お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ホシヒレグロハタ

2016年12月26日 | 市場
 今日は水揚げ後、市場を散策すると見た事の無いハタの仲間が揚っている。見ると網に刺したスレ傷があるので刺し網で漁獲されたもののようである。この市場に揚るハタの仲間は非常に種類が少なく、馴染みの無いハタは自分も知らないのでこの場では魚種がわからない。特にこのように小黒点が散在する種は多く、ハタの仲間の中でも特に厄介である。いつもの事だがハタの仲間は高値の魚であり、いつも標本用に確保する事に迷う魚である。更に年末という事で値段が高騰する可能性もある。だが、最近は潮の影響か面白い魚が揚っているので、このハタの仲間も珍しい可能性もある。また、以前にモヨウハタをスルーしてしまった経緯もある。幸い魚体が小さいので高値になったとしても驚く程にはならないだろうと思い、標本用に確保する。持ち帰り検索図鑑で調べるとヤイトハタに落ちてしまう。ヤイトハタはこの市場にも揚るハタであるが、いつも10キロ以上ある大物ばかりであり、このような小さなサイズは見た事が無い。でも、この個体を見てヤイトハタと言われても何だか違和感がある。わからないのでネット上にアップするとハタ類をよく知る人からホシヒレグロハタではないかと言われる。ホシヒレグロハタには体の背縁にいくつか黒斑がある。しかし、この個体にその黒斑は確認できない。だが、この黒斑は不明瞭の場合もあるという事である。この黒斑が不明瞭という事であれば、検索図鑑でもホシヒレグロハタに落ち、違和感が無くなる。ホシヒレグロハタの分布域は西表島、台湾南部となっており珍しい種と思われる。分布域からこれも黒潮の影響だろうか。今年の年末は本当に面白い。



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