お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ホッとしたカラスエイ

2024年01月20日 | 定置網
 今年も日頃の魚の事をアップして行きますのでお付き合いの程、よろしくお願い致します。先ずは年明け早々に起きた能登半島の震災により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。能登半島は我々定置網漁業者においてブリ漁の聖地であり、そこが壊滅的な被害に遭われとても驚いております。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 さて、年が明け、長い正月休み明けの定置網漁を期待していましたが面白い魚はなく、それからも普通種の漁模様が続く。何もブログネタのない状況が続きもう月の半分が過ぎてしまう。そして昨日やっと久し振りにカラスエイが入網。まだ日が昇る前の辺りが暗い時間帯であり水中も暗く体盤も黒く見難い状況であったがアカエイとは違う泳ぎ方に見覚えがあり、直ぐにカラスエイと認識。他の魚と混ざる前に確保する。帰港後、水揚げ作業が忙しいのでカラスエイを籠に入れたまま漁協の冷蔵庫に入れて置く。仕事を終えてから漁協の冷蔵庫へカラスエイを見に行く。籠から出して写真を撮ろうとすると体盤の腹側に籠の跡が付いてしまっている。長い時間籠に入れっぱなしだった為、跡が付いてしまい失敗したと後悔。この状態では魚ボラの標本には出来ないので前回モノノケトンガリサカタザメを持って行った(ブログ2023 12.13)水産学部の食べる先生の方へ持って行こうかと悩む。取り敢えず大きな袋に移し替え一日置くことにする。そして今日、仕事終わりでカラスエイを見に行くと体盤腹側に付いていた籠の跡が消えている。これなら魚ボラの標本になりそうである。ホッとしいつもの様に研究室へと走り標本登録してもらう。
カラスエイ

体盤腹側に籠の跡が付いてしまう

一日置き、籠の跡が消える


カラスエイの歯


鹿大郡元キャンパス




黒い板で標本への光の反射を抑える


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初めて聞く名 シロチョウマン

2023年12月27日 | 魚ボラ
 明日が今年の定置網漁最終日。今年最後の漁で何か見つかるかもしれないので明日の漁を見届けてから先日確保したホシエイの標本登録に大学へ行こうと考えていた。ところが今日の仕事終わりに今までに見た事のない深海魚を見つけ、魚体が弱く痛みそうで明日まで冷蔵で置くのも危ないし種名も気になるという事でこれから急遽大学へ走る事となる。ところが明日の定置網漁は中央市場の関係で深夜に出漁となる。今から大学へ走ると帰って来てから寝る時間があるのだろうかと気になるのだが、今年最後なので気張るしかない。大学へは何とかこの前の様な帰宅ラッシュに巻き込まれることなく到着。これで少しは時間を稼いだ感じである。ホシエイを標本登録してもらう。更に見た事のない魚を調べてもらうと自分では見た感じ尾部へ向かい細長くなっているのでソコダラ科かと思っていたのだが、ソコダラ科ではなくアシロ科であった。背鰭が1基しかなく更に腹鰭が糸状であることを確認していたにも関わらず間違えていた。このゴツゴツとした感じの頭部は鳥冠状の突起があり、そこからシロチョウマン属となる。シロチョウマンと聞いてこれが魚種名だなんて全く思えない程自分としては初めて目にする耳にする属名魚種名である。シロチョウマン属は検索図鑑には国内種は4種が記載されており、どの種もここの海域での記録はないみたいである。地味な魚ではあるが珍しそうである。綺麗な状態で標本登録出来、無理してでも大学まで来た甲斐があった。魚ボラの先生とも長く会っていなかったので先生の部屋へも行き話をして急いで帰宅。急いでいたのでシロチョウマン属の魚が結局どの種に同定されたのか聞かずに帰り急いで就寝。焦らずにまた来年大学へ来た時に同定結果を聞けばそれでよい。
*魚ボラでシロチョウマンに同定されました


