お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ズグエイ確保

2022年10月26日 | 定置網
 今日は定置網漁で探していた懐かしいエイの仲間を発見。ズグエイである。ズグエイはここでは昔はちょくちょく定置網に入っており普通種と思っていた。ところが気付いたら見なくなってしまっており、探していた魚である。最後に撮った写真のデータを見ると2007年11月なので、15年も前である。私のブログでもブログ開設間もない頃に紹介している(ブログ2006 12.26)。このブログの個体は鹿児島大学総合研究博物館に標本登録したと思っていたが所蔵標本のデータベースには載っておらず、国内産の標本としては別の1個体のみが登録されていた。薩摩半島沿岸の魚類図鑑にも掲載出来ていない。ズグエイはネット検索しても意外と画像や情報が無く、意外と国内では珍しいエイなのだろうか。取り敢えずズグエイの標本を確保する事が出来たので良かった。今日は更に稀種のヨスジヒメジやヨロイアジも入網。
ズグエイ



ヨスジヒメジ

ヨロイアジ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今期もヨロイアジ入網

2022年10月12日 | 定置網
 今日の定置網漁はギンガメアジが多く入網。更にロウニンアジやリュウキュウヨロイアジなどヒラアジ類が多い。そのような状況の中、今期初のヨロイアジを発見。先月辺りからヒラアジ類が増えて来たものの、なかなかヨロイアジが出て来ないなと思っていたところであった。今年も入網してホッとする。今回は2個体入網し、2個体共標本用に確保する。これからヒラアジ類が増えてくる時期なので、まだ出会ったことのない南方系のアジ類を期待したい。
ヨロイアジ

上:ヨロイアジ 下:リュウキュウヨロイアジ

上:ヨロイアジ 下:リュウキュウヨロイアジ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テンジクザメ幼魚

2022年09月26日 | 定置網
 今日は定置網漁で久し振りにテンジクザメの幼魚が入網。以前に撮った写真を見ると3年振りのご対面である。テンジクザメは以前にもブログで紹介しているが(ブログ2010 9.14)、その頃の標準和名はシロボシテンジクであった。その後、シロボシテンジクはテンジクザメと同種とされシロボシテンジクの標準和名は抹消されている。まだ鹿児島大学で魚ボラが始まる前に北海道大学の研究者に標本を送り、九州南部で繁殖している事を証明し、生物地理学会年報で報告してもらっている。ところがブログで紹介した時にも書いているのだが、それからも幼魚は獲れるのだが、成魚はやはり未だに獲れた事がない 。繁殖していることを証明したものの、その親魚を見つけることが出来ていない。いったい親魚はどこにいるのだろうか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今度は2個体 ヤシャカマス

2022年09月14日 | 定置網
 今日の定置網漁でまたヤシャカマスが入網。今回は2個体入る。1度に2個体入るのは初めてである。ヤシャカマスは2年前に日本初記録種として報告されているが、報告される前から定置網に入網しており、当時はオニカマスと思い写真にだけ収めていた。報告後、標本を確保する為に探していたのだが、見つけるまでに2年掛かっている(ブログ2022 7.9)。そんなヤシャカマスだが、今年は当たり年なのか、2ヶ月前からうちや他の定置網にポツポツと姿を見せ、うちの網だけでも今回が3・4個体目である。標本用に確保したのは最初に見つけた1個体目だけなのでもう少し確保したいところではあるが、ヤシャカマスが揚がる度にサイズアップしており、今回の個体も大きな方が8.7キロもある。先月確保したモノノケトンガリサカタザメ(ブログ2022 8.29)に比べれば大きな個体であっても確保し標本登録するのは楽かもしれないが、ヤシャカマスは売れる魚なのでコストを考えるとやはり小さな個体を求めたい思いである。今年の標本確保は諦めるも、今後何処まで大きなサイズの個体が揚がるのかが楽しみである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うちの網にもギンガメアジ属

