お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

まさかのホソウケグチヒイラギ

2024年05月29日 | 定置網
 今日は定置網操業中に風が吹いて来てうち以外の定置網は出漁を見合わせる。だが、お隣の定置網は風が治まってから出漁したみたいである。仕事も終わり家で昼ご飯を食べているとそのお隣の定置網の方から標本用の魚を確保したと連絡が来る。以前にうちの定置網でキビレヒイラギが獲れている話をしたらお隣の定置網でもオキヒイラギの選別中に大きな個体を見掛けるそうで今度見つけたら確保してくれると言われていた。昨日はうちの定置網でもキビレヒイラギが7個体獲れ、標本用に確保していた。昨日からちょっと体調が悪く飯を食ったら寝ようかと思っていたが港まで走る。港に着き、確保してくれた個体が置いてある冷蔵庫へ行き標本を確認。2個体置いてあり、手に取ると驚く。自分では当然うちの定置網と同じでキビレヒイラギだろうと思っていたのだが、その個体はホソウケグチヒイラギであった。ホソウケグチヒイラギは今までに何個体は見つかっているがここでは珍しい魚であり、滅多に出会うことが出来ない。こうなるとお隣の定置網に今まで入っていた大きな個体とはホソウケグチヒイラギだったのかキビレヒイラギだったのかが気になる。今後も続いてくれれば答えが出ると思われる。家に帰り体調が悪化し熱が出て来たので病院へ行くとまさかのコロナ感染。これからしばらくは魚と戯れない状況となる。
ホソウケグチヒイラギ

今回は2個体頂く

昨日確保したキビレヒイラギ
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この時期初 ヨロイアジ

2024年05月29日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え帰港して魚を選別しているとヨロイアジを発見。今の時期にヨロイアジと出会えるなんてと思い嬉しくなる。最終的に2個体の入網であった。ヨロイアジは毎年10月から12月頃の秋から冬に掛けて定置網に入網する。最近はマルヒラアジが毎日入網していたがヨロイアジが5月に獲れたのは初めてであり何の前触れもなく来たのでちょっと驚く。これが偶々だったのか今後も続くのか気になるところである。また、こうなって来るとヒラアジ系の別種を期待してしまう。これからはまた目が離せなくなり、今後も面白い魚を期待したい。
ヨロイアジ

今回は2個体入網

写真上:マルヒラアジ   写真下:ヨロイアジ
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トビウオ類の若魚は何処へ

2024年05月25日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと小さなトビウオの幼魚が群れているのが目に付く。見るとその中に1個体だけ長い髭を持つ個体を発見。他の個体には目もくれず、その髭を持つ個体のみに焦点を合わせ採集。活かした状態で持ち帰る。入れた容器が小さかったからか帰港すると弱っておりあまり泳がない。鰭を広げて綺麗に泳いでいる写真を撮りたかったのだが残念。魚ボラの標本用に確保する。今回の個体は今までにも定置網漁で何度か見ており、採集したこともある(ブログ2020 7.2)。今回の個体の細部を確認すると前回採集した個体と合致しカラストビウオの幼魚と思われる。トビウオ類の幼魚は標本を集め、成長過程を確認したいと思っていたのだが、これからの時期に稚魚・幼魚は定置網に入るものの、その後少し成長した若魚などは全く獲れず、いきなり成長した成魚が獲れるのである。成長過程のわかる写真が撮れれば稚魚・幼魚がどの種になるのか納得がいくのだが、ネットで調べても稚魚幼魚の写真は見つかるものの若魚の写真は意外と見つからない。成長過程で間の若魚時期はいったいどこに行ってしまうのだろうか。
カラストビウオ幼魚