ホシエイ


シロチョウマン属
魚ボラでシロチョウマンに同定されました




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深海魚のお宝さがしで見た事のない魚をゲット

2023年12月27日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると市場職員からまた選別後の必要のない深海魚が冷蔵庫に入っていると教えてもらう。今までにその中からヒメキチジ(ブログ2023 4.28)やオオヒシマトウダイ(ブログ2023 11.28)を見つけ魚ボラの標本用に確保している。今回も好きなだけ持って行っていいとの事でワクワクする。仕事が終わってから深海魚の選別をして標本用になるような魚を探す。ぱっと見て直ぐにヨロイイタチウオを発見。ヨロイイタチウオは深海エビ漁で混獲される深海魚の中でもアカムツと一緒に高値で取引される昔は捨てられていた高級魚である。その為今では獲れても水揚げされてしまい手に入らない魚である。いつもはサイズが大きいのだがこの個体は小さいので利用されなかったものと思われ遠慮なく標本用に確保する。その後、小さい魚を選別。すると今までに見たことのない魚を発見。尾部へ向かい細長くなっているのでソコダラ科の魚の様に思う。だが、今まで見て来たソコダラ科の魚種とは顔つきが全く違い、魚種がわからない。この個体も確保。全て選別を終え、結局この2種のみ標本用に確保する。このソコダラ科と思われる魚が今までに見た事のない魚であり種名も気になる。更に弱そうな体つきなので直ぐに標本写真を撮ってもらいたい魚である。丁度一昨日確保したホシエイも明日までには大学へ持って行こうと考えていたのでこれから大学へ走り確保した標本を持ち込むことにする。
深海エビ漁で混獲される魚類


ヨロイイタチウオ

見た事のない深海魚



アカカサゴ

カガミダイ

ソコマトウダイ
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クリスマスプレゼントはホシエイ

2023年12月25日 | 定置網
 今日は時化予報だった為、強風が吹いて来る前に定置網漁を操業という事でいつもよりも早い時間に出漁。それでも早くから風が吹いて来て時化の中での操業となる。船が揺れる中、大ダモで魚を掬い選別台へ降ろされると大きな黒いエイが出て来る。まだ辺りは暗く、更にエイ自体も黒くわかり難いのだが体盤に白い小斑点が破線状に並んでいるのが確認出来、ホシエイだと直ぐにわかる。ホシエイはここでは珍しいうえ獲れたとしても大き過ぎて魚ボラの標本用に確保していない。その為、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にも標本写真ではなく水族館で撮影されたものが使われている。いつもは本船のクレーンを使い揚げるのだが今回の個体は大ダモに入るサイズであり小さく標本用に確保する。今日はクリスマスという事でプレゼントに珍しい魚を期待していたのだが、このホシエイが一応クリスマスプレゼントとなるのだろうか。小さいと言ってもうちの冷凍庫には入らない。大学へ走ろうかとも思ったが今日はクリスマスという事で学生も居るかわからない。漁協の冷蔵庫に入れて置いて後日持ち込むことにする。
ホシエイ




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モノノケトンガリサカタザメをお届け

2023年12月13日 | 魚ボラ
 今日の定置網漁で確保したモノノケトンガリサカタザメ。いつもの魚ボラの標本ではなく以前に頼まれていた水産学部の先生に届ける予定である。水産学部からは標本としてではなく魚食として頼まれている。水産学部の先生は今までに多くの魚種を食べて来ており、この個体も追加種となる。だがこの個体、前回魚ボラに標本登録した個体よりも更に体表に小斑点が散在しており珍しく、更に今日はアザハタを持ち込む予定でもあるので魚ボラ用に標本登録した方が良いのか悩む。だが、サイズが大きい過ぎるかもしれないが以前から頼まれていたうえ、これを逃すと次回は何年も先になる可能性もある。更にもう1種オニヒラアジの幼魚も頼まれており、それも丁度確保することが出来ており水産学部に運ぶことにして、先生に連絡する。漁協へ行き確保したモノノケトンガリサカタザメを車に何とか積み込み大学水産学部へ走る。鹿児島市内に入ると帰宅ラッシュに巻き込まれ、到着予定時間を大幅に上回ってしまう。先生に届けるも遅くなってしまい学生が少なく手伝う事に。色々な角度から撮影してから食べる用に身を取る為に捌く。捌くというよりも大きいので解体である。この個体は雌個体だったので前回の様に胎仔を抱えていないか気になっていたが、この個体からは卵の様なものが出て来ただけであった。この後、水産学部キャンパスを出ていつもの魚ボラのキャンパスへ走る。魚ボラの日であったが到着が遅くなってしまい既に終了していたものの、アザハタを標本登録してもらう。遠く福岡から来て頂いている魚ボラのメンバーを駅まで送り帰路につく。今回のモノノケトンガリサカタザメは普通の個体とは特徴が違ううえ大き過ぎたので水産学部の先生にはやっぱり普通の個体の方が良かったのではとちょっと後悔。今後手頃なサイズが獲れればまた確保しようと思う。
モノノケトンガリサカタザメ