2022年09月10日 | 定置網
 2日前に定置網漁でロウニンアジが沢山入網。そして今日も定置網漁で網を起こして行くと数は少ないがロウニンアジがチラッと見える。取り上げるとロウニンアジではなくイトウオニヒラアジではないかと思っているギンガメアジ属の魚である。2か月前に標本は確保した(ブログ2022 7.20)のだが、形態的にはイトウオニヒラアジが一番近いがロウニンアジと数値が被るところもあり、同定結果はDNA解析待ちとなっている。ようやくうちの定置網にも入ってくれた。自分の所で獲れた個体も標本用に残しておきたいが、サイズが大きいので確保したら大学へ走らなければならず、今日は土曜日だし、水揚げ後は沖作業な為、時間が掛かりそうなので今回は確保するのを諦める。イトウオニヒラアジと同定が確定したらまた確保しようと考えている。でも、脂がのっていて魚の評価が良くなって来ているので、早めに標本を確保しないと値が上がってしまい確保し難くなってしまう恐れもある。評価や値が上がるのは大変に嬉しい事なので仕方ないか。
イトウオニヒラアジと思われるギンガメアジ属の魚



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リュウキュウヨロイアジかぁ

2022年09月09日 | 定置網
 今日は定置網漁でヒラアジを発見。リュウキュウヨロイアジやマルヒラアジみたいであるが若干違和感を感じる。昨日、うちの定置網でオオクチイケカツオが入網(ブログ2022 9.8)しているだけに、南の方から黒潮に乗って来た国内未記録種を疑う。漁を終え帰港するまでの間にあちこち確認するが、よく見ればリュウキュウヨロイアジの普段見るサイズよりも成長した個体の様であり残念。昨日、オオクチイケカツオを見ていなかったらこの個体は普通にスルーしていたかもしれない。でも、今までは自分の思い込みでスルーしてしまった過ちが何度もあるので、疑う事が重要である。今回はちょっとはワクワク感を感じられたので良かったのかな。
リュウキュウヨロイアジ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台風の置き土産でオオクチイケカツオ初入網

2022年09月08日 | 定置網
 台風11号が接近し強風域に入るが暴風域には入らなそうなので定置網は揚げずに入れたままであった。一昨日台風が通過したものの昨日は吹き返しが吹き時化。という事で今日は4日振りの定置網操業となる。網を起こして行くとアカシュモクザメが多く泳いでおり、期待外れな予感。ところが網を絞ると底の方には大きめのロウニンアジとギンガメアジが多く、大漁。そのような状況の中、網の中で泳いでいるロウニンアジの中に体型的に細長い個体を発見するが魚種までは確認出来ずに見失う。結局何だったかわからずに帰港。そして、水揚げ中にその魚が出て来て判明。オオクチイケカツオである。オオクチイケカツオはうちの定置網では初入網であるが、以前にお隣の定置網で獲れた事があり(ブログ2019 3.9)、標本に基づく日本からの3例目の記録として報告している。その後も各地で見つかっているらしくネット上で何度も見ているが、標本登録や報告はされていない模様。今回の個体はここでは2個体目であり、貴重な魚なので標本用に確保する。標本を確保したので大学へ標本登録に行こうかと思うが、今月は確か日本魚類学会の年会があったと記憶しており、魚ボラの先生や学生が居ない恐れがある。先生に連絡すると学会年会は来週で学生はまだ大学にいるとの事。更に今日、たまたまうちの隣町に学生の何人かが魚類調査に来ているというのでそちらに連絡してもらう。そして魚類調査も終わり帰り際に近くで待ち合わせ、学生に標本を手渡し、託したので今回は隣町まで走っただけで大学まで走らずに済む。今回は3年振りにオオクチイケカツオに出会うことが出来、嬉しい台風の置き土産となった。
大漁のロウニンアジ

ロウニンアジ

オオクチイケカツオ



魚類調査に来ていた学生達
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予兆のあったタキゲンロクダイ確保

