フキノトウないかと問われ意地悪く買って食べてと見放し断ず
蕗植えて春の景色の楽しみに思えど他人は食材に見る
フキノトウ藁人形に助けられ塔となりしぞこの春の日は
神仏のご加護を胸に鳥居描く奉ずる谷地に命ぞ増えよ
フキノトウないかと問われ意地悪く買って食べてと見放し断ず
蕗植えて春の景色の楽しみに思えど他人は食材に見る
フキノトウ藁人形に助けられ塔となりしぞこの春の日は
神仏のご加護を胸に鳥居描く奉ずる谷地に命ぞ増えよ
今春は、管理している範囲のタラノ木の新芽がことごとく摘み取られた。今まで何とか持ちこたえ、花を付け虫を呼び、実を付け鳥を呼び、種子の拡散に役立っていた繁殖用母株まで被害に遭ってしまった。株立ちになって、本来のタラノ木の姿をみせてきて喜んでいたのだが…。
刈り残して育成してきた本数は50本を超えるが、太い木は傷口から樹液を出している木もある。こういう状況は見たくなかったけれど、現実に直面すると維持は難しいと判断せざるを居ないので、管理区域内のタラノ木は一本残らず地際から切断した。今後、管理区域内には生育させない。切除は不本意だが、特定少数者のために汗水流して喰わせる手間は不必要だ。
小生が刈り払わなくても、存在を知った彼の人たちは、二番芽・三番芽まで切り取りに訪れるのが通例で、早晩枯れ死してしまうし、半径数百メートル程度の箱庭みたいな環境で、採りつくしたい感覚が恐ろしい。「山の恵み」ではあり得なくなっている現実に、採る側が「執拗」になっているから「呼び込まない里山里地作り」を心がけねばならなくなった。ため息が出る。
奥の池で、イトトンボの羽化が始まったとの話を伺っていた途中、S氏が突然、地面を指さした。言われるままに見た場所にはトンボがいたのだ。今季初見のトンボで、小生にとっても初見のトンボになったのは「ダビドサナエ」だった。サナエトンボはやや大型の物、という理解だったから、アキアカネサイズのサナエトンボがいるのだとは「露知らず」である。
小生がトンボを初見するのは、おおむねゴールデンウイークの頃だから、四月初旬は、結構速い初見なのである。桜の標準木は2週間ほど早く開花したが、自生のヤマザクラは例年通りだった。影響を受けやすい種と、そうでない種があるのだろう。
くだんのダビドサナエ、S氏によれば、従前から個体は見ていたという。小生は10年前から通っているが、初めて見る種なのだ。偶然の出会いで撮影している小生では、そんなもんであろう。しかし、この個体、図鑑とは色彩が異なる。S氏によれば成熟すれば図鑑の色彩になるという。帰りがけに同行の、これもS氏から「トンボ図鑑」を頂いた。深謝である。
リンゴの花がほぼ満開になった。すべて開き切ってしまったところより、つぼみの見える所が紅をさしたようで美しい。その横では五葉アケビが花の塊になっている。雄花も雌花も入り乱れて、これは混雑し過ぎで美しさには遠い。
その下にはノアザミが花を開き始めた。この花は、昨年夏にフイールドで採取した種を採り播きして育てた花だ。フイールドでは、まだ茎すら立ち上がらないが、庭の株は30㎝程度で花を咲かせた。アザミ類では一番最初、それも初夏から咲くので、誘蝶のために、どうしても庭で咲かせたかった花なのである。翌年に開花するとは思わなかった。
7株ほどが開花結実させるだろうから、種はポットに採り播きして、来春はフイールドの一角に群落を作りたい。クロアゲハが群がったら壮観だろう。
しばらく放置していた丸胴巣箱の制作に重い腰を上げた。四月の早い段階で設置しないと、次の適期は一年後になってしまう。
くり抜いて巣層の基礎になる桟まで組み込んで、ほったらかしだったから、十分すぎるほど枯れこんでいる。巣の入り口を巣層の重なりに対して90度に切り抜く。これは各巣層への最短距離だからだ。そして巣層は外気の直接的な流れから巣層自体が壁になる…と目論見だけは達者だ。