車に詰め込めたがギリギリ

鹿大水産学部





あちこちから撮影




いつもの魚ボラが行われている鹿大郡元キャンパスへ

アザハタ

アザハタを標本登録

鹿児島中央駅
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大きな黒斑のないモノノケトンガリサカタザメ再び

2023年12月13日 | 定置網
 先日確保したアザハタが冷蔵保存限界であり、今日は丁度魚ボラの日でもあるので大学へ行く予定。ほかに何か見つからないかと今日の定置網漁で面白い魚を探す。すると突然大きなモノノケトンガリサカタザメが揚って来る。普段だとこの大きなサイズなら網を絞る時点で網の中にいるのはわかるのだが、今回は大ダモで掬って揚がって来るまで全く気付かず。突然の事で非常に驚く。見ると普通の個体ではなく、以前にも獲れた胸鰭中央に大きな黒斑がなく、胸鰭を中心に体全体に小斑点が散在している個体(ブログ2022 8.29)である。しかも今回の個体はその小斑点がまだら模様の様に非常に多い。今年の初めには体表に模様のないナルトビエイでもこのような小斑点が散在している個体(ブログ2023 1.17)が獲れている。同じ板鰓類という事で何か繋がりがあるのだろうか。モノノケトンガリサカタザメは大学の水産学部の先生から頼まれており、サイズは大きいものの運べるサイズなので一応確保する。
モノノケトンガリサカタザメ

胸鰭中央に黒斑はなく、体表に小斑点が散在




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アザハタ初確保

2023年12月11日 | 市場
 今日は朝から雨。定置網漁を終え水揚げを済ますと仕事は終了となる。その後、市場内を散策する。すると活魚水槽にアザハタが2個体水揚げされ泳いでいる。アザハタはここでは珍しく、市場に水揚げされているのを何度か見た事があるだけであり、魚ボラの標本としてまだ確保していない。アザハタはハタの仲間で高級魚であり高値の付く魚である。だが、今回は2個体のうち1個体はサイズが小さく1キロ未満であり、これなら何とかなりそうであり標本確保の絶好のチャンスである。という事で市場職員の方に札を入れてもらい入札。何とか確保することが出来た。今日はもう仕事が終わっているのでこのまま大学へ走ってもいいのだが、運悪く車が修理中で夕方に引き取りに行かなければならない。車を引き取りそのまま大学へ走ろうかとも思うが魚ボラの先生は海外出張中で居らず、大学内に入るのが時間的に微妙である。その為、標本は確保したものの大学へ持ち込むのは諦める。一応冷蔵で置き、明日以降大学へ走れれば持ち込もうと思う。とにかく標本をまだ未確保のアザハタを確保することが出来てひと安心である。

水揚げされているアザハタ(確保個体)

水揚げされている大きい方のアザハタ

確保したアザハタ


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ゴマフエダイ幼魚初採集

2023年12月09日 | 採集
 今日は夜間採集の日。大潮前の干潮時と言う事でまた地元の教えて頂いた場所(ブログ2023 11.27)へ夜間採集に行く。前回は強風でメインの場所は確認出来なかったのでここへ来るのを楽しみにしていた。今日は風もなくじっくりとハタ類の幼魚を探すことが出来そうである。水量がとても少ない河口であり、こんな所にいるのだろうかと思いながら探していく。すると何故か石の下ではなく横にいるミミズハゼの仲間を発見。採集する。更にタネハゼやチチブモドキなども見つける。何だか状況から夜間採集の遠征(ブログ2023 9.30)(ブログ2023 10.28)を思い出し、こんな感じならフエダイ類の幼魚も見つかるのではと思う。更に川を上って行くと水の溜まった淀みがあり、案の定フエダイ類の幼魚を発見。採集するとオキフエダイの幼魚である。オキフエダイは昨年まで地元では見つかっていない魚であったが、今年はいつもの港での夜間採集(ブログ2023 9.16)(ブログ2023 11.25)や定置網(ブログ2023 11.20)でも見つかり、ここでも見つかるとは当たり年となる。更にフエダイ類の幼魚を見つけ採集すると今度はゴマフエダイの幼魚である。ゴマフエダイは定置網では成魚が獲れるものの自分の採集では初採集となる。淀みの先は川の流れが速く目的のハタ類の幼魚は見つからずここで終了。更に前回クエの幼魚を採集した(ブログ2023 11.27)場所へ行くと潮が完全に引いておらず採集出来ず今日の夜間採集は終了となる。暗い狭い山道を行き帰り恐る恐る通って行く夜間採集の遠征では目的のフエダイ類の幼魚が採集出来なかったのに簡単に来られる地元でフエダイ類の幼魚が採れるなんて本当に灯台下暗しであった。

