今朝の「産経新聞」に「中国で蒋介石ブームの謎」という記事が載っている。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100211/chn1002110124001-n1.htm
これを見て、今から35年以上前の北京で、故・衛藤瀋吉氏(東大教授・中国政治史)が「蒋介石もまた愛国者であったかも知れない」と発言して、北京当局の”激怒”を買ったというエピソードを思い出した。当時の「朝日新聞」などは、この発言を「日中友好」を阻害する発言だとして問題視した。
だが、先の「日中歴史共同研究」のレポートでも分かることだが、中国側の”歴史認識”なるものは、時の権力者の都合によって勝手に書き換えられるものなのだ。このことだけは決して忘れてはならないだろう。 でなければ、日本は常に中国の「歴史認識カード」によって翻弄され続ける。
衛藤教授はまた「大国におもねらず、小国をあなどらず」として、当時の「日中友好」ムードに釘をさした。「中華愛国主義」に歯止めがかからない最近の中国をみるたびに、衛藤氏の歴史を見る眼の確かさに舌を巻く。
「人民の敵」人気沸騰? 中国で蒋介石ブームの謎
歴史学者による蒋氏の再評価も進められ、各地では蒋氏に関するシンポジウムが開催されている。1月中旬に江西省廬山で開かれた「蒋介石と日中戦争」をテーマとするシンポジウムでは、中国と台湾の学者約50人が参加し、双方は日中戦争で果たした蒋氏の業績を高く評価することで一致した。従来の中国では「蒋介石は日本軍の侵略に抵抗しようとしなかった」との見解が主流を占めていた。
■独立の動き牽制か<o:p></o:p>
ただ、中国当局が蒋氏を積極的に再評価するのは、蒋氏を尊敬する台湾の馬英九総統に善意のメッセージを送るためだとの指摘もある。「中国との統一」を主張する蒋氏を持ち上げ、台湾の独立の動きを牽制(けんせい)して、統一に向けた工作の一環という見方も浮上している。<o:p></o:p>
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