お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

新称 サクヤヒメジ

2011年11月23日 | 日記

 私の魚類への興味を生態から分類へと引きずり込んだ魚がいる。6年前に魚類学会年会でうちの定置網で採集されたヒメジ科魚類を日本初記録種として北海道大の研究者の方にポスター発表して頂いた。Upeneus.poriである。その後、論文が執筆され標準和名が提唱される予定であった。だが、その研究者の方が海外へ行ってしまった為、和名は幻となってしまう。その後、地元鹿児島大に魚類分類学の先生が着任され、自分もそこで魚類ボランティアを始める。その後もこの魚はたくさん獲れ、一応和名が無い魚なので全てを鹿大の標本用に確保してきた。現場でも和名が無く扱いに困っていた。そして、ようやく問題解決する日を迎えた。U.poriの分布域は紅海であり、日本とはかけ離れた場所に生息する。そちらのイスラエルの大学教授と今回共同研究を行い、ここで獲れる種は日本固有種とわかり、新種であることが証明されました。そして今日この新種の論文がニュージーランドの国際誌Zootaxaに掲載され、標準和名サクヤヒメジが提唱されました。さらに今回、新種ということで学名も新たに付けられ、その学名に私の名前を献名して頂きました。和名も地元の神話伝説に関係があり、学名・和名ともに先生に感謝致します。この魚を発見してから6年掛かりましたが、これでやっとこの魚を標準和名で呼ぶことができます。
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