お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

タイワンアイノコイワシ

2023年03月08日 | 定置網
 ここ数年カタクチイワシが少なくなっている。親魚が減っているからか毎年12月頃に定置網に入るシラスも昨年は全く見ていない。最近やっとシラスが見えて来たと思ったらウルメイワシのシラスである。その雑魚の中にカタクチイワシの親魚も混ざっている。取り上げるとカタクチイワシよりも別種に目が行く。体の中央部に銀色帯が通っていて頭部が小さくタイワンアイノコイワシと思われる。今日はカタクチイワシの親魚よりもこのタイワンアイノコイワシの方が数が多い。数が多いと言っても知れた量。雑魚の中で一番占めているのはやはりカタボシイワシである。
タイワンアイノコイワシ

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あと少し マダラエイ

2023年02月15日 | 定置網
 今日は定置網漁で大きなマダラエイが入網。エイ類で特に大型の個体は尾部の棘が危ないので漁獲された時に棘や尾部ごと直ぐに切り落とし、網から安全に外してから逃がすことがあり、その尾部が切り落とされた個体がよく網に入り、尾部がない事で標本用に確保するのを諦めたこともある。今回のマダラエイは尾部も棘もあり、とても綺麗な個体である。マダラエイは決して珍しいエイではなく、更に小さな個体も今までに何度も入網している。だが、自分ではもう標本用に確保しているものと思っていたのだが、標本は未登録であった。更に薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)でも記載漏れで載っていないので標本用に探している種である。標本用に確保したいところではあるが、やはりこのサイズが問題である。このサイズなら保存は出来ないので仕事が終わってから大学へ持ち込まないといけないのだが、今日は仕事終わりから予定があり行くことが出来ない。あと少し小さければどうにかなりそうなのだが色々と考え、今回も標本確保は諦め危ない棘を切り落とし逃がす。マダラエイなら珍しくはないので待てば良いサイズに出会えるはずであると信じたい。
マダラエイ
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悩ましいナルトビエイ

2023年01月17日 | 定置網
 今日の定置網漁で少し大きめなナルトビエイが優雅に泳いでいた。網を絞りそのナルトビエイが揚って来る。すると、そのフォルムからナルトビエイと思っていたが体表一面に黒い斑点が散在しマダラ模様である。今まで沢山のナルトビエイを見て来たが、このような模様のあるナルトビエイは初めてである。これはひょっとして海外産で国内未記録種の可能性があるのではと思う。だが、このサイズは大き過ぎて今日中に大学へ走らなければならないサイズである。今日は船のクレーンの工事があり、仕事が終わるのが遅くなってしまう為大学へ走れるかわからなく、標本用に確保するかどうか悩む。取り敢えず市場までは持ち帰り漁協の冷蔵庫に入れ検討する事に。水揚げが終わり冷蔵庫へその個体を見に行くと沖では普通のナルトビエイの様に黒っぽく見えたのだが、今は茶色っぽく見える。茶色いので大きなトビエイのようにも見える。時間が経つにつれトビエイではないかと疑って来る。トビエイであればこの体表の模様も不思議ではない。だが、確かトビエイは吻が尖らず丸かったと記憶しているが現場では調べることが出来ない。魚ボラの先生に連絡するが電話が繋がらない。学生と連絡を取り、エイ類を研究している学生に見てもらい直接電話が来てナルトビエイと教えてもらう。体表一面ではないがそのような模様が現れる個体もいるそうである。それならば無理して大学へ持ち込む必要もないかと思う。その後、先生からも電話が来てそのような個体も必要との事。幸い船の工事も明日まで掛かるので、明日は出漁しないことになり朝の出勤時間がゆっくりとなる。それならば帰りが遅くなってもいいので大学へ今日持ち込む事にする。
ナルトビエイ




