥水地の一角、6つあるプールの最終段が一番狭いのだが深さがある。ここが子供達にとっては「お気に入り」の場所の様だ。泥んこって「泥ん子」の事かと見紛う遊びっぷりだ。

 どの池でも入り込んで良いことは伝えてあるが、最初から飽かず遊んでいて、今日は昼食時間になっても上がろうとはしない。母親も心得たもので、声は掛けるものの見守っている。

 立ち話の中で、こんな遊びの写真を見せると、祖父母さえ「!」と否定的な反応が多いとの事。こんな気持ちや気分が育つ環境を貧しくしていく。その刃を体験しながら、子どもに付き合う母親も賢いし、そんな親に見守られて、子どもは幸せな子ども時代を生きている。

 幼児期なんて人生の中では「セミの時間・トンボの時間」なのだから、せめてのびのびと心行くまで遊ばせたいものである。


尾っ立つ!

2012-07-15 | 小父のお隣さん

Photo_4  キイトトンボが連結飛行してきた。休み休みの飛行だから撮影し易いと思っていたら大きな間違いだった。サイズの問題で接近の必要があるのに近づけさせてくれない。

 ようやく撮った数枚は、どれも鮮明さに欠ける。キイトトンボの連結飛行は初見だし、前の個体が尾だけで直立しているのも始めての観察だったから、惜しいの一言に尽きる。

 ケータイのカメラのせいにするのが一番よろしい。


ヤマユリが咲いた

2012-07-14 | 感じるままの回り道

Photo_3  種子採種用のヤマユリが咲いた。庭のヤマユリはフイールドのヤマユリに先駆けて咲くので、フイールドでの人工交配はこれから始める。

 今年は一株で7個の花をつけた。フイールドでここまでの株に育成するのは容易ではない。管理している保育地でさえ盗掘されるのが例年の事だから。今年は蕾が見えてきた時点で3株盗掘されている。

 繁殖株を養成するにしても、自生地でそのまま保育するにしても、一旦目をつけられたら盗掘され、生き残りは皆無だ。そこで自宅で種子を採り、取り蒔きでフイールドに戻しているのだが、効果はササユリほど見えない。発芽まで2年、開花まで数年では播種した場所すら忘れてしまう。


永田も棚田も

2012-07-14 | 性向有毒の翁なれば

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  泥水地の際にあるカナムグラの藪の中で動く影がある。覗いてみたらカナヘビだった。二匹でまとわりついているから「変な場所で交尾か?と思ったのだが様子がおかしい。

 ぶら下がった上の個体は尾で身体を支え、口で相手の尻尾の先をくわえて放さない。

 下のカナヘビも暴れるわけでもなく静かだった。逆光で暗いから、順光の場所まで移動しようとしたら離れてしまった。喧嘩だったのか、戯れだったのか小生には判らないが、永田町とおんなじに思える。

 あそこは金蔵の藪中だけれど順光は嫌いな金蛇の巣窟だし、野合も激しい。


拡幅は続く

2012-07-13 | 水辺環境の保全

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 葦原にしておくのがもったいなくて、最大の面積を持つ泥水池を更に拡幅する。南側に広げたのだが、ここは1年の大半が日陰の部分だから田植えなどには利用できない。あくまで生物のための水辺である。

 幾つか漏水孔があったので、今までは利用しなかったのだけれど、漏水孔の部分を掘り下げ、葦の根茎を取り除き、埋土して踏み固めれば大丈夫と言う事が判ったから手をつけたのだ。拡幅したことに伴い、水の出口を付け替える必要があって、結構手間隙がかかった。

 降雨で退散したりして、都合3日の活動で完成となった。この泥水地の面積は3割増し、と言うところである。


若齢幼虫だった…

2012-07-13 | 小父のお隣さん

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 ぬか喜びだった。庭の草取り途中、野生化したミツバを引き抜いていたら、見慣れない幼虫がいる。今までミツバで繁殖していたのはキアゲハだけだったから、てっきり新顔が現れたと喜んだのだったけれど…。個体を比較すると微妙に白い模様の部分が異なる。個体識別可能だからMTB48としてアイドルに・・・する気は無い。

 スター名鑑で調べたらキアゲハの若齢幼虫だった。いつも緑色になった幼虫しか知らなかったから、狭い庭でも世間は広いものだと感じ入った次第である。ここかしこに個体が見えるから、草取りは中断してしまったけれど、今ついている種子が落ちて、次のシーズンも野生ミツバの一角が出来てしまう。

