澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「満鉄株券」が語りかけるホントの歴史

2019年05月14日 10時52分32秒 | 歴史

 最近、親族から「満鉄株券」の束をもらう機会があった。正式には「南満州鉄道株式会社」の株券一万株以上なのだが、もちろん、現在は何の価値もない。



 聴くところでは、何かのオークションでは、一枚千円くらいで取引されているようだ。だが、そんなことに興味はない。私が見たいのは、株券の背後にある「歴史」。

 2008年9月、私は、大連にある旧満鉄本社を訪れた。中国政府は、満洲国を「偽満洲国」と呼び、その歴史を一切認めていないから、「満鉄」においては何をかいわんやだ。本社の前の掲示板には、日本帝国主義の罪状が執拗に書かれ、満鉄総裁室(ここだけが現存している)は、悪の巣窟の指令室といった趣だった。



 別のところには、満鉄が誇った「特急あじあ号」の機関車が展示されていた。



 当時のブログには、この「あじあ号」に対面した感想を綴っているが、いまでも変わりはない。
 当時、家を何件か買えるほどの株券を、国家運営の過ち故に、紙くずにされてしまった株主。すなわち、それは私の親族だが、この株券の束を前にして、何を考えたのだろうか。もはや、確かめるすべはないのだけれども、金庫の奥深く保存してあった事実は、誰かにこの記憶を引き継いでほしいという気持ちがあったのかも知れない。

 「満洲」という土地が漢民族のものではなく、女真族の王朝である清朝の祖地であり、したがって、「満洲国」にはそれなりの建国理由があったこと。「満鉄」は日本帝国主義の侵略の道具だという断罪は、歴史の片面でしかなく、「満鉄」が満洲社会の近代化に大きく貢献したという事実。このような基本的な事実さえ、学校教育ではほとんど教えられていない。都合のわるいことは見て見ぬふり、美味しい話には「バスに乗り遅れるな」と殺到する国民性ゆえなのか、「満洲」という言葉はほぼ間違いなくスルーされてしまうのだ。

 「満鉄株券」を目の前にして、今からでもホントの歴史を探ってみたいと思い至った。 

 

 

 

 
 



  


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