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今年初はヨスジヒメジ

2023年01月14日 | 定置網
 あけましておめでとうございます。今年もお付き合いの程、よろしくお願い致します。
さて、年明けの定置網漁に期待していたのですが面白い魚は見つからず、今日でもう2週間が経過。今日の定置網漁でブログネタを発見。ヨスジヒメジである。漸く標本用に確保すべき魚と出会う。ヨスジヒメジは薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)を刊行するまでに標本用に確保した個体が1個体のみで、その個体は同定のキーとして重要な尾鰭の上葉が欠損しており、図鑑用に綺麗な別個体を確保したいと思っていた。稀な種で諦めていたが、期限ぎりぎりで綺麗な個体を確保(ブログ2021 9.23)出来て図鑑にはその写真を載せることが出来た次第である。昨年も1個体確保しており今回の個体は今までで5個体目となる。年が明けて2週間経ってしまったが、ヨスジヒメジが今年初のブログネタとなり今年も何だか期待出来そうである。
ヨスジヒメジ


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当たり年 ヒイラギ科

2022年12月26日 | 定置網
 今日は定置網漁でまたホソウケグチヒイラギを発見。ホソウケグチヒイラギはここでは非常に珍しく、先月もうちの定置網で1個体獲れ(ブログ2022 11.19)、それが今まで確認している4個体目となり魚ボラの標本用に確保している。今回は全部で2個体見つけ、1日で1個体以上見つかるのは初めてである。更に今月ここでは珍しいヒイラギを頂いたお隣の定置網の方からもまた同じくヒイラギを2個体頂く。先月は全国的にも珍しいイトヒキヒイラギも初確認初確保しており(ブログ2022 11.24)、今年はヒイラギ科の当たり年となる。だが、もう年末。来年もこの流れが続いてくれるように期待したい。
ホソウケグチヒイラギ

ヒイラギ
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久し振りのツマグロイシモチ

2022年12月21日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると選別台で久し振りにツマグロイシモチを発見。魚ボラの標本用に確保する。ツマグロイシモチは数年振りの入網である。以前獲れたのはいつだったか覚えていない位。だが、私がこの仕事を始めた30年程前は毎日数個体入網していた。それが急に姿を見なくなり15年前には年間で10個体程度となりブログでも紹介している(ブログ2008 6.26)。そして今では数年に1個体と劇的に減ってしまった魚である。全国的に個体数が減ってしまっているのか、それとも海水温の上昇で生息域が北の方へと移ってしまったのか定かではない。新たな魚に出会えることは嬉しい事だが、その反面姿を消してしまう魚がいるのも事実でとても悲しい。
ツマグロイシモチ
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初入網 クロオビエビス

2022年12月19日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、船に積み込んだ魚を見ると小さなイットウダイ科の魚が浮いており掬い取る。見ると黒っぽくクロオビエビスである。定置網で獲れるイットウダイ科と言えばアカマツカサ属を除くと、一度他の定置網からスミツキカノコを見つけた事がある(ブログ2008 12.17)位で、ほぼアヤメエビスだけである。という事でクロオビエビスは初入網である。最近は定置網での初入網がめっきり減り嬉しいのだが、クロオビエビスは夜間採集で何度か採集しており、既に魚ボラの標本に登録済みである。その為、見つけた当初は初入網とは気付かず普通に扱い、家に帰ってから過去の写真を見て気付いた次第である。イットウダイ科の魚はこの周辺でもまだ数種は生息しているみたいであるが、定置網には入り難い魚種と思われる。台風は嫌だが時化など何らかの変化でまだ見ぬ別種が入らないか期待したい。
クロオビエビス
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悩ましいクロホシマンジュウダイ

2022年12月16日 | 定置網
 今日は市場での水揚げ作業を終えお隣の定置網の水揚げを見に行くと、その魚何と聞かれる。見るとクロホシマンジュウダイである。だが、いつも見るのとは様子が違い、体側に散在する小斑点がこの個体は大きな斑紋であり、幼魚期の模様でそのまま成長した感じである。遺伝子に変異が起こり、幼魚期のままの模様で成長してしまったのだろうかと思う。今回も魚ボラの標本用に頂く。早く家に帰って調べたいのだが、今日は定置網本船の修理があり家に帰るのが遅くなりそう。ようやく仕事を終え家に帰りこのような個体が存在するのか調べると、海外産で中国やタイ、ベトナムなどに生息するクロホシマンジュウダイが同じような容姿である事がわかる。これはいつもの黒潮に乗って流れてきたパターンだろうかと思う。生息地の違いでこれだけ様子が違うのであれば別種も疑ってしまう。魚ボラの先生に画像を送り電話すると、先生もいつか調べてみたいと思っていたとの事。これは綺麗なうちに標本写真を撮ってもらいたいのだが、既に時間が遅く今日は諦め、明日大学へ持ち込むことを伝え段取りをしてもらう。今はDNA解析があるので日本に生息している個体と違いが出ればと期待してしまう。
クロホシマンジュウダイ?



