お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

年明け早々日本未記録・未記載種?

2017年01月07日 | 定置網
 今日は定置網漁で見慣れないフグを見つけ、タモ網で掬う。一応生かして港へ持ち帰る。帰港してそのフグをよく見ると腹部にスジ模様が入っている。以前に獲れた事のあるスジモヨウフグかなと思うが、スジモヨウフグは体全体にスジが入っていたと記憶している。現場ではわからないので標本用に確保し持ち帰り調べる。検索図鑑やネットで調べるが腹部にだけスジ模様のあるフグが見つからない。昨年末に黒潮の影響と思われる珍しい魚が立て続けに獲れていたので、このフグも黒潮に乗って来た可能性もあり、魚ボラの先生に連絡する。その結果、珍しそうなので今から大学へ持ち込むことになる。これは新年早々日本初記録種、もしくは未記載種の可能性が出て来てワクワクしながら大学へと走る。大学で調べてもらうと科博のデータベースで同じような標本が見つかる。それによるとカスミフグとスジモヨウフグの交雑種となっている。フグ類は交雑種が多く、もしかしてとも思っていたが、標本写真を見る限り同じである。日本初記録種どころかフグ類によくみられる交雑種とはガッカリである。しかし、交雑種とはいえこのカスミフグは未採集であり、スジモヨウフグも今までに1個体しか獲れた事が無くお互いに珍しいフグ同士である。何とも複雑な思いである。





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