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戻って来たキビレヒイラギ

2024年05月22日 | 定置網
 今年の1月に定置網にオキヒイラギがたくさん入網し、その中からキビレヒイラギを10個体見つけたもののコバンヒイラギと勘違いして5個体を捨ててしまう(ブログ2024 1.26)。その後も獲れたものの2月2日(ブログ2024 2.2)を最後にオキヒイラギの入網はあるもののキビレヒイラギは姿を消してしまう。そして先月に再び姿を現したものの2個体のみで終わる。そして今日、再びオキヒイラギの中からキビレヒイラギを発見。2月まではオキヒイラギと同じくらいのサイズの為、よく探さないと見逃してしまいそうな感じであったが、今回はオキヒイラギよりもはるかに大きなサイズな為、探さなくても直ぐに目に付く。この3ヶ月でオキヒイラギのサイズは変わらなかったものの、キビレヒイラギは結構成長した感じとなる。今回は4個体見つけ標本用に確保する。オキヒイラギが入網した時に必ずいる訳でもなく、オキヒイラギと一緒に回遊しているのか、それとも別で回遊しているのか気になる。また、今年はキビレヒイラギの当たり年となっている感じであるが、その年その年でオキヒイラギ・ヒメヒイラギ以外のヒイラギ科の魚がコバンヒイラギやタイワンヒイラギ、ホソウケグチヒイラギだったりするので本当に面白い。このキビレヒイラギはいつまで続くのだろうか。
キビレヒイラギ


写真上:オキヒイラギ 写真下:キビレヒイラギ
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有難いクサアジ

2024年05月11日 | 定置網
 昨日は定置網の網替え作業が終わるのが遅くなる。網を入れてから時間があまり経っていないので今日は仕事が休みになる。朝から家でゆっくりしているとお隣の定置網の人から電話があり、珍しい魚が獲れて標本用に確保しているとの事。港まで標本を受け取りに行く。指定された冷蔵庫の中の場所を見るとクサアジが置いてある。クサアジは背鰭・臀鰭が非常に高く広いのだが鰭膜が弱く破れてしまいがちである。恐る恐るこの個体の鰭を広げると意外と破れは無く綺麗な状態であり、丁寧に確保して頂き感謝である。有難く魚ボラの標本用に確保する。クサアジはここでは定置網で稀に獲れることがあるだけで滅多にお目に掛かれない種であるのだが、以前に何度か市場に山の様に水揚げされていたこともあり、生態は非常に謎めいている。リュウグウノツカイなどと同じアカマンボウ目という事で謎めいているのも納得である。
クサアジ


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今年も波乱万丈な地元イベント

2024年05月03日 | 日記
 今日からゴールデンウィーク突入。市場も休みとなるが今年も今日は地元の大きなイベントがあり、鮮魚販売等の為定置網漁に出漁。今年も地魚鑑賞プールに泳がす魚を今日の定置網漁で獲らなければならない。昨年はアカシュモクザメをプールに泳がして子供達からも好評であった(ブログ2023 5.3)。今年もプール用とサメタッチ用に確保したいところであったがその姿が無い。だが、その代わりと言ったら何だけど小型のイタチザメが入網。流石にイタチザメはプールに泳がすと危険なのでサメタッチ用に確保する。その他ありとあらゆる魚を活かしたものの目玉となるような魚は無し。でも、前日までにお隣の定置網の方がサカタザメや様々な魚を確保していてくれていたのでそれと合わせて何とかなる。また、水槽にも先日定置網で確保したチゴダラ(ブログ2024 4.27)や夜間採集で確保したタカクラタツ(ブログ2024 4.27)などを展示。更に昨年水槽展示で人気だったハナガサクラゲも今日の入網は無く、どうしようかと思っていたが、たまたま大きなカミナリイカが獲れ、活かしてきたのでそれを展示し難を逃れる。そしてイベントがスタート。スタートと同時に思った通り鑑賞プールは多くの子供達で取り囲まれる。サメタッチのイタチザメも子供達は恐る恐る触り楽しんでいる感じ。でも、サメ好きの高校生などが来ないかなと思っていたのだが来ているのは小さなお子さんばかりでイタチザメ自体を知る人はほんの数人で少なくあまり驚いてはもらえなかった。今年も欲しい魚がおらず波乱はあったものの、何とか対処でき無事に大盛況でイベントを終えることが出来た。来年もまたハラハラのイベントとなるのだろうか。
今朝の定置網漁でお手頃サイズのイタチザメが入網