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今度はヒイラギ

2022年12月09日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げ作業をしているとまたお隣の定置網の方が来て魚を差し出して来る。見るとヒイラギである。先日ホソウケグチヒイラギ(ブログ2022 11.19)やイトヒキヒイラギ(ブログ2022 11.24)を頂いたばかりで、今度はヒイラギと珍しいヒイラギ科が続けて獲れている模様。と言ってもヒイラギは全国的には普通なのだが、ここでは非常に稀種であり、確認しているのはこの個体でまだ数個体目である。だが、鹿児島では稀種という訳ではなく県北部では普通種であり、魚ボラで魚類調査を行った時には沢山確保している(ブログ2020 5.31)。ヒイラギの南限がその辺にあるみたいで、ヒイラギだけではなく、カレイ類やメバル類(ブログ2021 1.30)などいくつもの種が南限となっている。これだけ定置網でヒイラギ科が続くとまだ見た事がないヤンバルウケグチヒイラギやヒシコバン・オオメコバンヒイラギ、更にお隣宮崎で得られたカドガワウケグチヒイラギなど全てを期待してしまい、ヒイラギ科をコンプリート出来ればと願っている。
ヒイラギ

ヒイラギ

コバンヒイラギ


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初確保 イトヒキヒイラギ

2022年11月24日 | 定置網
 昨日から定置網船はドック中な為、今日は出漁していない。仕事も午後からで本船の塗装をして船を降ろす予定な為、朝は家でゆっくりしていた。するとお隣の定置網の方から電話があり、今朝の定置網漁でオキヒイラギの中にひと際大きな個体を見つけ確保しているとの事。先日、その方にホソウケグチヒイラギやコバンヒイラギを頂いたばかり(ブログ2022 11.19)であり、それとは別種らしい。急いで港へと向かう。向かう途中、最近見なくなったネッタイヒイラギだろうか、それともこちらでは珍しい普通のヒイラギだろうか、それともシマヒイラギやセイタカヒイラギだろうかと色々と考えながら走る。港に着き、確保してもらった個体を受け取る。すると想像していた種を見事に裏切り、イトヒキヒイラギであった。イトヒキヒイラギは今までに定置網や市場などで見た事が無く、初のご対面である。遠慮なく魚ボラの標本用に頂き初確保となる。一旦家に帰り急いで調べると、ネット検索では意外と情報が少なく珍しそう。更に調べると6年前の論文ではあるが、魚ボラの元学生が鹿児島県内の標本に基づくヒイラギ科魚類相を報告しており、それを見ると国内では沖縄と宮古島での記録があり、鹿児島県内では種子島で得られた個体が県初記録となっている。その後見つかっていなければ県本土初記録となる。更にお隣の宮崎でも確認されていなければ九州本土初記録の可能性もある。急いで大学へ持ち込み綺麗な標本写真を撮ってもらいたいのだが、これから仕事である。その為本船のドックを終え、船を降ろしてから大学へ走ろうと考えていた。ところが本船の塗装は早めに終わったものの、ここのドック場は潮が満ちていないと船を降ろすことが出来ない。潮が満ちて来て本船を降ろし終えると辺りはもう暗くなる。急いで帰るが今から大学へ走ると帰りがかなり遅くなる。明日の仕事がハードな為、今から大学へ走るのは諦め、明日大学へ持ち込むことにする。
イトヒキヒイラギ
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久し振りのホソウケグチヒイラギ