 まあ、気が向けばむしりとって汁に入れたり、お浸しにして食するから邪険にも出来ない。


法面の植生被覆

2012-07-12 | 今日は真面目に

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 浸食溝を埋め戻した法面は田土の下にあった基盤土壌だから種子や細根など混入していない。自然の植生回復に委ねるのも一つの方法であるが、梅雨末期の降雨による堤の細りが心配で、被地植物の定着を早める事にした。

 棚田跡の植生のある表土をスコップで板状に掘り取り、これを瓦の様に法面に重ね、叩き板で圧着したのである。これで早い段階から植生が出現するはずだ。泥水地全体の修景が済んで、トンボが乱れ飛ぶ空間を眺めていると、思わず放心状態になるが、疲労困憊していても他人には理解できない充足感がある。

 これはまさしく極楽トンボそのものなのだろうが、実感としては「極楽トンボでいることも楽でない」。土と戯れた後は、帰路にドリンク1本を渇望してしまう。


失意のオニヤンマ

2012-07-12 | 小父のお隣さん

Photo  目の前で、オニヤンマがスジグロシロチョウに突進して狩りに失敗し、ヒメジョオンにぶつかってしまった。そのまま再度狩りを敢行するのかと思っていたら、明らかにいじけた風で、近くのコナラの葉に止まったのだ。

 撮影の機会とばかり近づいたら、さすがに緊張し全身が「ため」に入ったのがありありと見て取れる。普通ならここで飛び立ってしまうのだが、今回は撮影できた。オニヤンマを撮影できる機会はほとんどないのだ。ラッキーである。

 これも失意で「ガックリ」きていたお陰であろう…。

 


水流の調整

2012-07-11 | 水辺環境の保全

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 気温が上がって来るに従い、アオコが水面を覆う様になった。機能的にも構造的にも、流量を大きくするようには考えてない泥水池なので、アオコの排出も降雨で出水が増加したときだけである。今回、泥水地全体の設えがほぼ固まったので、このアオコの排出を容易に出来るよう、それぞれの池の水流を調整し止水域を少なくする。

 現状よりは、水の流れが全体を回るように、池の形の変更と導水畦の設えである。泥水池1と2は畦の位置調整で済んだが、泥水池3は導水畦が必要だった。これは丸太1本を入れ、杭で固定し沈木仕立てとした。

 流量が多くは無いから、アオコの排出が十分になると言う結果は望めないけれど、池全体に水が回る事で、生息環境は改善されたはずだ。


**長き一夜

2012-07-11 | 大震災

 地響きを救助に来しと思えども余震に騙され朝となりにし

 夜は明けてまた日が暮れる静寂に動けぬこの身野ざらしの刻

 我思うゆえに我あり身体無し意識遠のく遠のく夜明け

 ここに居るぅ明けに望みを託せども助け何故来ぬ静寂久遠


生物多様性

2012-07-10 | 遊び子は

Photo_2  ニイニイゼミの初鳴きを聞いているところに、いつもの御一行がやってきた。土掘りは終了して、叩きと突きでの土固め作業に入っていたから、しばし休息して見物。

 3歳未満児だけれど、子どもによっては足を取られるような泥土の中に入って泣きもしないし助けも求めない。顔を見ると満面の笑顔だ。声はないけど楽しんでいるのが良くわかる。

 興味を持つ部分はそれぞれで、見ていると面白い。親から離れない子も何人かいたが、遊ぶところを良く見ているところを見ると、色々な想いで見ているのだろうと思わずにはおれない。

 水辺は生物多様性のための環境多様性としてなのだけれど、小さな生物が種類を問わず増えていくのは楽しいことだ。


Before-After

2012-07-10 | 水辺環境の保全

Photo_5  拡幅した泥水池の昨年造成した部分との差が対照的なので一枚撮影した。

 水稲の縦一列から左が今回の拡幅部分で、右側が昨年からの泥水池である。水稲は人為的に植えつけたものだが、他の植生は勝手連だ。

 ミゾソバや葦は歓迎しないが、水面に葉を出したコナギやミズキンバイなどの萌芽力には感心する。埋蔵種子から発芽するのは棚田の復元で体験済みだけれど、棚田で繁殖しているミズアオイがここではまだ姿を見せない。水中には金魚藻の仲間が群落を作っている。

 浮葉植物はミズキンバイだと聞いたが、図鑑とは似ても似つかぬ。立ち上がる茎が無いし葉も丸い。それはともかく水辺が出来て環境が整えば、生物が増えるのを目の当たりにする日々である。