年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

熱と誠の本探し

2024年11月01日 | 宅老のグチ
ポンプのエバラの創業者・畠山一清の社員向けの本を再度読みたくて、再開した荏原・畠山美術館へ行った。
 数年閉館していた美術館が再開したのだが、平日に関わらず予想外の人が来ていて、やはり東京という都市の力を感じる。旧館となるところの展示物は以前2回ほど訪問した時の内容と大差は感じなかったが新館は別世界だった。北陸出身の畠山一清は金沢文化の影響がある様で、能にも造詣が深い様で衣装と装束も展示があって、畠山さん自体が宝生流の演者だった様子が見える。多芸ということか。明治期には成功した人物が日本文化の維持に力を入れている様子が見えていて、さらにパリ帰りの日本人洋画家との交流も見える。
 上に上がったり下がったりして、迷路のようになった畠山美術館の入り口に戻って、今日の目的の熱と誠の本を公共図書館で読める所を入り口の、受付の人に尋ねた。すると学芸員に連絡し、大きな紙に印刷した一覧表を持ってきてくれた。30以上の大学図書館に所蔵されているようで、一瞬これは荏原という会社が就職する学生のための会社案内とおもった。
 自分が学芸員に日本醤油醸造事件で調べていて、都立中央図書館で2回ほど読んで、最近また読み返そうと思ったら、図書館の検索から消えていると話した。すると学芸員は閉館中に人気が出て、古書から消え、さらに蔵書している人が出さなくなっているという。その様な話を聞くと、都立中央図書館から消えたのは万引きされたと思うようになって来た。本は荏原から得意先に配布された本で販売価格はない。
 自分のデ―タでは2007年に読んだことになっている。もう20年位の前に記憶から畠山一清の報徳思想をどう近代化したことが気になる。報徳思想は一種の日本農本主義で、至誠 「まごころ」のこと。二宮尊徳の仕法や考え方、そして生き方の中心となるもの。
勤労 物事をよく観察・認識し、社会の役立つ成果を考えながら働くこと。
分度 自分の置かれた状況や立場をわきまえ、それぞれにふさわしい生活をすることが大切。また、収入に応じた一定の基準(分度)を決めて、その範囲内で生活することが必要。
推譲 将来に向けて、生活の中で余ったお金を家族や子孫のために貯めておくこと(自譲)。また、他人や社会のために譲ること(他譲)。
 この考えを鈴木藤三郎が持っていて、その部下だった畠山も影響されていた。事業拡大のうちに、北浜銀行の岩下清周に丸め込まれ、醤油事業で失敗した。これが荏原のポンプ事業でどう苦い経験だったかはまだ分からない。
 埼玉県の地下神殿と言われる、庄和排水機場に設置されている巨大な排水ポンプにエバラのマークがあった。
コメント
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