台湾の李登輝・元総統が靖国神社に奉納したというニュースが、今朝の「産経新聞」に載っている。
こういう記事は、決して「朝日新聞」には載らないし、NHKで放送されることもない。だが、李登輝氏という一国の大統領(=中華民国総統)だった人が、このような感情を持っているという事実は、無視されるべきでも、忘れ去られるべきでもない。
李登輝氏の想いは、台湾の日本語世代に共通するものだ。戦争の記憶がますます遠ざかる中で、何故、李登輝氏が靖国神社に奉納するのかという疑問から、歴史を振り返ることも必要だろう。
「平和」「人権」「共生」などというきれいごとでは済まされない、歴史の実相を李登輝氏から知ることができるに違いない。
2010.7.16 産経新聞
台湾の李登輝・元総統が揮毫雪洞を靖国神社の「みたままつり」に奉納
靖国神社(東京都千代田区)で16日まで開かれている「みたままつり」に、台湾の李登輝元総統が「揮(き)毫(ごう)雪(ぼん)洞(ぼり)」を奉納している。戦死した李氏の実兄ら祭られている英霊を悼んでのもので、参拝者の目を引いている。
みたままつりには、著名人らが揮毫した雪洞が奉納されている。李氏の方形の白地の雪洞には、好きな言葉という「誠実自然」という文字が浮かび上がり、人として誠実かつ自然に生きたいという李氏の思いがこめられているようだ。
靖国神社には、約2万8000人の台湾出身の軍人・軍属が祭られ、李氏の亡兄の李登欽氏も「岩里武則」の日本名で合(ごう)祀(し)されている。李氏は2007年6月7日に靖国神社を初参拝した際、「62年ぶりに兄に会え、涙が出ました」と感激した面持ちで話していた。李氏の靖国参拝をめぐっては中国が批判するなどしたが、李氏は「(戦争で)亡くなった人を祭ることは当たり前」と反論した。
靖国神社の広報担当の宮沢佳広さんは「李さんの雪洞を見て、お兄さんをはじめ英霊も喜んでいると思う」と話している。