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「蛤・鮑・蜆など貝に関する漢字は何故貝偏ではないのか?」について考える

2022-08-13 06:30:56 | 漢字・文字

今日の本題は、「貝に関する漢字は何故貝偏ではないのか?」なので、前半の貝の漢字は飛ばして読んでも結構です。

 

【1】蛤は何と読むでしょう?

【2】蜆は何と読むでしょう?

【3】牡蠣は何と読むでしょう?

【4】栄螺は何と読むでしょう?

【5】鮑は何と読むでしょう?

【6】鯏は何と読むでしょう?

 

【解答】

 

【1】蛤(はまぐり)

蛤(読み)ハマグリ

デジタル大辞泉「蛤」の解説

はま‐ぐり【×蛤/文=蛤/×蚌】

《「浜栗」の意という》マルスダレガイ科の二枚貝。内湾の砂泥地にすみ、殻は丸みのある三角形で、殻長8センチくらい。殻表は滑らかで、黄褐色に褐色や紫色の模様のあるものが多い。北海道南部より南に分布。養殖もされる。殻は貝細工・胡粉ごふんの材料。《季 春》「からからと―量る音すなり/松浜」

[補説]日本の在来種は、昭和時代末より干潟の減少や水質汚染などによって急減しており、平成24年(2012)環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定された。国内で食用として流通するものの多くは、近縁種のチョウセンハマグリ・シナハマグリ。

2】蜆(しじみ)

蜆(読み)しじみ

デジタル大辞泉「蜆」の解説

しじみ【×蜆】

シジミ科の二枚貝の総称。貝殻は三角形で、殻表は多くは黒色で輪脈がある。淡水にすむマシジミ、海水のまじる河口近くにすむヤマトシジミ、琵琶湖水系にすむセタシジミなどがある。食用。《季 春》「すり鉢に薄紫の―かな/子規」

[補説]作品名別項。→シジミ

【3】牡蠣(かき)

牡蠣(読み)かき

デジタル大辞泉「蜆」の解説

かき【牡=蠣】

イタボガキ科の二枚貝の総称。海中の岩などに固着する。貝殻形は一定しないが、片方の殻は膨らみが強く、片方は平たい。殻表には成長脈が薄板状に発達。マガキ・イタボガキ・スミノエガキ・イワガキなど食用となるものが多く、養殖もされる。オイスター。《季 冬》「松島の松に雪ふり―育つ/青邨」

[補説]乳白色の色合いと、栄養が豊富であることから「海のミルク」と呼ばれる。

牡蠣(かき)は「蠣」一字で(かき)と読むようですが、「牡蠣」の方一般的です。

「蠣」「蛎」だけでカキの意味を表し、「牡」の文字を用いて「牡蠣」「牡蛎」の表記が一般的です。

これは一般に貝は雌雄で色の異なる部分があり、白い物が雄と考えられていたのに対し、カキは全身が白いことから「牡しかいない貝」と誤解されたことに由来するそうです。

 

【4】栄螺(さざえ)

栄螺(読み)サザエ

デジタル大辞泉「栄螺」の解説

さざえ【栄=螺/拳=螺】

1 リュウテンサザエ科の巻き貝。北海道南部から南の暖流の影響を受ける岩礁に分布。貝殻は殻高約10センチで厚く、こぶし状をなし、太いとげのような突起をもつものが多い。肉は壺焼きなどで賞味され、春から初夏が旬。さざい。さだえ。《季 春》「海凪なげるしづかさに焼く―かな/蛇笏」

2 茶道具の七種蓋置しちしゅふたおきの一。サザエの形をしたもの。

【螺】海産の巻貝の一種。アカニシ・ナガニシ等の総称。

「~ニシ」っていう名前の貝がよくありますが、漢字は「螺」だったのです。

螺旋(らせん)の「螺」という漢字です

田螺(たにし)は田んぼにいる巻貝ですね。

 

【5】鮑(あわび)

鮑(読み)アワビ

デジタル大辞泉「鮑」の解説

あわび〔あはび〕【×鮑/×鰒/石=決=明】

ミミガイ科の巻き貝のうち、マダカアワビ・クロアワビ・メガイアワビ・エゾアワビの総称。貝殻は平たい楕円形で、殻口が大きいために二枚貝の片側だけのように見える。殻径10~20センチ。殻の外面は褐色で呼吸孔が並ぶ。雌雄異体。肉は食用、殻は螺鈿らでん細工や真珠養殖の核に用いる。《季 夏》「太陽へ海女の太腕―さげ/三鬼」

