7月から中国人観光客の旅行制限が緩和されて、年収80万円程度の中国人までが来日できるようになった。
マスメディアは、中国人観光客が箱根の別荘を買おうとしているとか、オークションで日本の美術工芸品を買い漁っているとか大々的に報道している。まるで、リッチな中国人が日本経済の不況を救うかのような書きようだ。
(世界を動かす中国人観光客?)
だが、忘れてはいけないことがある。ひとつは、中国人のマナーの悪さと犯罪。これは説明するまでもないが、中国人観光客と一緒の旅館に泊まったら、同じ風呂に入ろうと思う日本人はいないだろう。それくらい、彼らのマナーは悪いのだ。犯罪に関しては、凶悪犯罪の多くが中国人によるものだという現実を考えると、簡単に旅行者枠を拡大していいのかという疑問に突き当たる。
もうひとつは、中国人の対日感情を考えると、リピーターになる中国人はそれほど多くないだろうということ。現在、中国人観光客が日本に来て感心するのは、日本人のきめ細やかなサービスと日本製品の優秀さだ。文化遺産や風光明媚な土地を目当てに来るのではないのだ。ということは、もし、中国において日本並みのサービスが実施され、中国製品が日本水準に達すれば、彼らが日本に興味を持つ理由は、ほぼ無くなってしまう。日本からの安易な技術移転が現在の中国の経済的繁栄をもたらした訳だが、ソフト(サービス)面でも中国は急速に日本に追いつこうとしている。4月に敦煌に行ったとき、ホテルのサービスの良さには驚いたので、これは実感でもある。
観光資源という観点からすると、日本は中国に到底太刀打ちできない。ゴビ砂漠と鳥取砂丘を比較するようなもので、リピーターを引きつける魅力は乏しい。
そう考えると、中国人観光客の増加は、一時的に日本経済を潤すが、長くは続かないと思われる。
マスメディアの「媚中」報道に警鐘を鳴らしておこう。