ミミズハゼの仲間
*後日、魚ボラでミミズハゼと同定されました。

タネハゼ

オキフエダイ幼魚

ゴマフエダイ幼魚

今回の収穫

オキフエダイ幼魚

ゴマフエダイ幼魚

ミミズハゼ

タネハゼ


オキフエダイ幼魚

ゴマフエダイ幼魚
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ひょんなことからオオヒシマトウダイを確保

2023年11月28日 | 市場
 今日は時化で仕事は休み。なので昨晩は大学へ行った後、夜間採集にも行き、いつも起きる時間位に寝たので今朝はゆっくりと起きる。家でゆっくりしていると市場職員から電話があり、深海魚が来ていると教えてもらう。昨日の深海エビ船の帰港が遅く出荷に間に合わなかったらしい。深海エビ漁へは私も今までに何度も乗船し深海魚を標本確保して来ているので新たな魚に遭遇するのは難しいかなと思うも、以前も処分される深海魚の中から標本未確保のヒメキチジを見つけている(ブログ2023 4.28)ので市場に向かう。市場に着くと深海魚が小さなタンクに入れてあり欲しいだけ持っていいとの事である。選別台に深海魚を広げ、標本になりそうな魚を探す。すると驚くことにオオヒシマトウダイを発見。オオヒシマトウダイは写真でしか見た事がない魚であり興奮する。体表には突起がいくつもあり、このような突起があることは知らず更に興奮。取り敢えず確保し更に他に何かいないか魚を探す。だが、その他は今までに採集したことのある魚種だけだったので数種だけ確保し終了。きょうは休みなのでこのまま大学へ走ろうかとも思ったが、このオオヒシマトウダイのロカリティなど情報がよくわからない。あちこちに聞き、獲った漁船と大まかな採集海域まではわかったものの、それ以上の情報は不明である。ロカリティ情報がないと標本の価値がない。という事で昨日も大学へ行ったばかりなので今回は冷凍保存する。今年はまだ深海エビ漁に乗船出来ていない。この様な魚を見てしまうと益々深海エビ漁に行きたい思いになる。自分が仕事の休みの日にしか行くことが出来ないうえ忙しく、なかなかもどかしい思いである。
深海魚の中からお宝さがし

オオヒシマトウダイ

体表のあちこちに突起物が



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知らなかった地元の採集でクエ幼魚初採集

2023年11月27日 | 採集
 今日は大学にアキイロイケカツオを持ち込んだ。時間が無かったのだが、そこで学生から採集に関する有力な情報を得た。なんと私の地元の話である。川の河口でハタ類の幼魚が沢山いたらしい。更にこちらではまだ未確認のタビラクチが何気に陸上で休んでいて採集して来ていたのである。今まで素潜り採集でよく来ている場所であるが、素潜りでは河口に近づくと川からの水の入りがあり冷たかったり真水と海水の狭間で見え難かったりで近付くものの入り込んでまでは採集していなかった。それが潜らなくても干潮時に陸から採集出来るなんて今まで思ってもみなかった。まさか地元を紹介してもらうとは恥ずかしい限りである。でも、そんな話を聞いてしまったら確かめずにはいられない状況である。今日は大学の門が閉まる前に帰らないといけないし、明日は時化で仕事は休みだし、丁度今夜は大潮で夜中が干潮と言う事で帰ったら今夜採集に行けと言わんばかりの条件が整っているではないか。という事で夜中に夜間採集を決行する。地元という事で下調べもなくすんなりと現場に到着。まずは逃げられない様にタビラクチ探しで川の縁の陸を散策。だが見つからなかった。次に水中散策であるが明日が時化と言う事であったが既に風が強く吹いており、おまけに川なので風の通りが非常に良く水中が全く見えない状況。これで河口は諦めざるを得ない状況である。最後に諦めムードで河口横の普段素潜り採集をしている場所へ行ってみる。するとタイドプールというより水深の全くない水溜まりがあちこちに出来ているだけの状況。これでは駄目だなと思いながら大きめの石の裏を覗いていく。するとハゼ類やタナバタウオばかりであったが遂にクエの幼魚を発見。逃げられないくらい海水もない浅い所であり非常に驚く。こんな状況の所にいるなんて今までは想像もしていなく、更に良く知る場所なだけにこの30年もの間知らなかったことが非常に悔やまれる。地元なだけに今後の夜間採集はいつもの港と干潮時はこの場所と2ヵ所を探ることになりそうである。