地魚鑑賞プール



サメタッチ


チゴダラとタカクラタツも展示

人気だったカミナリイカ
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カンムリダチ再び

2024年04月29日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ。水揚げ後は雨が降り仕事も終了となる。早めに仕事が終わりゆっくりと市場内を散策。他の定置網はまだ水揚げ作業中である。すると小さなタチウオやイスズミなど雑魚が入ったカゴの中に綺麗なキスジヒメジを発見。手に取り記録用に写真のみ撮る。撮影後、魚を元のカゴに戻そうとする。すると一緒の雑魚カゴに入っていた小さなタチウオの顔つきが違う事に気付く。手に取るとカンムリダチである。カンムリダチは以前に1個体だけこの市場で見つかっており、この個体で2個体目となる。その1個体目は私は気付かなかったのだが、丁度魚類相調査で来ていた宮崎大学の学生が見つけてくれて魚ボラの標本として確保している(ブログ2017 5.17)。今回も最初に雑魚カゴを見た時は小さなタチウオが入っているのは見ているがキスジヒメジに目が行ってしまいカンムリダチだとは気付かなかった。もしもキスジヒメジが入っていなかったらそのままスルーしていたと思う。更にそのキスジヒメジを撮影後戻す時に気付いたのでキスジヒメジをそのまま標本用に確保していたらカンムリダチだとは気付かなかっただろう。今回の事を考えると今までにも様々な魚を見ているが気付かずにスルーして来ているのではと思われる。今回の様に運もあるのかもしれないが、何もかも疑いながら見なければ巡り会えない魚もいるのだろう。
カンムリダチ


キスジヒメジ




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直ぐに終了の夜間採集

2024年04月27日 | 採集
 今日は土曜日なので夜間採集の日。夜になり雨が降って来ている。潮が満潮時で期待も出来ないのであまり乗る気ではない。だが、雨雲レーダーを見ると丁度1時間くらい雨が降らない時間帯がある。乗る気ではないがその時間を狙ってサッと夜間採集へと行く。港に着くと雨は止んでいる。だが、魚を探し始めると直ぐにポツリポツリと雨粒が落ちてくる。雨雲レーダーでは大丈夫だったので気にせず魚を探す。すると船の係留ロープにいかにもタツノオトシゴとわかるシルエットが尾を絡ませているのを発見。タモ網で掬い採るとやはりタツノオトシゴ属の魚である。一応確保する。その後、雨は次第に強くなり雨雲レーダーとは異なり本降り状態。これでは水中も見えず終了。たったの10分程の採集となる。帰宅後、採集したタツノオトシゴ属を調べるとタカクラタツとなる。タカクラタツはうちの定置網ではタツノオトシゴ属の中で一番よく獲れる種である。生きているので魚ボラ用の標本にするよりも来週の地元イベントでの展示用に使う事にする。

タカクラタツ


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悩むことなく チゴダラ

2024年04月27日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を起こしていくとチゴダラ発見。直ぐに掬い取り生きた状態で確保する。チゴダラは最近見なくなった魚であり、久し振りの対面となる。以前の写真の記録を見ると6年振りの入網みたいである。チゴダラと言えば以前はエゾイソアイナメの存在があり、眼径の大きさや体色、分布域や生息水深の違いなどで別種扱いされていた。獲れればいつもどちらだろうかと悩まされていた(ブログ2009 4.20)のだが、2019年にエゾイソアイナメはチゴダラの新参異名であると報告され、今後の悩む苦労がひとつ減った思いであった。ところがシノニムと報告されチゴダラに統一されたもののそれからは姿を見ておらず、今回は久し振りに獲れ、全く悩むことなくチゴダラと直ぐに判明し、その恩恵を初めて受けた感じとなる。一応、標本登録済みであるので来月初めの地元イベントで展示する為、船の中で活かしておくことにする。
チゴダラ


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また逢えるだろうか ブチススキベラ

2024年04月05日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場での水揚げ作業も終了。再び沖へ作業に行く準備中に軽く市場内を散策。すると隅の方で小型定置網の人が出荷準備をしている。近くへ行き魚を見ると、こちらではあまり見る事のない鮮やかな青い魚が1個体目に付く。よく見るとベラの仲間である。ブチススキベラの雄個体の成魚かなと思うが、自分は図鑑でしか見た事がないので定かではない。時間がないが一応写真だけ撮らせてもらう。仕事が終わり家に帰り調べるとやはりブチススキベラの雄個体である。ブチススキベラは素潜り採集の時に毎回見ることが出来、ここでは普通種であるがその全てが幼魚や若魚であり、体側に白色や青色の斑点が散在する個体である。今回の個体は成魚であり、自分としては初めて見る。一応、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)を見ると同じく雄個体の成魚の標本写真が載っておりひと安心。だが、自分の海域ではまだ成魚の標本は未確保である。今回は直ぐに沖へ行かないといけなかったので時間が無く、写真を撮るだけで精一杯であったが、今後ブチススキベラの成魚を確保出来るかと言ったら非常に難しく、その方に頼んで確保して置いてもらえば良かったかなと後悔。購入してもベラの仲間だったので安値だったと考えるとチャンスを逃し悔しい思いである。
ブチススキベラ成魚雄個体