2022年08月30日 | 定置網
 今日は水揚げ後、お隣の定置網の水揚げの様子を見に行く。すると捨てられる雑魚が入ったカゴの中にタキゲンロクダイを発見。魚ボラの標本用に頂く。タキゲンロクダイはここでは珍しく、以前にうちの定置網で幼魚が初入網し、その日に他の定置網でも成魚が入り、幼魚・成魚を共に一度で初確保している(ブログ2010 3.11)。今回は久し振りのご対面である・・・と言いたいが、実は先週定置網の近くで見ておりこの予兆があった。先週うちの定置網でお世話になっている網業者が来て、うちとお隣の定置網の間にある瀬を確認したいと水中カメラで調査をした。その時に瀬の上にペアなのか2個体のタキゲンロクダイが映ったのである。前回初確保して以来出会っていなかったので驚き、生息を確認しただけではなく網に入ってくれないかなと思ったばかりであった。その時に映った個体かどうかはわからないが、お隣の定置網とはいえ、1個体だけでも取り敢えずは標本を確保出来たので良かった。このタキゲンロクダイも定置網の周辺には普通に生息しているけど網には入らない魚種なのだろうか。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別種?モノノケトンガリサカタザメ

2022年08月29日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと大きなモノノケトンガリサカタザメが目の前を泳いでいるのを見つける。かなりサイズが大きそうに見え、厄介に思う。網を絞り上げ、魚を取り込むとモノノケトンガリサカタザメも一緒に揚がって来る。泳いでいた時よりも小さく見え、水中だったから大きく見えたのかとホッとする。すると次に大ダモを魚の中に入れると大きなモノノケトンガリサカタザメが引っ掛かる。まだいたのかと驚く。大ダモには入らないのでフックで引っ掛けクレーンでデッキに上げる。こちらが泳いでいる時に見えた大きな個体である。更に同じくらいのサイズがもう1個体おり、全部で3個体もモノノケトンガリサカタザメが揚がる。一度に3個体は初めてかもしれない。更に小さな個体はモノノケトンガリサカタザメの特徴がよく現れた普通の個体であるが、大きな2個体は体型はモノノケそのものなのだが特徴の胸鰭中央にある黒斑が無く、胸鰭を中心に体全体に小斑点が散在しており別種を疑う。前回標本用に確保した時(ブログ2021 9.20)にトンガリサカタザメ属には国内未記録種が数種おり、獲れる可能性のある台湾に生息する未記録種もいるというのでその種を疑う。実際にモノノケトンガリサカタザメもトンガリサカタザメとされていた時に自分では疑っていたものの、若魚である事や地域変異と思いスルーしていた(ブログ2007 9.6)。今回もそのような失敗をしない様に1個体標本用に確保する。
今回獲れたモノノケトンガリサカタザメ3個体




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しかった定置網漁

2022年08月24日 | 定置網
 今日の定置網漁に見覚えのあるお方が乗船。思い出に残る楽しい一日となりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うちの定置網でもヤシャカマス

2022年08月20日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと大きなカマスの仲間が泳いでいるのを発見。またかなと思い取り上げる。すると思った通りヤシャカマスである。ヤシャカマスは2年前に日本初記録種として記載されたカマスの仲間で、先月も市場に揚がっているのを見つけ標本用に確保している(ブログ2022 7.9)。だが、他の定置網の漁獲物な為、自分の所で獲れた個体も標本登録したいと思っていた。実はブログでは紹介していないのだが、うちの定置網では先週もヤシャカマスが入網しており今月2個体目である。サイズが大きく家の冷凍庫では保存できないので、標本用に確保したらその日のうちに大学へ持ち込まなければならず、先週は大学へ走る時間が無く、標本用には確保していない。今回は土曜日ではあるが予定は入っていないので大学へ走ることも出来る。だが、綺麗な個体ではあるが今回は6キロ以上もあり流石に大き過ぎる。という事で今回も標本用に確保するのは諦め、写真にのみ記録する。


ヤシャカマス





先週12日に入網したヤシャカマス(確保せず)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナガタチカマス初確保