タナバタウオ

タナバタウオ

グァムカサゴ

スズメダイ科の魚(尾鰭が白く初めて見るので確保)
*後日、魚ボラでメガネスズメダイに同定されました

驚きのクエ幼魚発見(初採集)

今日の成果

クエ幼魚

グァムカサゴ

カエルウオ
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アキイロイケカツオを標本登録

2023年11月27日 | 魚ボラ
 今日は大学へアキイロイケカツオを持ち込む予定である。2日前の定置網漁でアキイロイケカツオが3個体も獲れたので休み挟んで今朝の漁でも獲れるだろうと思っていたのだが、イケカツオはいたもののアキイロイケカツオの姿はなく、やはりまだ稀少種という事で考えが甘かったかも。仕事が終わり標本を持って鹿児島へ向かったのだが所用に時間が掛かってしまい、大学に到着したのが18時前となってしまう。大学内には入れたもののまだ魚ボラの先生達は海外出張中。19時には大学の門が閉まってしまい出られなくなるので1時間程しか滞在出来ない状況である。残っている学生達に持ち込んだアキイロイケカツオを標本登録してもらう。結局時間はあっという間に過ぎ、展鰭してもらったところで滞在時間は終了。明日は時化で仕事は休みになったので時間はあるものの、標本写真の撮影までは立ち会うことが出来ずに帰路に就く。



同じ日に獲れたヒシカイワリ



アキイロイケカツオ


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夜間採集でオキフエダイ幼魚再び

2023年11月25日 | 採集
 今日は定置網でアキイロイケカツオが獲れ、まだ興奮気味であるが今日は土曜日で夜間採集の日でもある。アキイロイケカツオでもうお腹いっぱいであるが今夜は大潮前で干潮が夜中という事で夜間採集も期待出来そうな感じである。という事で夜間採集決行。いつもの港へ行くといい感じに潮が引いており、港内に降りて散策する。だが、魚の気配がない。そこで以前にシラヌイハタの幼魚を採集した所(ブログ2018 12.22)へ行き、石の裏などを探る。するとフエダイ科の幼魚が出て来る。動きが鈍いので難なく採集。見ると体側に黒斑が確認出来ない。これはまたオキフエダイの幼魚である。オキフエダイは長年探していた魚であるが、2ヶ月前にここの港の岸壁で見つけ初めて採集し(ブログ2023 9.16)、更に今週の初めに定置網でも獲れ、初入網となった(ブログ2023 11.20)魚である。あれだけ探しても見つからなかったオキフエダイであるが、こんなにも続けて見つかるという事はそのような潮が入って来たのだろうか。今後も期待出来そうであり、更にまだ見ぬバラフエダイ、ナミフエダイも期待したいところである。


オキフエダイ幼魚

ゴマモンガラ幼魚

アオブダイ幼魚

オキフエダイ幼魚
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遂に来た!アキイロイケカツオ

2023年11月25日 | 定置網
 先月から毎日のように定置網にイケカツオ、ミナミイケカツオの幼魚が入網している。そこでその中からある魚を探していた。そして遂に今日の定置網漁で発見。アキイロイケカツオである。アキイロイケカツオは2021年に隣の宮崎でその幼魚が見つかり、続いて石垣島でも成魚が見つかった日本未記録種である。そして今年の2月に日本初記録種として記載され、標準和名アキイロイケカツオと提唱されたまだ新顔の魚である。お隣の宮崎で得られた事をSNSで知り、こちらでも見つかるだろうと毎年探していた。今年は特に定置網にイケカツオの幼魚が多く入っていたので期待が高まっていたもののなかなか見つからず、同じくアジ科のミヤカミヒラアジやテルメアジなどが宮崎で見つかってからこちらで見つかるまでに何年も掛かっているのでアキイロイケカツオもやはりそんなに簡単に見つかるものではないのだろうとも感じていた。先月の終わりにはやっと体高の高い個体を見つけドキッとしたものの、見ると背鰭や尾鰭が黒い。アキイロイケカツオは背鰭や胸鰭、尾鰭が黄色みがかるのでその個体は普通のイケカツオであり奇形と思われる。今日はアキイロイケカツオを全部で3個体も発見。だが、そのうち2個体が尾鰭に欠落があり完全なのは1個体のみである。石垣島では見つかっているものの奄美などではまだ見つかっておらず、恐らく鹿児島県初記録と思われる。という事で直ぐにでも大学へ標本登録に行かなければならないのだが今日は土曜日である。土日は大学の門が閉まっており、先生やカードを持った学生がいなければ車で中に入ることは出来ない。魚ボラの先生や学生の多くは現在海外出張中である。残っている学生に確認するとやはり今日は車で大学内に入ることが出来ないみたいである。昨日も大学へ行ったばかりであり、月曜日にもアキイロイケカツオが獲れそうな感じがするので今回はうちの冷蔵庫で冷蔵して置き、月曜日に大学へ持ち込むことにする。
アキイロイケカツオ