2022年11月19日 | 定置網
 今日は定置網漁でも漁獲が少なく水揚げが直ぐに終わってしまう。その後の仕事も無く帰路に就く。すると途中でお隣の定置網の方から電話があり、珍しい魚が獲れたとの事。市場へ引き返す。取って頂いた魚を見ると驚きのホソウケグチヒイラギである。ホソウケグチヒイラギはお隣の大隅半島東岸では普通種のようだが、こちら薩摩半島側では稀種である。私が撮っている写真を見るとこの個体がここでは4個体目となる。前回の個体はブログでは触れていないのだが、2019年1月なので今回は3年振り位である。お隣の半島で獲れる量を考えるとこちらではもう少し獲れてもおかしくないのだが、潮に大きく影響する魚なのであろう。今回はこのほか小さなコバンヒイラギも2個体見つけてくれた。たくさんいるオキヒイラギを選別中に見つけてくれたのだが、ホソウケグチヒイラギはサイズが大きく目立ったかもしれないが、コバンヒイラギはオキヒイラギよりも少し小さく、違いもわかり難いのでよく見つけたものだと感心してしまう。今後もオキヒイラギが続きそうなのでまだ見ぬ宮崎で見つかっているカドガワウケグチヒイラギを期待してしまう。
ホソウケグチヒイラギ

写真真ん中・下:コバンヒイラギ
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今年もオキイワシ

2022年11月12日 | 定置網
 今日は定置網漁の水揚げを終わるとお隣の定置網の方から呼ばれる。私の為に昨日魚を確保していたが伝えるのを忘れていたとの事。冷蔵庫に見に行くとオキイワシである。オキイワシは非常に珍しい魚であるが、ここでは昨年(ブログ2021 12.15)・一昨年(ブログ2020 12.5)(ブログ2020 12.22)と続けて定置網に入網している。これで3年連続見つかったことになる。この個体で4個体目となるのだが、全てうちの両隣の定置網の混獲であり、うちの定置網ではまだ獲れた事がない。時期的にも毎年同じ今頃であるので、今度はうちでも獲れないかと期待してしまう。というか、うちの定置網でも獲れて欲しい。

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今日もズグエイ

2022年10月31日 | 定置網
 今日の定置網漁で帰港後選別作業をしているとまたズグエイを発見。5日前にも獲れたので今月2個体目である。勿論魚ボラの標本用に確保する。25年位前まではこの様にちょくちょく獲れていた記憶がある。また昔の様に今後も姿を見せてくれる事を願う。
ズグエイ
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ズグエイ確保

2022年10月26日 | 定置網
 今日は定置網漁で探していた懐かしいエイの仲間を発見。ズグエイである。ズグエイはここでは昔はちょくちょく定置網に入っており普通種と思っていた。ところが気付いたら見なくなってしまっており、探していた魚である。最後に撮った写真のデータを見ると2007年11月なので、15年も前である。私のブログでもブログ開設間もない頃に紹介している(ブログ2006 12.26)。このブログの個体は鹿児島大学総合研究博物館に標本登録したと思っていたが所蔵標本のデータベースには載っておらず、国内産の標本としては別の1個体のみが登録されていた。薩摩半島沿岸の魚類図鑑にも掲載出来ていない。ズグエイはネット検索しても意外と画像や情報が無く、意外と国内では珍しいエイなのだろうか。取り敢えずズグエイの標本を確保する事が出来たので良かった。今日は更に稀種のヨスジヒメジやヨロイアジも入網。
ズグエイ



ヨスジヒメジ

ヨロイアジ


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今期もヨロイアジ入網

2022年10月12日 | 定置網
 今日の定置網漁はギンガメアジが多く入網。更にロウニンアジやリュウキュウヨロイアジなどヒラアジ類が多い。そのような状況の中、今期初のヨロイアジを発見。先月辺りからヒラアジ類が増えて来たものの、なかなかヨロイアジが出て来ないなと思っていたところであった。今年も入網してホッとする。今回は2個体入網し、2個体共標本用に確保する。これからヒラアジ類が増えてくる時期なので、まだ出会ったことのない南方系のアジ類を期待したい。
ヨロイアジ

上:ヨロイアジ 下:リュウキュウヨロイアジ

上:ヨロイアジ 下:リュウキュウヨロイアジ


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