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探していたタイワンダイ

2024年03月22日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業を終えるとお隣の定置網船が帰港。水揚げ作業が始まるといろいろな魚が入ったカゴが運ばれて来る。何かいないか見ると大きめのチダイの様な魚が混ざっている。最近はチダイの中にヒレコダイが混ざっているのをよく見かける。今回もヒレコダイかなと思い、取り上げてみる。すると面長でヒレコダイではなくタイワンダイである。タイワンダイは昨年の11月にうちの定置網でも久し振りに獲れ、ブログでも紹介している(ブログ2023 11.11)。タイワンダイは探していた魚であり確かめたいことがある。実は昨年獲れた時にSNSに上げるとウオノエの研究者の方からタイワンダイからはまだウオノエが見つかっていないとの事。今度タイワンダイを見つけたらウオノエがいるかどうかを確認してほしいと言われていたのである。まだ見つかっていないとなると自分でもいつも以上に興味が湧きタイワンダイを探していたのである。早速タイワンダイの口を開き、口腔内を見てみるとウオノエの姿は確認出来ず。それならばと両方の鰓の中も隅々まで確認するが結局見つからず残念である。ウオノエが見つからなかったことを伝えるとマダイとタイノエの研究では、タイノエの寿命は6年くらいで、それより高齢のマダイには寄生が見られないことが報告されているとの事。だからマダイや他魚種でも大きな個体には寄生していないのかと納得。今までに小さなタイワンダイもここでは確認しているので今後に期待したいところである。
タイワンダイ



数日前に揚がっていたヒレコダイ
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標本初確保 イトベラ

2024年03月19日 | 定置網・市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしているとお隣の定置網船が帰港。すると直ぐにいつも標本提供してくれる方が来られて魚を頂く。見るとベラの仲間である。ベラの仲間はこの近辺には沢山いるのだが、定置網にはなかなか入らない。今回の個体はパッと見では種名が分からなく、以前に素潜り採集で1度だけ採った事のあるスジベラ(ブログ2017 8.23)かなと思う。家に帰り直ぐに以前採集したスジベラの写真を見てみる。すると似てはいるけどどこか違う感じがする。ネットでスジベラの画像を検索すると体の上半部が暗色でその所々に横帯があり、やはり似てはいるけど違う感じもする。ベラの仲間は性転換するのでその途中の可能性や成長に伴い容姿も変わる種が多く厄介である。一応、スジベラの近似種のカンムリベラ属を調べるが該当する種は見つからないのでやはりスジベラなのかと思う。でも尾鰭の上半部から先端に掛けて黒いのが気になりベラ科を全て見てみる。するとそっくりなイトベラを発見。この個体を検索図鑑で確認するとイトベラとなる。イトベラは今までに標本を確保しておらず、定置網や市場、素潜り採集でも見た事がない。薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2025)を確認すると生態写真は載っているものの標本写真は掲載されていない。普通種みたいであるが自分は知らない種であった。これで標本初確保となる。自分で標本写真を撮りたいがここの地域での魚ボラの初標本という事でホルマリンを使うのは遠慮し、鰭に穴をあけずに簡単に展鰭し簡易的に撮影するだけにする。珍しい種ではないみたいであるが釣るしか手に入れる手段のない種のようであるので定置網に入ってくれて更にそれを見つけてくれて本当にラッキーであった。この個体を見つけ確保して来てくれて、更にブログネタがなく困っていた時に本当に有難く感謝したい。
イトベラ