鮑・鰒・蚫 あわびの漢字ってこれだけあります。

【6】鯏(あさり)

鯏(読み)アサリ

動植物名よみかた辞典 普及版「鯏」の解説

鯏 (アサリ)

学名:Ruditapes philippinarum

動物。マルスダレガイ科の二枚貝

《解字》

形声。「魚+音符利」。あさりとる→あさりの「り」に当てた字。

「鯏」は、日本で作られた国字だそうです。

アサリは漢字二文字で「浅利」「浅蜊」「蛤仔」とも書きます。潮干狩りでおなじみのアサリは浅いところに生息するから「浅利」「浅蜊」は分かるんですが、「蛤仔」って…蛤(はまぐり)の子どもみたいです。

「蛤仔」は、蛤(はまぐり)の子供を意味しています。実際には、はまぐりの子供ではありませんが、はまぐりを小さくしたような見た目を表しているのでしょう。

これは「当て字」です。

 

今日の今日の本題です。

【問題】貝を表す漢字に貝偏の漢字がないのは何故でしょう?

 

貝の漢字を見てきましたが、虫偏の貝と、魚偏の貝があることにお気付きでしょうか?

なんで貝が虫偏なの? 貝が魚偏というのも変ですが…?

「虫(き)」は“むし”ではありません。

漢和辞典「虫」部に含まれるのは、鳥・獣・魚以外の動物です。

「蛤」、「蜆」などの貝類のほか、「蛇」、「蜘蛛」などすべて「虫」に含まれます。変わったところでは「虹」もあります。

日本語でも「弱虫」、「泣き虫」などの語の存在からもわかるとおり元来「虫」は動物一般を指す語であり決して昆虫や節足動物のみを指す語ではありません。

ちなみに、部首としては「虫部」は 「むしぶ」じゃなくて「きぶ」、貝部は 「かいぶ」じゃなくて「ばいぶ」といいます。

 

「虫」は甲骨文字では図のように書かれており、マムシの象形文字だとされています。つまりこの「虫」の字は、マムシに代表されるような、ヘビのことを表していたようなのです。発音もチュウではなく、キという音だったとされています。

 

虹は何故虫変なのか?

古代中国では、大蛇が天に昇って龍になると考えられていました。 虹は、龍になる大蛇が天空を貫く時に空に作られるものと想像されていたため、蛇を表す虫偏。 さらに、「貫く」とか「天と地をつなぐ」などを意味する「工」の字で「虹」という漢字ができたんだとか。

 

 

【解答】

貝を表す漢字に貝偏の漢字がないのは、お金に関連する漢字が貝偏であることに関係があります。

これは「貝」の字が貝殻(抜け殻、残骸の意味で)を意味していて、お金として利用していたためです。タカラガイは昔お金だったそうです。

「貝貨」=(貝でできた貨幣)なるものが昔、中国で実際に使われた事が歴史の中の記録に残っています。

貝貨として使用されたのは、現在の和名(日本名)で「ハナビラダカラガイ、キイロダカラガイ」と呼ばれるタカラガイ科の仲間ですが、このタカラガイ(宝貝)と言う名前も、貝貨=貨幣(金銭)だったことに由来しています。

以上のような理由で、貝偏は生き物の貝には使われません。

したっけ。

#NO WAR  #STOP PUTIN

#StandWithUkraine

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
★sumire024さん★ (都月満夫)
2022-08-14 06:09:56
虫は蛇のことだったんですね。
マムシは毒を持っていて恐ろしい虫でなので、虫の中の虫という意味で「真虫」と名付けられたと考えられるそうですよ^^
したっけ。
返信する
Unknown (sumire024)
2022-08-13 23:23:18
「虫」
マムシの象形文字~~~~~
ギャーですわ
返信する
★きままなマーシャさん★ (都月満夫)
2022-08-13 16:16:42
始めは貝の漢字を調べていたんです。
そうしたら、貝偏の漢字がないのに気づき進路変更しました^^
したっけ。
返信する
こんにちは(*^_^*) (きままなマーシャ)
2022-08-13 15:22:05
ほんとうですね。
これまでぜんぜん不思議に思ったことなかったです。
漢字って複雑でおもしろいですね^^
返信する

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