見取り図では部屋から近いと思っていた家族湯だが、館内は広くて結構歩く。
家族湯は2ケ所あり、空いていれば中から施錠して入る。
この日、大正亭の宿泊客は3組だけなので、いつ行っても空いていた。
大浴場の次田の湯はAM2:00までだが、この家族湯は一晩中入れる。
相方は夜中に入ったらしいが、私はこの広い館内を独りで歩く勇気はない。
手前の風呂が芦の湯、奥が水心の湯で、どちらも入り口に浴用タオルが置かれている。
まずは芦の湯から。
広い~。
片隅に置かれた彫刻作品は、4代目ご当主の作品だろうか?
ロビーにも彫刻作品がずらり並んでいて、それらは4代目の手によるものらしい。
ちなみに現在は5代目当主。
こちらは水心の湯で、広さは人物から分かっていただけるでしょう。
湯が注ぎこまれる浴槽はやや熱いめ。
真ん中で区切られた左側の浴槽はぬるい。
区切り部分の縁は石だが、タイル貼り浴槽の縁は木製。
微妙なRは熟練職人さんが手がけたものだろう。
床のタイルも珍しい幾何学模様。
洗い場は2ケ所。
椅子の前、オケを置く場所のタイルは、やや場違いな感じがする。
残念ながら脱衣所は両方共狭くて、二人着替えするのがやっとで、洗面所もない。
相方は湯船が一つだけの芦の湯がいいと言うが、私はこの温冷交互入浴が楽しめる水心の湯の方が好き。
物音ひとつしない静寂の中、この広い風呂に浸かっていると、なにもかも忘れてしまい、まるで天国か竜宮城にでもいるような気分だった。
湯玉の湯口からは無色透明、無味無臭の源泉が注がれ、横には飲泉用に柄杓が置かれていた。
これだけの風呂、今では造る事は出来ないだろう・・・と、思った。
本当に贅沢な風呂だった。
この風呂に入るために宿泊料金も高い大正亭に泊まるか?
それとも温泉の部屋風呂が付いている平安亭にするか?
迷ってしまう。
湯上りコーナー。