年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

明治改暦

2012年10月08日 | 福神漬
明治改暦-「時」の文明開化-岡田芳朗著
明治の活版印刷の発展を調べていたら、暦の改変で明治政府から印刷需要が急に増え、業界発展の基礎を作ったということからこの本を読むこととなった。今暮れにカレンダーを大量に配布する習慣は江戸時代からの農暦のための習慣から始まったようだ。特に伊勢信仰を広める伊勢御師が配布した伊勢暦が良く知られている。
 明治の改暦には神道普及の動きと暦の改変による、明治6年の伊勢暦が無駄となった裏事情がこの本で理解できる。明治5年12月は2日しかなく太陽暦採用ですぐに明治6年となってしまった。この急な事情で大量に暦を刷ることから活版印刷に需要がいったという。政府の大量印刷から活版印刷の創立期の需要不足の問題が解決されたが、間もなく政府が印刷業務を行い、再び苦境になったという。この苦境が解決されたのは西南戦争報道による新聞の普及がある。

明治16年頃、梅亭金鵞が江戸時代の戯作本を再出版した経緯は木版技術者が次第に活版印刷に押されたことと貸本屋数の急増により再出版の余地が生まれた。『妙竹林話七偏人』には池之端の香煎茶屋が出てくるので酒悦主人は漬物の命名を依頼したと思われる。当時の宣伝文を書くのは戯作者か新聞記者が多かった。
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