今回は3個体

写真上:アキイロイケカツオ 写真下:ミナミイケカツオ

毎日イケカツオの幼魚が定置網に入網

先月獲れた全長に対して体高の高いイケカツオ(奇形?)

写真上からイケカツオ・ミナミイケカツオ・アキイロイケカツオ


アキイロイケカツオの体側の鱗
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有難い標本寄贈 シロブチハタ

2023年11月24日 | 魚ボラ
 昨夜、県の水産の方から画像が送られて来た。甑島の漁師の方から見たことのないハタが獲れ、何だかわからず交雑種ではとの事。画像を見るとハタではあるが体側に散在している小斑が黒だったり黄色やオレンジ色だったりしていて私も何だかわからない。今、魚ボラで甑島の魚類図鑑を作成中なので学生が知っているかもと思い画像を送り聞いてみる。すると学生もわからず今度はハタ科を研究していた魚ボラOBの元へ。するとシロブチハタと返って来る。更にまだこの個体があるという事で学生に確認すると魚ボラの先生から確保依頼が来たという事で標本確保の交渉をする。するとその漁師さんが今日鹿児島に出て来るそうで水産学部の先生の所まで届けに来る事になる。今、甑島の魚類図鑑作成中だが標本を入手し辛い状況である。これはチャンスと思い、丁度時化で仕事が休みなので私がその標本を受け取りに行き、甑島の漁師さんとも会い、今後の標本収集の話でも出来ればと考え提案。そして今日、私が水産学部へ行く事になる。先ずは水産学部へ行き、渡しに来るという先生と会い直ぐに漁師さんも来るが急いでいるみたいで少しだけ話して魚を頂く。結局詳しくは話すことが出来なかったが、また珍しい魚が獲れた時には連絡を頂けるようなる。その標本を持ち水産学部を出て、今度はいつもの研究室へ行く。頂いた魚を見るとシロブチハタそのものである。送られて来た画像は獲ったばかりの生鮮時のもので興奮状態だった時の体色みたいでありわからなかった感じである。この個体を標本登録してもらい帰路に就く。
久し振りの水産学部

頂いた標本シロブチハタ

鹿大郡元キャンパス


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どうした?アヤメエビス

2023年11月21日 | 定置網・市場
 今月に入り定置網漁でポツリポツリとアヤメエビスが入網。他の定置網でも獲れているらしく市場にも揚がっているのを確認している。アヤメエビスはここでは昔からイットウダイ属の中では唯一定置網漁で獲れる魚であり、珍しい魚ではない。だが、獲れたとしてもひと網で1~2個体くらいである。そのような状況なのだが今朝の定置網漁でアヤメエビスが一度に7個体も入網。一度にこれだけの個体数が獲れるのは初めてである。更に他の定置でも水揚げがあり、一番多い定置網では17個体も揚がり、この日は最終的に定置網3ヶ統合わせて全部で27個体の水揚げがあった。今までにこれだけの個体数がまとまって揚ったことはなく、この個体数は異常としか思えず非常に驚き、原因がとても気になる。回遊魚であればこのような事は起こり得ることであるが、アヤメエビスは岩場などに隠れて生息しており、動き回るイメージではない。集団で移動しなければならない様な原因が海中で発生したのだろうか。今後更に増えるのか一時的な事なのか今後もアヤメエビスの動向に目が離せない。
アヤメエビス(15日の水揚げ)

20日の水揚げ

今日の水揚げ分

お隣の定置網はこんなに水揚げ
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