お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

気になっていた魚が判明

2007年12月02日 | 採集

 以前から気になっているヒメジの仲間がいた。素潜り採集時に見つけたのだが採集できないでいた。体色は薄紫色で模様は無く、尾柄部にオレンジ色の斑紋がある。そのオレンジ色の斑紋がよく目立つ。図鑑やインターネットを見てもそのようなヒメジの仲間は見つからなく、新種か初記録種ではと思っていた。顔つきからウミヒゴイ属のように見えるが、体つきは幅が薄く体高も低くどちらかというとヒメジ属のようにも思える。ハッキリさせるためには採集して標本を調べるしかない。今日は予定が無かったので採集に行く。そのヒメジを目撃した場所を探すが見つからない。広い範囲探すとようやく2尾で泳ぐヒメジを見つける。だがちょっと深い。そこまで潜れても採集までは難しいと思い、浅いところまで出てくるのを待ちながら追尾する。オレンジの斑紋が目立つので追尾しやすいのだが一定の範囲から動かない。時間ばかりが過ぎるのでこの個体を諦め、他の場所を探す。結局それからは見つからず、夕方5時のサイレンが聞こえてきて海中が暗くなる。今日は無理と諦め帰ることにする。帰り際に浅場で暗い中、オレンジ色の斑紋が目に付く。そのヒメジの幼魚を見つける。意地で何とか採集する。海中で思わず「ヨッシャー」と叫んでしまった。ワクワクしながら家に持ち帰り、調べるとマルクチヒメジと同定できてしまう。マルクチヒメジは図鑑では体色が赤や黄色の個体ばかりであったが、ネットで調べたら同じような体色の個体も見つける。この個体も写真を撮るときは体色が赤っぽくなった。魚を上から見ていたので分からなかったが、尾柄部の斑紋は背面に鞍状の斑紋であった。種を同定できてしまったが、マルクチヒメジは分布域が琉球列島となっている。定置網でも捕れた事がないので良かったかな。何はともあれ疑問だった魚が判明したので、これで年を越せそうである。
コメント
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