今日は夜間採集の日。このところ3週連続でヨウジウオ科を採集している。3週共一応は別種なのでいいのだが、そろそろ別な魚が採れないかとちょっと期待しながら港へ向かう。今朝は時化で定置網漁は出漁出来なかったが、風も収まり今は海中も良く見える。すると早くも水面でヨタヨタ泳ぐ魚を発見。ヤセオコゼである。採集すると背鰭などがフサフサしておりヒドロ虫が付いているみたいである。その後は透明な稚魚を採集。体型からニザダイの稚魚である。岸壁はひと通り散策したがこの2種では満足出来ずスロープの方も見に行く。だが、ここでもボラ類の稚魚やヘダイかクロダイ属の稚魚しか見つからない。そんな状況の中、海中に細い塩ビパイプが転がっているのを発見。ハゼか何か入っていないかと最後の望みで取り上げ、パイプの中身をタモ網内に落とす。すると網の中には泥が広がる。しかし、その泥の中に鮮やかな魚を発見。取り上げると何とナベカである。ナベカはうちの海域には生息していないのだが、昨年まだ浮遊期のナベカの稚魚が定置網に入網し、採集している(ブログ2021 6.17)。だが、成魚を見るのは初めてであり、うちの海域では成魚初採集となる。ナベカはタイドプールなどでよく見かける馴染みのある普通種であるが、その南限が鹿児島県の北部であり、うちの海域はギリギリ生息していないのである。昨年浮遊期の稚魚を発見したことである程度分散され、少しは定着し成長していないかと期待していた。この塩ビパイプが海中に落ちていなければ採集出来なかったと思うので、次回も何か入らないかと塩ビパイプを元の位置に戻す。家に帰りプラケースに入れ、写真を撮る。ヤセオコゼはヒドロ虫が付いた状態で標本写真が撮れないかと思い、今度大学へ行くまで生かしておくことにする。
ナベカ成魚初採集
ヤセオコゼ
ニザダイ稚魚
今回の成果
ナベカ
ヤセオコゼ(全身がヒドロ虫で覆われている)
ニザダイ稚魚
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