2022年07月18日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げしていると、お隣の定置網船が帰港。いつも標本を確保して来てくれる人が遠くから身振り手振りで何やら持って来てくれた模様。船まで見に行くとナガタチカマスである。ナガタチカマスはここでは珍しく、昔市場に揚がった個体を地べたに置いて写真を撮ったことがあるだけで、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にもその写真が使われ、いまだに標本を確保しておらず、標本写真もない。実は先月も市場職員から魚の名を教えて欲しいとメッセージが来たのだが仕事中で気付かず、仕事が終わってからメッセージを見ると市場に揚がったナガタチカマスの写真であった。気付いた時は入札後で仲買が購入して行き、市場にはもう魚がない状況で確保することが出来なかった。残念で後悔していたがこんなに早くまた揚り、しかも今度は標本用に確保して頂いて本当に有難く、皆様の協力に感謝感激である。だが、このナガタチカマス。長さがあり、家の冷凍庫には入らない。今日は忙しく大学へ持ち込むことも出来ない。なので、明日大学へ走ろうかと今日は家の冷凍庫ではなく冷蔵庫で保管する。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3年おきのジンベエザメ

2022年07月07日 | 定置網
今日は定置網漁で網を起こしていくと水玉模様の大きな魚が目に入って来る。ジンベエザメである。今回のジンベエザメはとにかくデカい。網を絞ると全長で7メートルはある感じ。大人しく暴れないのでまだいいが、それでもこのサイズだと網の外に帰すのも大変である。網を沈めたり、船のクレーンを使って何とか逃がすことが出来た。魚ボラの標本にもならないサイズなので、せめて体に吸着しているコバンザメの仲間だけでも確保しようとタモ網で掬おうとする。すると、コバンザメもこちらを見ているようで網を出すとサッと裏側に逃げてしまう。時間を掛けてコバンザメを確保している場合ではないので諦め、ジンベエザメを逃がすことに専念する。前回ジンベエザメが入網したのがいつなのか調べると3年前の7月である。更にその前はその3年前であり、うちの定置網では3年おきにジンベエザメが入網している様である。となると、次回も3年後の2025年となるのだろうか。また会う日まで。
ジンベエザメ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

成長過程? ツノハタタテダイ幼魚

2022年07月04日 | 定置網
 1ヶ月近く掛け、定置網を新たなものにやり替える作業を行っていて、先週終了。今日からやっと定置網漁の再開である。漁模様はギンガメアジが多くまずまずの漁模様である。そんな中、市場で選別作業をしていると見慣れない小さな魚を発見。ツノハタタテダイの幼魚の様である。ツノハタタテダイは素潜り採集で見る事があり、採集もしている。でも定置網に入ることはない。だが、5月にハタタテダイ属のトリクチス幼生をお隣の定置網の方から頂いている(ブログ2022 5.27)。それが体側や臀鰭が黒く、今まで見た事が無い体色をしており、その体色からツノハタタテダイが思い浮かんでいた。今回、この個体が獲れ、以前の個体もツノハタタテダイではないかというのが濃厚になった感じである。この様に若魚や幼魚からわからなかった稚魚が判明していけば本当に本望である。でも、今回は稚魚から幼魚へ確定となるもう一段階の過程が欲しいところであり、今回の個体を得ることで前回がツノハタタテダイの稚魚であるとは確信できない。まだまだ稚魚を探す必要がある。



ツノハタタテダイ幼魚







前回頂いたトリクチス幼生

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

申し訳ないクラゲウオ幼魚

2022年06月18日 | 定置網
 現在うちの定置網は大掛かりな網や側の入れ替え作業中。更に2泊3日の強行出張から昨日帰ったばかりである。今日は天候が悪く沖での作業は難しそうなので体を休めるうえでも仕事が休みとなる。家でゆっくりしていると出漁したお隣の定置網の方から標本用の魚を確保したと連絡を頂く。標本を受け取りに急いで港へ行く。確保してもらった魚を頂くと、指先に乗る位のとても小さな魚である。よく見るとクラゲウオの幼魚である。クラゲウオは今までに幼魚をいくつか確保しているが、今回の個体が今までで一番小さい。よくこの小さな魚を見つけたものだと感心してしまう。このサイズの標本はないのでとても有難いのだが、このサイズを冷凍保存すると解凍時に腹部が確実に割れてしまうと思われる。だが、今日は休養という事で大学へは走りたくない。折角確保してもらって申し訳ないのだが、今回は腹部が割れるかもしれないが冷凍保存する事にする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする