年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

トウガラシの世界史から

2016年05月07日 | キムチ

 

キムチの歴史を調べていると韓国にトウガラシが日本から伝わったという。しかし、日本では漬物があったのにごく最近まで唐辛子は白菜漬の味の引立て役しか使用されていなかった。戦後大陸から引き揚げた人達が日本へ帰り、漬物を起業したとき在来の味と異なる唐辛子を入れた醤油漬を販売し始めた。昭和の20年代も終わりの頃である。この急速なトウガラシ味の普及は統制経済の終了で漬物が過剰生産となった背景がある。

 売れ残った漬物を再加工し、赤く着色しトウガラシでピリ辛味にした朝鮮漬が発売された。勿論にんにくも入っていた。にんにく味は朝鮮人の味と嫌われ、日本の漬物業者は無臭のにんにくを開発するか少ないにんにくでコクを出す方向に向かった。当時のレシピが残っていれば今のキムチとは別物となるだろう。

 日本の朝鮮漬は加熱殺菌する技術が開発され半年も常温で販売されることになった。従って日本の朝鮮漬は発酵したキムチとは異なる漬物である。このことは韓国の人達が日本の漬物発展史を知らないため、海外に常温で販売できる日本のキムチ(朝鮮漬)が輸出され、キムチの宗主国と自認している韓国人の自尊心を傷つけた。日本の漬物業界の人も漬物の歴史を知らないため今日に至っている。

韓国の人は当然として日本の人も漬物の細かい歴史を知らないと言える。

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