今日は水揚げを終え市場内を散策していると小さなスズキが目についた。体側の背面に小黒斑があり、タイリクスズキとも思えるが悩ましい。一応写真だけ撮り、標本用としてはパスする。家に帰り調べると検索図鑑ではタイリクスズキはこの黒斑の多くは鱗よりも大きいとなっている。写真を見ると多くは鱗よりも大きい。だが、普通のスズキもこのサイズの時にこのような小黒斑が確認できるものを良く見かける。この個体は小黒斑が鱗よりも大きく見えるが、それがこのサイズでも同定のキーとして通用するものだろうか。考えても標本は手元にはないので考える事も諦める。
今日は市場で水揚げしていると仲買人から魚の名前を教えてほしいと聞かれる。見に行くとウシサワラである。ウシサワラは以前は珍しい魚ではなかったのだが、もう10年以上は定置網では獲れず、市場でも揚がっているのを見ていない。本当に久し振りのご対面となる。10年以上なのでもちろん標本用にはまだ確保していない。次を待っていてもいつになるか分からないので標本用に確保したいところである。だが、この大きさである。冷凍するには大き過ぎ、今日大学まで持ち込む時間も無くどうしようかと悩む。でもこの個体、全体的にスレ傷が酷く、体表にあるはずの斑紋も確認できない。おまけに吻端部がボロボロで状態が良くないのである。という事で標本用に確保するのを諦める。