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タカノハダイ成長過程の写真のテレビ放映

2024年03月01日 | 日記
 最近急にブログネタが無く苦しんでいる。昨年末は更新がかなり遅れる位ネタに溢れていたのだが、年が明け定置網でも市場でも、更に港での夜間採集でも成果が得られないでおり、遂に先月は1つのネタで終了となる。早くこの闇から抜け出したい思いである。さて、昨年NHKの番組「ギョギョッとサカナ★スター」の方から私のブログを見て連絡を頂いた。タカノハダイを取り上げるみたいで、その幼魚と成魚では姿が違うということを紹介したいそうで以前に投稿したタカノハダイの成長過程(ブログ2023 3.29)の写真を貸してほしいという内容である。私が撮影した写真を使って頂けるとは大変に光栄で承諾しテレビ用に加工も出来るように単体での写真も提供した。そして今日がその放送日。写真がどのように使われるのか楽しみにしていた。すると成長段階を魚体の位置を重ねて変化する様を映し出しており、変化の様子が非常にわかり易くとても良かったと思う。まさに写真では表せない映像ならではの特権であろう。成長過程の最初の個体は腹部に大きな傷があったがテレビ画面で見ると結構目立っていた。番組側で画像処理してくれるかなとも思っていたがそのまま使われており、こちらでしておけば良かったかなとちょっと反省。そしてもう1点、モヨウフグの写真も頼まれ提供したのだが、これとは別にモヨウフグの回があるのかと思っていたら、このタカノハダイの回の最初の方で定置網乗船の中でモヨウフグが獲れ、その解説に使われていた。うちの定置網漁で撮影(ブログ2022 8.24)され放映(ブログ2022 10.16)されてからもう1年半が経つ。また撮影に来ないだろうかと思うもそれにはまだ放映されていない何か良いネタを見つけなければならない。












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探していたミナミホタテウミヘビ確保

2024年02月06日 | 定置網
 今日は港へ行くが時化模様。それでも出漁し定置網漁を操業。するとホタテウミヘビを発見。だが、いつも見るホタテウミヘビよりも体全体が黒っぽく見える。ウミヘビ科の魚はよく知らないので一応確保しておく。仕事が終わり改めて確保した魚を見るがやはりホタテウミヘビとは違う感じがする。そうなると探しているミナミホタテウミヘビだろうかと思い魚ボラの標本用に確保し持ち帰る。ネットで調べてみるが意外とミナミホタテウミヘビの情報がなくわからない。ウミヘビ科を検索図鑑で調べるのは自信がないが一応検索してみる。すると鋭い歯がなく顆粒状であり、この時点でホタテウミヘビの可能性はなくなる。そして背鰭起部の位置よりミナミホタテウミヘビとなる。ホタテウミヘビとミナミホタテウミヘビの違いが今まで自分ではよくわかっておらず、標本は確保しても同定は全て魚ボラに任せて来た。今までに確保して来たホタテウミヘビの標本の中にミナミホタテウミヘビも混ざっていたのではないかとも思っていたのだが、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)を作成するにあたりミナミホタテウミヘビの標本がない事がわかり、今まで見て来た個体は全てホタテウミヘビだったのだとわかった次第である。その為、ミナミホタテウミヘビはこの近辺にはいないのだろうとも思ったが、お隣の大隅半島では定置網から標本が得られているのでそれならこちらでも獲れるだろうとも思い探していたのである。今回ミナミホタテウミヘビを確保することが出来、これでまた薩摩半島沿岸の魚類図鑑の種数が1種増えたことになる。
大時化の中、定置網漁操業

ミナミホタテウミヘビ






歯は鈍く顆粒状で主上顎骨歯は歯帯をなす


背鰭起部は胸鰭中央上にある

後鼻孔の前後に肉質の小突起がある


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思う様にはいかない キビレヒイラギ

2024年02月02日 | 定置網
 1週間前に定置網漁でオキヒイラギが沢山入網し、そこから10個体のキビレヒイラギを見つけるもコバンヒイラギと勘違いして5個体を捨ててしまう。だが、1日で10個体も獲れたなら今後も続くだろうと思っていた。ところがオキヒイラギの入網は毎日あるもののその中からキビレヒイラギをなかなか見つける事が出来ずにいた。そして一昨日ようやく1個体見つけ、今日は2個体発見。だが、肝心のオキヒイラギの入網がガクンと減り、今後は厳しそうである。せめて捨ててしまい後悔している5個体分は確保したいと思っている。ヤンバルウケグチヒイラギや宮崎で見つかっているカドガワウケグチヒイラギなどまだ見ぬヒイラギ科の魚であれば後悔を補うには十分なのだが贅沢言っていられないので今後も地道にキビレヒイラギを探すしかない。あと2個体なのでどうにかならないものだろうか。
1月31日入網のキビレヒイラギ

今日は2個体入網

写真上キビレヒイラギ、写真中オキヒイラギ、写真下ヒメヒイラギ
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