元・厚生省事務次官の殺傷事件で小泉毅容疑者が警視庁に出頭した。
犯人像、思想的背景、さらには事件現場の足跡まで、興味津々という感じで報道したマスコミだったが、”犯人”の出頭によって、大騒ぎもややトーンダウンしたようだ。
小泉容疑者の経歴を見ると、高校生までは優秀で、地元の佐賀大学理工学部に入学したが、8年間在学し、結局退学している。
この間に何があったかが、特に重要だと思われる。理工系のきちんとした国立大学は、少人数教育で、みっちりと専門の勉強をさせるのだが、一定率の不適応者が必ず出るのが常識だ。あるものは「自分の専門に興味がもてない」「勉強が分からない」だったり、あるいは人間関係で問題が生じたりして、結局退学を余儀なくされるのだ。
そこそこに優秀だったと思われる人は、挫折には弱い。小泉の場合、地元にいられず、転落の道を転げ落ちたのだろう。
精神疾患の疑いもあるが、小泉のような人は、世間にごろごろしている。身近にも大学を出ても半年で会社を辞め、家に引きこもる若者がいる。
これまで私が職場で接した職員のうち、少なくとも4人は精神障害者だった。営利を求めない大組織では、屑のような職員をたらい回しにしたあげく、問題を起こせばすべて現場に責任をおしつけるだが、小泉も同じような人ではなかったか。
問題は何故、彼の凶刃が厚生省の元事務次官に向かったかだ。私見では、TV報道が相当に影響を与えていると思うのだ。TVによる度を過ぎた「役人バッシング」の犠牲者が、山口夫妻だったと思うのだが、どうだろうか…・。