底板は薄くても構わないが、上板は厚いもので断熱性を高める。この上に発泡スチロールと波板で屋根を付ける。丸胴巣箱は並べて設置する予定なので、各々の巣の入り口は左・右と位置は反対である。
木ねじが無かったから上板の取り付けはこれからだけれど、隙間などは「木屑粘土」で埋めるつもりだ。ここは小生の着想で、まだまだ脳細胞は働いてくれる。
真竹の全伐地、一昨年に刈り尽くしたコブはタンポポが満開になった。近くに寄れば、タンポポだけでなくホトケノザやスミレまでが咲いていて、ちょっとした春のお花畑だ。
今、春休みだけれど、幼児さんたちの活動はお休み中で賑わいは無い。お蔭様でと言うべきか、花は生きながらえて、綿毛を付けてきたのも出て来た。
子ども達の「お花摘み」だから、大人の「山菜採り」の様に、血圧が上がることはないけれど、種子を飛ばす量が減るのには、多少の残念さが付きまとう。
コブの背後には、昨年全伐した平坦地が広がるが、すでに竹は今年の再萌芽が始まった。地表にはスミレが多く散開しており、これは目立たないけれど、足を踏み入れると楽しめる。まあ、こんなところが密やかな楽しみでもある。
泥水地の最終段への流路は落差が大きくて浸食が早い。角材を埋めて段差工を施した部分は、もともと漏水による横穴があったところで、土嚢を詰めて水を落としていた。その土嚢の土も少しづつ減り、今は40㎝ほどの段差になってしまった。
これでは浸食が早まるばかりなので、流速を緩和する算段はないかと思案していたら、材料があったのだ。それは、先日行われた「チェーンソー講習会」で使用した丸太材を使うことである、半割丸太にし、瓦の様に傾斜面に並べれば効果が見込まれる。
早速、丸太を割り施工してみたら、これが思っていたより厚く仕上がってしまう。堤の高さを上げてようやく終了した。あとは中央部を窪ませて水を誘導すれば終了である。我ながら「ご満悦」だ。結果は判らん!。
今年の産卵は「上部の池」だけとガッカリしたのだが、一夜遅れて、拡幅した棚田とトンボ池に産卵があった。めでたい事、この上ない。棚田には2個体が産卵し、移動しながら産卵した様子が残っている。
トンボ池も、一角だけ水深を浅くした部分に産卵した。ここは棚田より量が多くて、数個体分の卵塊があった。畳一枚程度の広さしかないし、草も萌え出しているから産卵しにくかっただろう。毎年、卵塊の場所を見て思うのだけれど、必ず水辺の浅瀬、それも北寄りの場所に産む。日中ならともかく、夜間の産卵で太陽の方角に留意するとは、本能とは言え「親心」と感じてしまう感情失禁の小生なのだ。
また、産卵日がほぼ1日に集中し、二夜に渡っても24時間以内で、これも驚き。広い山域から示し合せて合コンする、これも驚きだ。それより、ネズミ一匹が、巨大プラントへの津波の被害に匹敵したとは、こっちは驚愕!。とは言え、電源設備は暖かいから、動物の侵入は常識内なのである。
春分の日、上の池に一昼夜で産卵した量はバケツで5~6位にもなるだろうか。積み重なっている部分に、白くなった胚が見えたので、産卵後数日で、一部を移すことにした。
バケツ半分ほどを掬い取って、下流の泥水地に投じる。新設して初めての春だった昨年には思いがけなく産卵があったのだが、今年は皆無だった。
「生まれ育った場所で産卵する」という記述は正しくなかったが、昨年上陸したカエルが戻るのは数年後だし、それまで他の水辺でも卵を分散させ子ガエルを上陸させた方が、資源?の安定化には寄与するだろう。
今日現在、移した物も移さなかった物も、すでに小さなオタマジャクシになって、子ども達の注目の的だ。
朝早くバケツ携えもらい卵 痴世助